理貴人さんのレビュー一覧
投稿者:理貴人
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慟哭
2000/11/13 23:40
「慟哭」て決して激しいだけの意味じゃないんです。
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連続して起こる幼女誘拐事件。
事件を追う捜査一課課長佐伯は若きキャリア。
ただし妻娘との関係はうまくいっていない。
彼と同様、物語冒頭から登場する男は
娘を失った哀しみを新興宗教の教えにのめりこむことで紛らわす。
警察の奮闘むなしく事件は更に起こり
佐伯は背水の陣とも云える策をとるが…。
どの親も、子を思う気持ちはかわらないことを
つくづく思い知らされる作品。
人の心の深淵を見せつけられ
生き方を、価値観を考えさせられた。
新興宗教、連続幼女誘拐事件、といった
ここ数年の世俗をあらわすキーワードをもちながら
決して浮ついた雰囲気とならない。
ひとえに端正な文章と構成のせいだろうが
この完成度でありながらデビュー作か、と眩暈すら感じる。
「本格推理」としての要素も余りあるほどにもちながら
人間が丹念に描かれていることにも好感をもてる。
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