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みみんがさんのレビュー一覧

投稿者:みみんが

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本定本育児の百科

2002/01/29 04:59

20世紀の育児の集大成

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 800ページを越える分厚さの本書は、育児に関するありとあらゆる事柄を網羅した、まさに百科辞典である。我が家の長男誕生の際に、友人が本書を贈ってくれたのだが、実に役立つ。自分の子供の様子がなにかおかしいのではないかと心配になり本書を開くと、大抵おなじ症例を見つけることができる。
 著者は、小児科医として長年にわたり、子供と母親の抱える問題をつぶさにみてきた。その経験から得られた、発育段階に応じた子供の生態に関する記述は、その豊富さと詳細さにおいて他に類する書物はないであろう。子供の生態だけでなく、母親、父親、そして他の家族の生態についても実に“いきいき”と描かれていて、思わず吹き出す個所が多々ある。また本書では、母親達に、育児で手抜きできるところは手を抜くように薦めている。育児のどの部分がより大事で、あまり本質的でないところは手を抜きなさいと言ってくれているあたりは、育児の現場で悩む無数の母親達と接してきた著者ならではであろう。
 初版は1967年であり、99年に発行の本書定本は、3度目の改訂にあたっているが、これは読者に実に長く支持され続けてきた証拠である。あとがきによると、これまでに150万をこえる読者を得、中国語、タイ語、韓国語にも翻訳されたという。これまたあとがきによると、「急速な医学の進歩に内容が古びないよう英、北欧、和蘭、カナダ、豪洲の小児科雑誌と医学週刊誌20を購読してきた。毎日の午前中をかけて読むのが、私の日課になった。」とあり、医学的にもその内容は古びていない。著者はこの改訂を最後に、98年に世を去っている。

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「お受験殺人」報道の大罪

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

有名幼稚園入学をめぐり激しい受験戦争が伝えられる文京区で、2歳の春奈ちゃんが、その母親の友人で、おなじ2歳の娘を持つみつ子被告に殺害された事件は、「お受験殺人」として大きく報道され、多くの人々の記憶にいまだ新しいのではないだろうか。「心のぶつかりあいがあった」などとするみつ子被告の供述が伝えられるなか、母親どうしの人間関係において、みつ子被告が被害者の母親から多大なストレスを受けたことが事件の背景にあったのではないかという、犯人のみつ子被告を擁護するかのような報道がなされていた。しかし事件の真相は、報道とは全くちがうところにあり、みつ子被告が一方的に抱いていた被害者の母親に対するこだわりが殺意にまで成長していった結果であったことが本書で明らかにされている。著者は、法廷でみつ子被告が自ら語った彼女の生い立ちをまとめ、心理カウンセラーの分析を織り交ぜながら、なぜ彼女は殺意を春奈ちゃんに向けたのか、その心を読み解こうとしている。

さらに本書では、知られざる被害者家族の苦しみを伝えている。特に被害者の母親は、マスコミ報道に煽られた人々から手紙や電話によって心無い攻撃にさらされ二重に傷ついた。その事実を我々は知るべきだ。犯罪被害者に対する支援制度が日本には全く整っていないことも、本書で指摘されている。マスコミは無責任な内容の情報を垂れ流ししつづけ、それが事実と反することがわかっても修正しようとしなかった。その態度は厳しく糾弾されるべきである。

本書では触れていないが、マスコミ報道の論調と、それを安易に受け入れた大衆、そして被害者の母親を攻撃するという過剰反応が生まれた原因を考えてみたい。事件が起こった地区は「お受験」が盛んなところであり、それにまつわる母親同士の確執を連想するのはたやすいことであったという背景もあるが、そもそもみつ子が逮捕された直後に報道された「心のぶつかりあい」という言葉に、みな即座に共感してしまったのではないだろうか。程度の差こそあれ、社会生活における人間関係のもつれはどこにでもある。人々は、日頃から付き合いづらさや反感を抱いている相手を被害者の母親に投影し、みつ子被告に同情したのではないだろうか。そして普段からその相手に対して口に出して言いたかったことを実際に吐き出す相手として、被害者の母親が理不尽にも標的にされてしまったということではないだろうか。おそらく、報道を発する側の人間も、同じような共感をもとにストーリーを勝手につくりあげていったにちがいない。マスコミが世論を操作する時にも利用できる危険なメカニズムである。

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紙の本そうだったのか!現代史

2001/04/22 19:46

小中学校に近現代史の授業を!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 現在の世界の抱える様々な問題と紛争がどのような経緯で発生してきたのか、その背景にある国際関係メカニズムやイデオロギーも絡めて、明確に解説している。日ごろのニュースのバックグラウンドの情報を得るのに最適な一冊である。インド、フィリピン、インドネシアの解説がないのが残念であったが、ぜひとも続編を出して欲しいところである。

 現代史を正しく学ぶことは、すべての日本人にとって最重要であるにもかかわらず、義務教育ではずっとなおざりにされてきた。小中学校では、これまでの社会の授業とは別に、近現代史の時間を設けるべきである。池上氏の本書と「週間こどもニュース」はそのモデルにもなりうる。

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紙の本心が雨漏りする日には

2003/01/20 15:45

躁うつ病の入門書

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

躁うつ病患者は決して珍しい存在ではない。わたしの知り合いの中にも2人いる。自分もそのような状態に陥るかもしれないという不安もたぶん多少あり、躁うつ病というものがいったいどういうものなのか知りたくて本書を手に取った。

著者の場合、アルコール依存症も抱えていて、本書で語られる様々な症状はなんとも壮絶だが、読後はどういうわけか、ただのバカ話を聞かされただけのような感覚が残る本である。

躁うつ病とは、1人の人間が躁の状態とうつの状態と全く別の症状を示すことだということを初めて知った。著者の主治医であったY先生が精神に異常をきたし、その医者の症状を患者である著者が冷静に分析していて面白い。

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紙の本プラハの春 下

2001/02/04 21:13

鉄のカーテンの向こう側

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 冷戦時代の鉄のカーテンの向こう側の様子はなかなか知ることができない。著者は日本大使館に勤務する外交官としてプラハの春という歴史的大事件に遭遇した。本書はその著者が実体験に基づき、プラハ市民がソ連の体制に対していかに戦い、そして敗れ去ったのかを克明に描いた貴重なよみ物である。社会主義の理想の実現を求める当時の人々の肉声が記録されているという点でも必読に値する。この本はフィクションであるということわり書きがあり、プラハの春で重要な役割を演ずる東ドイツ人女性と著者との間の恋愛物語の部分は非常に個人的な事柄だけに、どこからがフィクションなのかと読者の想像を促すだけで余計な記述とも思われる。しかしながら私は全て本当のことだと思う。

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紙の本「田中真紀子」研究

2003/01/13 05:15

田中角栄の哀れな晩年

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田中真紀子は、「人間には3種類しかいない。敵か、家族か、使用人だ」と言ったという。本書では、父角栄の政治活動、父の秘書であり愛人でもあった佐藤照との確執など、彼女の半生を振り返り、あの非常に特異な人間性はどのように形成されたのかを読み解こうというものである。
田中真紀子が政界で重要な役割を演じ始めるのは、角栄が脳梗塞で倒れてからである。彼女は周囲の人間の意見に耳を貸さずに、父を“座敷牢”に閉じ込め、“命”を奪ってしまう。善し悪しは別にして、角栄の作り上げたものは余人に真似のできないすごいものだが、それを娘には全く理解されなかったその晩年には、哀れを感じずにはいられない。
政治家田中真紀子は、本書で散々に批判されているが、それでもなお著者立花隆は、2皮剥ければの条件付きだが、なお田中真紀子に期待する余地があるという。この辺りは読者としてはまったく理解できないが、理屈ではなく、取材対象にたいする愛着というものであろう。

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紙の本明快!「国会議員」白書

2001/02/04 08:25

自公連立亡国論

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 警察官僚から、50をすぎて自民党国会議員へ転身した著者が、自民党の幹部を痛烈に批判した本である。自民党と連立を組んだ公明党は、自民党にとっての覚醒剤であり、楽しい夢を見ることができても、すぐあとには自滅の道しか残っていないと論ずる。
 今の自民党は党幹部の方針に従わない者の存在を許さないという。ここで私が連想したのは、旧東ヨーロッパ諸国の共産党支配の構図である。また著者が選挙運動中に公明党=創価学会からうけたあらゆる妨害工作について詳しく記述されている。政教分離できていない公明党の本質を垣間みることができる。
 国会議員の日常として、冠婚葬祭に走り回る著者の姿も紹介されているが、このあたりはあまりにも思っていた通りで、選挙に勝つために、政策研究よりも義理人情に訴えるための金と時間の浪費が彼らの重要な仕事となっていることがよくわかる。著者の推進する政策についての具体的な記述が少ないのが残念であった。

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紙の本ちょっと待って!早期教育

2002/01/14 10:06

教材を買う前に知っておいたほうが良い話

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 「子供の能力は無限」「どんな子供でもIQ200になれる」と聞かされ、数々の実例を目にしたら、親としては「自分の子にも」と早期教育に心動かされるのは当然だろう。バブル崩壊後の現在、日本では偏差値至上主義は鳴りを潜めてはいるものの、より困難な社会状況において勝ち組として生き残るためには、従来よりもより高度な洗練された教育が必要と、以前にも増して焦燥にかられている親は多いに違いない。
 本書はタイトルからわかるように、公文式とか七田式といった0歳からの早期教育を否定的に論ずるものである。まず早期教育プログラムの生んだ弊害の実例を、数々のインタビューから明らかにしている。冒頭では、公文式のノルマをこなすために、子供をほとんど虐待している母親の実態がその夫の口から紹介されている。また別の完璧主義的なシングルマザーは、早期教育マニュアル通りの育児を完璧にこなして来たが、我が子の反抗からマニュアルに疑問を持ちはじめ、新たな方法を模索しながら懸命に教育を完成させようとする。著者のインタビューは、そのような母親達の生い立ちまでも聞き出し、彼女たち自身が子供の頃に自分の母親からどのように扱われてきたか興味深い共通点を見出し、悲劇におちいる人間像を浮かび上がらせようとしている。
 わたしにも現在1歳になる子供がおり、早期教育は非常に大きな関心事である。本書で述べてある早期教育によって生じた弊害については知っておかねばなるまい。一方、早期教育もやり方しだいでは絶大な効果を発揮し、子供の能力を見事に引き出すことができることも事実であろう。たとえば外国語教育。人間の脳のいろんな音を聞き分ける能力は、だいたい2歳までで固定してしまい、脳の発達期に聞いたことのない音に対しては、脳の感度は著しく劣ってしまうらしい。このことから、意味はわからずとも、様々な言語を赤ん坊に聞かせておくことにはそれなりの効果が期待できるはずである。本書で槍玉にあがっている七田式に限らず、これまでの育児法、教育法は経験的に作り上げられたもので、時代とともに大きく変遷してきたが、脳の発生学からみた科学的に“正しい”早期教育方法が必ずあるに違いない。

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本書のコンセプトには大賛成、でも読んではいけない

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本書は、普段なにげなく見ている自然現象や、日常生活で目にする物理現象のしくみを科学的に解き明かし、また最近の話題となっている新しい研究についても、わかりやすく解説しようというコンセプトのもとに書かれている。しかし残念なことに、内容は間違いだらけで、およそ教科書と銘打つには値しない。たとえば、「地球の表面から離れると、その重力も弱まっていく。宇宙飛行士が宇宙船の内外で、フワフワと宇宙遊泳できるのもそのためだ」。「宇宙はある1点を中心にして膨張している。その膨張の中心にある1点が、ビッグバンが起こったところだ」などの、根本的に誤った記述がとても多いだけでなく、不適切な用語使用例も数え切れない。このような内容は、本気で勉強したい人々にとって有害であるばかりでなく、そもそも読者に対する裏切り行為である。
子供の理科離れに追い討ちをかけるように、「ゆとり」の名のもとに学校教育のレベルを下げてしまった日本。学校の教科書で学べなかった分、本当に必要な知識を得るための良質な教科書が、今あらゆる分野で求められている。日本国民の知的レベルを高水準に保つのはやはり書籍であり、本書の社会的責任は重い。編集者はそのような責任を自覚して、もっと真剣に本作りにとりくんで欲しいと願うばかりである。

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