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ウエスチさんのレビュー一覧

投稿者:ウエスチ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本寄生獣 10巻セット

2001/01/16 02:34

人間は「食べられる」べきか?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「地球上の誰かがふと思った・『人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか・・・』・『人間の数が100分の1になったらたれ流される毒も100分の1になるだろうか・・・』・誰かがふと思った・『生物の未来を守らねば・・・・・・』」

 「寄生獣」の冒頭の言葉だ。
 実際このような事は、エコロジストでなくても、誰でも一度は考えたりするだろう。善い悪いは別としても、現実として、今の地球や地球上の生物を死滅に追い立てているのはまぎれもなく人間である。
 どんなにライオンやヒョウが強くても彼らは毎年同じ数だけ必ず死に、その死体をまた他の小さい生物が食料にしてサイクルは成り立っている。しかし、幸か不幸か今のところ人間を駆逐したり栄養分にしたりする生物は地球上にはいない。だから人間は絶えず増殖し、そして増えれば増える程地球上のバランスは悪くなっていくのである。これは非常に不思議な現象である。地球で起こりうる最大の異変現象かもしれない。本来なら人間を「食べる」生物がいるはずなのだ。

 長い前置きだったが、こういう考えにまで至って初めて「寄生獣」というマンガの凄さがわかる。というより、「寄生獣」を読むと上のような事をしみじみ考えさせられるのだ。
「ふしぎなにんげん おまえらは なにがしたい?」と。

 「寄生獣」とはつまり、人間を殺す(食べる)という記憶が潜在している変幻自在の寄生生物である。この寄生獣が地球上に突然現れて人間を食べ始めた。主人公の新一も襲われかけるが、ひょんな事で右手だけに寄生獣が寄生してしまった。ここから2人(2匹?)の共生の物語が始まる、という展開だ。
 この作品は環境問題がどうのというテーマを超えて、生きることは何か、そして、他の生物と共に生きるとはどういうことかを見つめさせてくれる。そんな大きいテーマを扱ったにも関わらず最後まで「なんじゃそりゃ」と首をかしげる事なくラストまで一気に読み進められる面白さには、作者岩明均の徹底的に突き詰める緻密さと根性が伺い知れて感服だ。

 個人的には新一とミギー(寄生獣に付けた名前)のやり取りのシュールな微笑ましさが好きだ。一度は読んでおかないともったいない。間違いなく90年代の傑作マンガのひとつだろう。


マンガ批評サイトをやっているので是非見て下さい。ここへどうぞ。

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絶世の美女は肩すかす

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 「イオナ」の舞台は小学校である。
 主人公は小学校の女性教師と彼女をとりまく生徒たちで、笑いあり涙あり色気ありの、さすがビッグコミックスピリッツに長期連載していただけあって常にハイアベレージの楽しい作品に仕上がっている。
 このマンガが他のただ面白い良質マンガと一線を画す点があるとすれば、それは主人公である女教師・イオナが絶世の美女であることだろう。「美女と言っても所詮マンガ」とあなどるなかれ。絶世の美女を描きたいがためだけに作者はこのマンガを描いているのではないかと邪推するほど主人公イオナの描写には力が入っている。また、ファッションもパリコレのような服を毎回毎回飽きもせず事細かに描いている。髪型もコーディネイトに合わせてその都度変わる。1話内で何度も変わる。人間業ではない。
 更に面白いのは、そんなイオナのお色直し芸がマンガゆえのギャグではなかったという掟破りな事実が物語の終わりに向けて明らかになっていく展開である。どういうオチなのかは読んでもらってのお楽しみだが、一つ言えるのは、結局最後まで「イオナ」という女の存在がギャグ・幻であったのか、リアル・有形のものだったのかがうやむやでわからないという事だ。
 絶対的に美しい人(や何か)は、カタチが無かったら見ることができないし、カタチがあったら触ってしまって垢がつく。そのリアルとファンタジーの間を美はさまよってなければならない。
 だからイオナはただの美人女教師では終われなかったのではないだろうか。「イオナ」の読後感としてはなんとなく話のつじつまをごまかして茶化して逃げられたように思えてしまうが、それもこれも仕方ない気はする。なぜならイオナは美しく、美しいものは手元からするりと、冗談めかして逃げていくのが定石だからだ。

澤井健の更に詳しい書評はこちらにあります。是非ご覧下さい。

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