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  3. seimeiさんのレビュー一覧

seimeiさんのレビュー一覧

投稿者:seimei

50 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本

紙の本炎の影

2001/05/30 21:02

父への誇り

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 新宿でヤクザとして用心棒をしている主人公のもとに父の死が知らされる。警官であった父とは和解出来ずに終わってしまった。
 そんな悔恨なのだろうか、菅谷公平は死の前に父が調べていたという伊香保での事件に関わることになる。父が親代わりとまで言っていた兄妹との出会い、、孤児院で起きた詐欺事件、日航機での墜落事故、地元のヤクザ門田興産、糸口が連なり、怒涛のラストへ。生き方に疑問を感じ始め、父の死に関わるかもしれない事件に取り組むことで、様々な人の過去と関わり、心の中で父との蟠りを自らの中で消していく。大事なものを手にしていき、誇りを感じ始めていく男を描くことにかけては、この著者は、最高です。長編も安定して面白い。読み応えありです。

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紙の本

紙の本星界の戦旗 3 家族の食卓

2001/05/30 20:51

森岡浩之の構成力

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 ジントとラフィールは相変わらずくすぐったい。この人の構成はやっぱり変わっているなあ、と今回の印象。ジントが先送りしてきた故郷である領地が主となる話とおもいきや、今後の布石のための軍の新造艦、編制された部隊の演習のエピソードが思いっきり割り込んでくる。ジントの実質元家族と言える人々とのエピソードも『星界の紋章 1』以降、今までほとんど書かれてこなかったせいか、対面、交渉も実にラスト数十ページにて描かれる状態。アーヴという種族自身を描くには軍組織への言及は避けられないとしても、この構成比率は著者独特で結構僕は好きかもしれない。初期に試みたみたいに主人公たちの行動から未知の世界観が徐々に現われてくるのが理想とおもわれがちだけど、今までに無い宇宙種族を物語の根幹に添えるなら、こういったのもありかな、とも思いますね。先もながそうだし。

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紙の本

紙の本未完成

2001/05/30 20:39

思想設計の組みあがり方

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 朝香二尉と野上三曹が活躍する第二弾。今回は孤島の基地で消えた小銃を捜査するふたり。自衛隊の前線の現状という舞台設定の面白さは、前回同様で物珍しさに終わらない端正な造りです。民間との交流、転勤、銃さえも携帯できない警備、自衛隊のシステム、過去の戦争、国防という端正な謎と組み立てが、自衛隊という組織への言及から派生する日本そのものへの問い掛けへと組みあがる。尊厳と疑問が両居する物語。思想設計が為された良い建築物の全体像を眺めたような感覚がする。この著者の作品は今後も継続して読むことになるであろう。

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紙の本

紙の本煙か土か食い物

2001/05/30 20:35

神か悪魔か

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 この作者は神か悪魔か。メフィスト賞最強の作品かもしれない。サンディエゴのERに勤める奈津川四郎は母親が頭を殴られ土の中に埋められた状態で発見されたとの知らせを受け、日本に帰国する。この事件は連続しており、様々な記号的示唆にとんだ事件であり、四郎は謎に取り掛かる。そこから圧倒的な血族のサーガが始まるのだった。主人公の視点によるハードボイルド文体から、本格の仕掛け、能力の高い奈津川家の国会議員に上り詰めた父親である虐待者と天才にして残虐であった次男二郎の対立を中心にした過去を語ることによるそれぞれの性格描写と行動原理、首を傾げるような舐めたガジェットによる本格の仕掛けと、神話を地でゆく家族の葛藤の融合による脅威の作品。今年読んだ中では衝撃度では間違い無くTOPの作品。

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紙の本

紙の本黒と青

2001/05/23 19:38

モジュラー型警察小説の頂点

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 リーバス警部シリーズの日本では初登場作。石油採掘基地に勤める労働者が殺し屋に襲われた状況とみられる転落死の事件、1960年代にスコットランドを震撼させた女性連続絞殺魔バイブル・ジョンを真似たジョニー・バイブルと呼ばれるコピーキャットの出現、リーバス警部が先輩の刑事とかつて手掛けた事件の犯人が収監中に無実を訴え自殺、ベストセラー作家でもあった囚人はマスコミにとって格好のネタであったので、リーバスは警察の内部調査をうけ窮地に陥る。
 これらの事件が微妙に絡み合いアバディーンという都市に行き着くのだった。麻薬売買、組織の警察への浸透による腐敗、事件に関わると見られる石油採掘の現状、そこから垣間見えるスコットランドの都市像、場面ごとのカットを印象づける様々なロックのナンバーというテクニック、ふたりのサイコキラーの相関関係という見せ方の巧さ、一匹狼的なリーバス警部の捜査は、周りの協力者からの情報の効果的な活用をしながら最後は自分自身で突っ走るといった危機感をもっているといった演出法がモジュラー型警察小説としてのこの作品を一級品としている。
 個人的にはリーバス警部をもう少し絶対的な個としての警官として描いて欲しい気もするが、モジュラー型としては文句が出ない各事件のリンクの微妙さは本当に絶妙で心底感服した。

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紙の本

自分の道を歩き

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 前巻で喫茶店が台風で飛ばされてしまい、旅に出たアルファさん。その道中の景色、記憶との対話や飛行機を駆る男性型ロボットのナイとの出会いが描かれています。ゆったりとした終末と不思議さを内包した世界観の未来は僕たちが郷愁を感じるもの。人がたどる未来はもしかして不思議な懐かしさに満ちた世界なのかもしれない。僕たち人間が生み出し、自分の道を歩き出したアルファさんたちに見守られながら。人たちの繋がりと歩める範囲、子供たちの成長、自然が覚えている人の記憶。両手を広げて風を受けて水の記憶を大地の優しさを。P117〜118のアルファさんのように僕は感じていきたい今の世界を。素敵すぎる物語を。

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紙の本

短編の方がすごいです

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 フジリュー短編集、帯のとおり短編の方がすごいです。表題作の体感型の未来のマンガを読む少年。ヒカリの民とヤミの民が争うファンタジー世界。本当に大事なものを守るためには世界の闇さえも許容する。正義の感覚=主人公の感覚=世界の痛み。このテーマは消化され尽くしたとは思えないけどフジリューさんらしい作品だと思う。『ユガミズム』天才少女が唱える理論「一定の基準を越えた歪んだ性格はその人の周囲の空間をも歪ませる」それに協力する歪み男。POPさはらしいけど、テーマ的にはヒネクレラブものと平凡でした。『milk-junkie』今回の収録作ではピカイチ。地球とは似た違う世界。身長130cmの少年が大きくなりたいと暗黒薬局を訪ね特性の牛乳を購入する。そんでもってお約束通り超巨大化。その落ちは地球・現在へ。『異説・封神演義』これは素直に笑いましょう。連載を変態ヒネクレ性格によってこう破壊できます。天才だから。フジリューさんはSFマインドあふれるテーマを抜群の背景の描き込みとPOP加減さと斜め上の感覚での処理で絶妙の作品に纏め上げるんですよね。これからもいい短編描いてね。

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紙の本

紙の本炎の裁き

2001/05/20 17:23

心の成長

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 偉大な弁護士である父親の元、大手法律事務所でぬくぬくと暮らしてきた主人公ピーター・ヘイルは、自らの無知と過信からミスを招き大事な訴訟に惨敗。人間的に根本的な自己への甘さを持っている息子に父は最後のチャンスとしてオレゴン州の片田舎であるウィタカーで公選弁護人をしている友人の元で修行させることを命じる。
 その頃ウィタカーでは連続殺人事件が起きており、一人の女子大生の殺害容疑に知的障害をもつ青年ゲイリーが起訴される。ロー・スクール時代の友人スティーブと再会し、その妻ドナと弟であるゲイリーと事前に知り合っていたことと、この裁判から得られる名声と富に目が眩みピーターは弁護を引き受けるのだった。
 主人公ピーターの自己中心ぶりとその甘さにはほとほと愛想が尽きるといったことが中盤まで続き、とてもいらいらさせられる。知的障害をもつゲイリーを誘導尋問によって起訴に持ち込んだ警察のやり口、弁護側の全く捗らない捜査など、もどかしい展開が続くが、物語の三分の二が過ぎた頃から俄然急展開を始める。
 ピーターが次第に自分のみの利益という視点を捨て、事件にのめり込み、心からゲイリーを救いたいと思う心の成長がこの事件に張り巡らされた罠を暴き出していく過程がとてつもなく巧い。登場人物が著者のエンターテイメントとしての駒としてしか描写されていないなど、批判する余地はいくらでもあろうが、面白かった、素直にそう言える物語だといえよう。

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紙の本

紙の本貴船菊の白

2001/05/20 17:21

『幸せの方角』

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 京都を舞台に題材にした短編集。柴田さんの描く京都は、人の男と女の艶と涼、情念が古都の風習と生活と絡まりあって、見てきた景色、見ていない景色と、女の生きる場所、男の死すべき処を暗示させる、艶やかで官能的な灯が点る場所だ。
 僕が感銘を受けたのは『幸せの方角』という作品。吉田神社の節分祭を見に来た作家が、むかし編集者をしていた男と出会う。ふたりは酒を飲み交わしながらむかしの話に興じ、作家が愛した一人の女性との過去に行き着くが、そこから臆病な三人の恋が顕れるのだった。人の気持ちを慮ってしまう故に恋を告げられない男、不器用に夫を愛し続けた女、意地ゆえに我を張り一人の女を傷つけた男、みな不器用で臆病で、求める幸せの方向性を違えてしまった。恋し、傷つき、失い、生きていく、京都の桜を見上げ、巻き寿司を食べながら、また幸せを求め歩んでいく。そう人は歩んでいくのだ。何かを見上げながら。共に…。

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紙の本

紙の本スーパー・エージェント

2001/05/20 17:17

マイロンと様々な家族像

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 セルティックス所属の元NBA選手でFBIの経歴もあるスポーツエージェント、マイロン・ボライターシリーズ第五弾。今回は新リーグとして始まる女子バスケのスターであるが、現在脅迫されているブレンダのボディーガードとなるマイロン。前々回はマイロンの過去、前回はウィンの過去が事件とのリンクとしてクローズアップされていくものでしたが、今回はマイロンと恋人ジェシカの関係への波紋を呼び起こすゲストキャラであるブレンダを軸に展開されていく。と言っても彼女そのものよりも、このシリーズの形態とも云えるアメリカの現代家族像が引き起こす事件が、幸せな家族と育ったマイロンと様々な家族像を描き出すことでより鮮明に浮かび上がる手法です。
 土地に根づく一族の代表の州知事選、ブレンダの失踪した父親、20年前にこれまた消息を絶った母親、脅迫、それらが絡み合い剥き出しになった真実とは。今回の結末には驚きました。ウィットとジョークに包んだマイロン視点の語り口は軽妙で相変わらずですが、事件そのものの比重がいつもよりも重く、切なさよりも深化した印象です。サイドプレイヤーとして主人公の暴力面を補佐するかたちのキャラ(そう単純なものではないが割愛)、スカダーのバルー、スペンサーのホークに値する当シリーズのウィン、このキャラに出会うだけでもこのシリーズは読む価値があります。面白い物語が読みたくて、ハードボイルドとスポーツに少しでも興味が方であるなら、僕は迷わずこのシリーズをすすめます。最高、その一言を送る。

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紙の本

紙の本熱砂の三人

2001/02/21 08:53

古き良き時代の冒険小説

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 時代は1935年、帝政エチオピアを、ムッソリーニ率いるイタリアが虎視耽々と狙っている。武器の輸入を禁じられているエチオピアに、アメリカ人の優秀な機械工であるジェイク・バートンと、武器商人で元イギリス軍少佐のギャレス・スウェールズは、イッカク千金を狙って、古ぼけた4輌の装甲車を運び込む仕事を受ける。その旅に加わるのは、イタリアの暴虐を世界に伝える使命に燃えるジャーナリストのヴィッキー・カンバーウェル、エチオピアの有力な部族の若者であるグレゴリウス・マリアム。砂漠を舞台にした冒険と、イタリア軍を相手にした闘い、全てが血湧き肉踊る。これぞ、エンターテイメント。これぞ、冒険小説。
 むかし懐かし、古き良き時代の冒険小説といった感じです。男はハンサムで強く男らしく、女は美人でグラマーで感情的、道化はひたすら道化しているし、老人は元気だし、美少女は颯爽としている。思いっきりハリウッド的な人物造形ですが、そこがまた気持ちいい。唯一知っている英語「ごきげんよろしゅう」を連発するひたすら威勢がよくて、おまけにヴィッカーズ機関銃をぶっ放すエチオピアの有力部族の長の老人と、女ったらしで、クールで皮肉家、おまけに優秀な戦略家のギャレスとの掛け合いも楽しいし、これほどの道化役は珍しいほどの、イタリア軍大佐アルド・ベッリ伯、ヴィッキーをめぐるジェイクとギャレスの恋の鞘当て、男ふたりの友情、それぞれにレディの名をつけられ敬われる古ぼけた4輌の装甲車と、剽悍な騎兵でもって、イタリア軍の機械化部隊と闘うのも面白い。
 もうとにかく何も考えずに楽しんで、という作者のエンターテイメント魂が炸裂した、浪漫あふれるこの作品を、どうぞお楽しみ下さい。

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紙の本

紙の本球形の季節

2001/02/21 08:44

恩田陸の「場所」

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 四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が次々と広がる。退屈な日常、管理された学校、眠った町。そして、少年少女たち、人間、全てを裁こうとする最後の噂が発信される。
 宮部みゆきさんは、よく少年の心情を描くのが巧いといわれます。(わたしもそう思いますけど)、恩田陸さんは、少年・少女そしてこの世代の持つ独特の雰囲気と心情を、物語に取り込むのが巧いなと感じます。特別な人間になりたいと思いつつ、もう「特別な人間」になれない事もきずいている世代。こう思っているひとりひとりはもちろんのこと、その重なり合った想いも、社会のシステムと絡めて描き出し、ファンタジーとしている。そして解説に書いてあるように「場所」を物語の発生装置としています。同じく解説に、恩田さんを「夢の地理学の探求者」と表しているのは、いいえて妙だと思います。

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紙の本

紙の本陰陽ノ京

2001/02/21 08:38

陰陽絵巻の開幕

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 主人公は、平安の陰陽道の名門賀茂家に生まれながら、文章の道を選んだ心優しき青年慶滋保胤。彼の元師である安倍晴明が訪れ、京近郊へ現われた外法師の素性を調べてくれ、と依頼する。
 龍神に化身する外法師、彼を狙う陰陽師、保胤が最近貴船にて封じた鉄輪の鬼女、保胤とかつて縁を結んだ伯家の娘、晴明の息子吉平、多彩な登場人物が織り成す陰陽絵巻の開幕。キャラクター、陰陽道の術体系、平安の世の雰囲気など全てがこなれていて、とても巧い。
 鬼を封印するときも「ごめんなさい」と謝る保胤の心優しさ、おっとりとした雰囲気も好感を持てるし、彼と過ごす識神である訃柚という柚の精の少女、保胤との宿縁がありそうな豪胆な伯家の姫さま、息子を面白がるケッタイナ親父晴明などの描写もくすぐったいくらい楽しい。言葉も世界観も、著者なりの解釈で消化されている。ただ、全てが今までにも表現されてきた世界であり、キャラの行動が予定調和であり、ある意味、枠を超えていない気がする。ファンタジーの新たな解釈も欲しい気もするといったら贅沢かもしれないが、この著者作品には非常に好感を持てたので、次作にも期待したい。

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紙の本

紙の本

2001/02/05 14:47

少年の日

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 この作品は、シアトル周辺を舞台にした、悲しみを抱えた人たち、(訳者あとがきに書いてあるよう
に)“あるポイント”を通過した瞬間の人々を描いた7編の短編集です。表題作であり処女作の『岬』は、実に素晴らしいので紹介しておきます。
 13歳の少年カートは、毎夜のように繰り広げられる、母親と友人たちのパーティで、酔った人たちを、家まで送り届ける日常を過ごしています。ここでは、母の友人である女性を送り届ける過程と、死んだ父親を回想する少年の心情が描かれています。大人と向き合い続ける少年の心、送り届ける過程での少年からの成長と、失ったもの、父への感情、砂浜と風、海、星、月、作者の少年に対する愛しく切ない描写、本当に珠玉の短編です。

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紙の本

紙の本魔術師の物語

2001/02/05 14:43

魔術師の色

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 謎に包まれたティムの過去を知る魔術師の登場、色彩を判別できないという、新たな視点から、事件の情報の側面と意外性、それが描写に圧倒的な存在感と彩りを加え、とてつもない幻惑性と美しさを醸し出します。
 性の不透明性と猥雑感、存在感のある登場人物たち、事件に影を見せていくティムの双子の姉アリアン、過去の事件に関わっている刑事たち、そしてケイの父、娘との愛情。
 あえて不満を言えば、猟奇殺人のピースとなるべき一片一片が、劇的な結合を果たせなかったこと。しかし、とても印象的な素晴らしい物語でした。

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