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tanzanightさんのレビュー一覧

投稿者:tanzanight

21 件中 16 件~ 21 件を表示

ちょっと食い足りないが入門としてはお奨め

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 この本のタイトルを見た時に、学際的アプローチとあることから、同じ一つのものを取り上げて、多くの分野からきってみせてくれるのかと思ってしまった。実際には、援助の全体像の中で、各分野がどう係れるかについて各分野の専門家・研究者がそれぞれの立場から述べたものである。その意味ではあまりまとまった形で「学際的」にはなっていない印象を受けた。

 それでも各項はなかなか面白く、「入門」であるので食い足りない面はあるものの、よくまとめられていると思う。特に心理学の立場から「開発援助と心理学」という一項が書かれているが、これが昨今の参加型開発や、エンパワーメントの意味を浮き彫りにしていて非常に面白い。つまり開発を内面的なものと捉えているわけで、外に現れた数値的な指標を計る経済学的な意味での開発と、好対照をなしている。

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内容はなかなか面白い

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 どれを見てもいただけない本シリーズのタイトルではあるが、それでも本書がその中では一番内容に近い、と言えようか。ちなみに原書のタイトルは 'Empowerment: The politics of Alternative Development」 である。「Alternative Development」の訳を「もう一つの開発」とするのは明らかに誤訳だと思うが、でも本書のタイトルにも「Alternative Development」を何とか反映してもらいたかった。

 しかし本書の内容はなかなか面白い。「Alternative Development」の流れから、それが実際にメインストリームになるためのそれこそ「Politics」の話が満載である。資料的価値も高いと思うし、注釈や参考文献は一般書ではなく、学術論文のようなスタイルで付けられており、ここからまた資料を漁るのにも適している。

 もう一つ面白いと思ったのは、シリーズ中のヴェルヘルストの「文化・開発・NGO」の方がアフリカを主とした背景として書いているのに対し、こちらはラテン・アメリカであるところである。無論前者はベルギー人であり、後者はアメリカ人であるからそうした違いが出てくると思うが、二人の焦点が開発においての「Culture」と「Politics」というのもまた面白い対比であるように思える。

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タイトルはどうもいただけないが

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 そして副題が原書のタイトルである、'Des racines pour vivre' を意訳しようとしたものであろうけど、どうも垢抜けていないように思える。

 とまあタイトルには文句を付けるが、本書の内容自体は開発と文化という所を正面から捉えていて面白い。西洋人の開発関係者による反省の書ではあるが、元がフランス語であるせいもあろうか、どこか文学的であり、安っぽい言葉を使えばそれこそ文化的である。その分逆に読んでいてまどろっこしい部分もあるが、アフリカ人にとっての政府という存在の分析など、非常に共感できる。

 フランス語圏でのNGOの活動というのは、あまり知る機会も無いが、本書ではその片鱗に触れることができるし、また宗教と開発、というものにも筆者は深い理解を示している。宗教からの開発アプローチというと、どこかうさん臭さをつい感じてしまいがちであるが、本書はそれを文化に根差したものとして肯定的に捉えている。宗教に関心の無い者には抵抗があるかもしれないが、宗教からのアプローチが切っても切れない、というのは途上国の多くの人にとっての reality かもしれない。

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援助関係者なら読んで欲しい

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 まず本書のタイトルを見て思ったのは、難しい開発系の理論を解説した本なのだろうか?ということであった。ところが手にとって中を見てみると、これは一種の体験記であり、非常に読みやすいものであった。

 次に中身を読んで思ったのは、これはやはりタイトルどおり「援助」原論であって、「開発論」とは違う、ということであった。本書では特に最後になって「自立」という言葉を使っている。援助する側がこの言葉を用いる時の曖昧さもきちんと指摘している一方、ここでの自立は「外部者が測る自立」の範囲で考えられているように思われるし、またそれがゆえに「援助」原論なのであろう。

 本書は、日本有数のNGOであるシャプラニールのバングラデシュ事務所長として働いていた筆者の経験談である。そこでは必ずしもうまく行っていなかった経験や、プロジェクトの問題点、NGOの組織的な問題なども、登場人物の実名と伴に包み隠さず語られている。村人、現地スタッフ、複数の現地駐在員、東京事務局、などなどの重層的かつ異なったリアリティの渦巻く中で試行錯誤を重ねて進んでいく、筆者自身のリアリティの発露とも言える。

 またプロジェクトがうまく行き始めると、お金はそれほどかからない、という観察などは、先日来日したロバート・チェンバースの言っていたことともそのまま共通 しているように思われる。

 本書は末尾を見ても、参考文献は一冊も記されていない。文中には開発の方法論も、専門用語らしい専門用語も一つも出てこない。その意味で開発学の論文を書くための材料とするには無理があるかもしれないが、逆にそのおかげで筆者の苦闘を読者自身が自分の主観に置き換えて追体験できるような気がする。国際協力に興味があるものの、必ずしも開発を専門分野としていない方たちにも、ぜひ一読を薦めたい書だと思う。

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ジェンダーと天然資源管理の研究者なら必読、あとは・・・

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 本書は出版当初ジェンダー関連において、相当のインパクトのあった本である。それはその後のジェンダー関係の文献に、必ずと言ってよいほど本書が触れられている事からも明らかである。その意味でジェンダーと天然資源管理に興味のある人は一度目を通しておくべきであろう。

 しかし正直なところ、本書を読むのにはいささか疲れたし、ついに途中の章をはしょってしまった。ここで繰り返されているのは女性がいかにエコロジーと結びついているか、インドに持ち込まれた西洋の経済優先的な価値観がいかに男性的、paternalistic で環境を(そして女性の生活を)破壊しているか、といったパターンである。確かにインドのチプコ・ムーブメントなどを見れば筆者のいう事にも一理あるし、私自身世界各地で仕事をしてきて、一般論として女性の方が環境と密接に結びついている、という主張に異論はない。

 しかしどうも本書の主張はものごとをあまりに単純化し、対立構造として捕らえすぎているのではないだろうか。無論本書の出た時点ではWIDに関する認識も発展途上であり、そうした状況下において本書がそれなりの役割を果たしている事は間違いがない。まあ私がここで議論しなくとも、最近のジェンダーと天然資源管理に関する文献には、女性達自らの手によってそのへんの事がちゃんと総括されているようである。

 なお本書は前筑波大学教授の熊崎實先生の手によって邦訳され、「生きる歓びイデオロギーとしての近代科学批判」というタイトルがついている。私には「Staying Alive」という元のタイトルはむしろ「何とか生きている」とか「生きるための戦い」というニュアンスに聞こえるのだが、あえて「生きる歓び」という逆説的なタイトルにされた理由をいつか先生にお聞きしたいと思っている。

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紙の本国際協力のフィールドワーク

2001/07/12 22:45

主張が明確で面白い

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 まず本書を手にして最初に目に付いたのが帯の部分の「現場からの国際ボランティア学 南アジアにみる海外ボランティアの役割とその展望」であった。てっきりボランティア論かと思って読み進めたが内容はちょっと異なっていた。

 基本的に著者の豊かな経験に基づく記録、経験談と自分なりの分析が記された書である。NGOやODAといった枠組みにとらわれず、何が合理的かを見定め、かつ個人の思い入れによるボランティア論ではなく、チームでの対応を含めたマネージメントの観点から書かれているのにも好感が持てる。

 残念なのは収録されている文章が、通しで書かれたものでは無いようで、一貫して話が進んでいく、あるいは主張が整理されていく構造になっていない点である。またあまりに個人名が多く登場することも、本書を「私的なもの」に見せてしまっているような気がしてならない。また特定のODA事業やNGOなども登場するため、まったく予備知識のない人にはわかりにくい点があることも否めない。

 しかし掘り下げてみたい示唆に富む書であり、心意気とプロフェッショナリズムにあふれる良書である。

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