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いわしさんのレビュー一覧

投稿者:いわし

3 件中 1 件~ 3 件を表示

きちんと知りたい人に

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 多くのことがそうであるように、当事者になってみないと世間に出産や育児に関する本がこれほど出版されていることには気づかなかっただろうと思う。そのたくさんある本の中で、配偶者任せにするのではなくて、出産とは何ぞ? ということを知りたい人には最良の1冊。いわゆる自然分娩(著者は「あたりまえのお産」という言葉をつかっているが)を紹介する本ではあるけれど、赤ちゃんはどのように産まれてくるか、その時にどうしておくのが合理的なのかを本当にわかりやすく説明してくれています。実際に自然分娩を選択するかどうかは別としても、自分の子どもをどのように生みたいのかを考えるための手がかりとしてもおすすめの1冊です。
 著者の大野明子氏は、もともとは東大の大学院を修了した地球化学の研究者。自身の出産体験(「こんなものが、人の出産であっていいはずがはない!」)を契機に、医者を目指したという産科医。さて、この経歴が何を意味するかというと、研究者だけあって論旨が明快でわかりやすい、というだけでは短絡的で、むしろ、研究者、産婦、医師、それぞれの経験が、当たり前の出産を難しくしている現状を冷静に観察し、考察することを可能にしているいう点を強調すべきでしょう。
 「分娩台よさようなら」というタイトルには、一般に常識とされている、産科の病棟で分娩台の上で、しばしば陣痛誘発剤や帝王切開により出産するというルーチンの様な流れが、いかにヒトという種の出産に不合理なものかを象徴しています。読んでもらえば分かるけれど、分娩台は医療者の処置には便利であっても、出産そのものには不要なもののようなのです、本来はね。いわれてみると、確かに何か不自然な感じしません?あの体勢って。
 ヒトも動物なんだから、そんなに不自然なことをしなくても子どもを生むことは出来るはず、それに出産は極めてプライベートで、かつ素晴らしい体験に違いないのだから、あたりまえの出産をする権利が(それも僕らにはない特権的な権利が)あるというのが筆者の哲学なのです。
 ただし、その為の努力は必要だということもよく分かります。大野さんがいかに努力しているかもよく分かります。太っちゃダメ! たくさん歩きなさい! といわれている妊婦さんはたくさんいるでしょうが、その理由はこの本を読むとホントによく分かる。理由を理解して歩くのと、いわれてるから歩くのでは、モチベーションが違うものね。
 さて、このように書いてみると、何だか性急な告発的な論調? と思われそうですが、文章はとても冷静で、読んでて心地よいです。ぜひお二人で読んでみてください。特に、何か読もうと思うけど、可愛らしい装丁で中に意味なくしょーもないマンガなんか載ってて読む気がなえた、という人には特にお勧めです。
 ところで、この本は妻が漫画家の桜沢エリカ氏の本で知って購入したのですが、本を読んであらたによい本に出会うというは読書の至福の一つでしょうね。

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紙の本共働き子育て入門

2003/08/02 11:31

実用的で勇気づけられます

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

既に共働きでがんばっている方よりも、産休・育休中の方によい本だと思います。

実際に、子どもを預けて職場に復帰するには、市役所の窓口に情報収集に行ったり、保育所の見学に行ったりと、足を使うことが多いものですが、その前にこうした本で概略の情報を得て、また復帰した後の自分と家族、職場がどうなりそうかをイメージしておくことはとても有益でしょう。

内容は、共働きをするに当たって必須の条件となる、子どもの預け先について、保育園、ベビーシッターなどを利用する際に注意する点、メリット・デメリットなどがきれいに整理されています。でも、子どもの預け先が確保できれば、仕事が続けられるというわけでもありません。すなわち、家族や職場との関係をどう作っていくかは同様に大切です。この点についても、実際のケースと筆者自身の経験などもまじえながら、具体的にイメージがつかめるようになっています。

私の様に、既に共働きをしている方には、具体的にどう両立させていくか、ということはいろいろ試行錯誤されている方が多いと思いますので、「それ知ってる」という内容も多いとは思います。もっとも、月齢がそれぞれなので、これからこんな感じになるのかというのが分かって、それは楽しかったり、具体的な提案などは参考になったりました。

それよりもむしろ、自分がなぜ共働きをするのか、を改めて考え直す機会になって、個人的には仕事と子育てを両立していることに、すこしプライドを持つことができるようになった点がよいです。

あと、この本の優れているところは筆者の視点が非常にニュートラルだということです。保育園と関わるようになって、保育所関係の団体の文章などに目を通す機会もでてきました。それらの文章で気になるのは、何となく昔懐かしいサヨクの香りがすること。その点この著者は、政府に批判的なことを説明するところでも、文章がナチュラルな点が読んでいて違和感が少なくて気持ちよいです。
新書ということで、紙幅の制限がきついところが残念なところで、このような視点で、保育所の民営化や幼保一元化なども是非論じてもらいたいなと期待したくなります。

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紙の本海辺のカフカ 上

2002/10/03 01:09

耽読してしまいました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

耽読してしまいました。特に、「羊」や「世界の終わり」がかけがえのない小説となっている人は今すぐ買って読んだ方がいい。どうせ読み返すことになるから、図書館なんかで借りずにさっさと買ってしまいましょう。
さて、発売以後、いろんなメディアで紹介されているので、あらすじは省いて、感想などを。私は、読み終えてこれで村上は小説書かなくなるな、最後の小説になるな、と感じました。「これ書いたらもういいや」と思ってるような気がしたから。今はまさかそんなことはないだろうと思っているのですけれど、最初に感じた感想はそれ。たぶん、最初の3部作や「世界の終わり」を新たに組み立てなおしていることが私ごときにもよく分かって、最終的にある結論を見つけることが出来たような気がするっていうお話に思えたから。乱暴に言えばですけれど。
で、その結論ってなに?ってことですが、それが読書の楽しみってもんでしょう? 私は、引用されているイェーツの「夢で責任が始まる」ってのがそれだと思うのですがいかが?「夢で責任が始まる」は、「夢で責任が始まってた」ということかもしれないし…。だから、15歳の少年の話ではあるけれど、45歳のお父さんが読むといいと思うんだけど、読まんのだろうなぁ。あなたにもいつか夢で責任が始まったときがあったんだと思うんだけど。
余談ですが、「夢で責任が始まる」という、デルモア・シュォーツという人のすばらしい短編(小沢健二が柴田元幸のもとでこの小説をテーマに卒論を書いたという噂もあったようななかったような…)もありましたね。で、その翻訳は村上も参加している「and other stories」というアンソロジーに入っています。誰でも知ってるかな?

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