正史さんのレビュー一覧
投稿者:正史
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ジャンキー 新装版
2001/02/01 14:45
バロウズ入門に最適な一冊
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ドラッグやゲイ、妻の銃殺、といった反社会的なイメージが強いバロウズであるが、そのイメージを世間に植え付けた最初の本がこの「ジャンキー」である。カットアップの手法を発明し難解な世界へと向かう以前のバロウズの本であり、また彼自身のドラッグ体験の回顧録であるため、とても興味深く読みやすい一冊である。
私の知るあるアメリカ文学の教授は、バロウズの本などは素面では読めるものではないといって揶揄をしていたが、確かにバロウズの一生に興味を抱いた人が彼自身の作品にも興味を持って手にとったところで、そう簡単に読破するのは難しいかもしれない。クローネンバークが映画化をしたあの有名な「裸のランチ」も映画で見るほどに易々と楽しむことができると思ったら間違いである。
「ジャンキー」で書かれているドラッグに関するバロウズ自身の体験は、当時のアメリカで次第に麻薬の取締りが厳しくなっていく様子を知るよい材料にもなるし、また何度も薬を止めようとするドラッグ使用者のひとりとしての心のうちを知ることもできる。
この「ジャンキー」に加えて、バロウズ自身が淡々と朗読している英語版の「ジャンキー」の
テープはな程よい気分にさせてくれるのでBGMにして読むと尚よし。
浅野忠信
2001/01/23 03:05
自然体というスタイル
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今やCM・映画・ファッション誌で引っ張りだこの浅野忠信の文庫型写真集。映画の撮影中の真剣な眼差し、スタッフとの和気藹々とした表情。バンド「PEACE PILL」で弾けるもう一つの浅野忠信。そして妻であるチャラとの仲むつまじい瞬間。まるで子供のように無邪気かつ多彩な表情を持ちながら、いつも自然体な浅野忠信。そんな浅野忠信を隅から隅まで存分に楽しめる贅沢な一冊。
マドンナのアメリカ 自由を手にした女たちの反逆
2001/01/15 22:16
80年代のフェミニズム
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70年代になって、行き詰まりを見せていたウーマン・リブの運動の女性たちにとって、マドンナの出現は救世主であった。ベティ・フリーマン以降のフェミニズムを素早く知ことができる一冊。また、それだけでなく彼女のバックグラウンドから、彼女が受け入れられるに至ったそれまでの時代背景など、とても優しく分かりやすく解説している。
少女コレクション序説
2001/01/18 04:06
少女というものはコレクションの対象物としてしかはじめて存在意義が生じる?
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ユートピアとは現実とはなるべく自分の手の届かない遠いところにおいておくべきであり、容易に手に入るようなユートピアは真のユートピアではないとする澁澤にとって、現実に娘を持つということは車を運転することが禁止された世の中にあえて車を買ってしまうようなことであった。結婚しながらも生涯子供を持つことのなかった澁澤が、近親相姦をはじめ世の中の人々が見て見ぬ振りをしている人間の本当の欲望を鋭く抉る。
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