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疾風さんのレビュー一覧

投稿者:疾風

2 件中 1 件~ 2 件を表示

銀河パトロール隊

2002/03/12 17:52

SF初心者でもオッケー。の良作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書の帯にはこう書いてある「スペースオペラの金字塔!」 なんとも大上段である、と思うのは、何を隠そう私自身がSF初心者だからであるわけで、昔からのSFファンの方にとっては、これは事実を述べたまでのことだということが、読了後わたしにもわかった。あとがきによれば、本書の最初の翻訳版が出たのは30年も前らしい。そのような作品が、時間を超えて再訳で出版されるということは、さぞかし名作と格付けされているのだろう。

 ということで私の感想を少々。ストーリーの書き込み度としては、やはり若干古いスタイルなのだろうか、事件のポイント・ポイントの間をつなぐ、移動シーンなどは思い切ってバッサリ省かれており、キニスンが活躍するシーンをふんだんに詰め込んでいる。そのおかげで各登場人物の書き分けや、生活感などの細かい描写は比較的省かれてしまっているが、その反面、スピード感は増しており物語の展開としては悪くない。この細かい描写の抑制と展開スピードを上げるバランスが絶妙で、とってつけたような展開になっていないのはすばらしい。このあたりがE.E.スミスの職人芸なのだろう。

 本書の「レンズマン」というネーミングは、日本人的な感覚ではいささかアレなのだが、子供向けではない。一言で特徴を言うならば「ヒーローもの」ということになるだろうが、そう言ってしまうとますますアレな感じがしてしまうが、「戦隊もの」とかそういうのではなく、むしろイメージ的には「スーパーマン」に近いだろう。というかスーパーマンが「レンズマン的」なのだということなのかもしれないが。

 レンズマンは確かに強いが無敵ではない。というあたりにヒーローもの的なところがあるわけだが、いったん読み始めてキニスンに感情移入してしまうと、逆にその強さっぷりが爽快感につながるのがおもしろい。ドロドロした恋愛小説を読んだ後や、上司にこってりしぼられて怒りのやり場がないような時は、本書を読んでスカッと爽快な気持ちになってみるのもいいだろう。

 SFの設定的には、私のようなSF初心者にはわかりにくい概念(有慣性と無慣性とか)が出て来るには出てくるが、そこは昔のSFゆえに理由付けがいささかぞんざいなので、「ふーん。そうなんだ」という感じで深く考えずに読むのが(SF初心者が)本書を楽しむコツだと私は思う。ギミックを楽しむSFももちろんあるのだろうが、本書はレンズマンのキニスンの暴れっぷりを楽しめばいいわけで、SFをあんまり読んだことがない人でもすんなり入っていけるだろう。

 実際の話として、本書を読み始めるとぐいぐい引き込まれて行き、どうにもページをめくる手が止められない。通勤電車の中で本書を読もうと思っている方は、乗り過ごさないよう気を付けていただきたいものだ。

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ラプソディ 血脈の子 上

2001/08/13 02:21

新世代のファンタジー小説

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 長いこと「面白い」正統ファンタジー小説が出てこなかったが、本書は久々に場外ホームランを予感させる3部作だ。

 上巻の序章にあたる「前奏曲」で、いきなり度肝を抜かれる。ファンタジー小説が、時間という概念を織り交ぜてくる事は多くはないが、本書はそれを陳腐な仕掛けにすることなく、鮮やかに使いまわしている。
 また、退化した文明というのも、鉄器文化レベルからの退化はしばしば見かけるし、魔法文明の退化というのはもはやお約束のようなものだが、もっと成熟した科学文明(いってみれば産業革命後あたり?)からのとなると、かなり目新しい。
 この時間と工業科学といった要素が混じってきたことで、ちょっぴりSFチックなファンタジー世界といったおもむきになっている。
 その他にもファンタジーにありがちな小物たち(聖なる木やら胸くそ悪い儀式やら何やら)も、手際よく再構成されていて、ファンタジー小説に大切な「どこか似てるけど違う話」つまり王道を歩みつつオリジナルな物語を作り出すことに成功している。

 登場人物で目を引くのは、その外観描写よりも性格描写(設定)の方だ。主人公のラプソディは、無垢なまま社会へ飛び出し、何度も痛い目にあって、過去への後悔とひとりぼっちの寂しさという傷つきやすい心をなんとかなだめて、強い女性へ成長して行く。
 同行者となる男性陣はというと、優しいし腕っぷしも強いが、ラプソディとの言い争いになると、意志の強い彼女に押し切られてしまうこともしばしば。そしてゾロゾロでてくる脇役の男どもにいたっては、絶世の美女である彼女の顔を見て、ただただポーっとして己の間抜けぶりをさらけだす始末。
 このあたりはいかにもアメリカの女流作家という気がしなくもないが、主人公のお荷物になるのは可愛い女性という従来のありがちな図式からすれば、ファンタジー世界で強い女性対そうでもない男というのは新鮮で面白い。
同行者の外見がとても醜いというのも一つのポイントで、血で繋がった友情(あるいは西洋風に言えば、愛)というのを、外見を気にする過程を描写し続けることでうまく表現している。
 三者の気のおけない軽妙なやりとりは、読んでいる方も心地よい。

 また魔法の切り口として、歌に焦点を絞っているのも新鮮でいい。新鮮だからいいというわけではなく、もちろんきちんと練り上げられたうえだからこそ、新鮮にも感じられるわけだ。
 著者が練ったそれぞれの設定は、登場人物によってきめ細かに解説され、その分量に過不足はなく、その口調に不自然さはない(口調に関しては訳者の岩原明子氏のいい仕事が光っている)。このことから、著者のエリザベス・ヘイドンのストーリーテラーとしての優れた力量を垣間見ることができる。

 この他にも書ききれないことがいっぱいあるが、この3部作の第1部である「血脈の子」の盛り上がりようからすると、第2部、第3部と進むにつれてものすごく面白い物語になってきそうだ。
 いままでの正統ファンタジーの土台の上に、練りこんだ設定と現代風の人間観をまぜてよくシェイクした、そんないい感じで出来上がっている新世代のファンタジー小説ではないだろうか。

 まともなファンタジー小説を読みたくて、うずうずしている方。これは買いです。まだ続きを読めないので★1個減で四つ星評価ということで。

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