時計台ネット 咲本 勝巳さんのレビュー一覧
投稿者:時計台ネット 咲本 勝巳
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紙の本バイラルマーケティング アイディアバイルスを解き放て!
2001/04/01 22:33
著者のアイデアバイルス感染者より
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かなりブランクが空きながらも、やっと話題の『バイラルマーケティング』を読了した。
まだ読了していない時点でも、ビジネスプランについての相談に対して早速この理論を使わせてもらったほどで、この書は私にとってはたいへん大切な書物となりそうだ。
この本をご存じない方のために、若干の内容説明をさせていただくと、次のようになる。
現在、農場や工場を持っていることに一番の価値があるのではなく、「アイデアバイルスを解き放つ」ことが出来ることに価値がある。バイルス、つまりウイルス的にアイデアが広がることである。そりゃそうですよね。いくら工場があっても、そこで激しい価格競争などない環境で、飛ぶように売れるものを生産し続けないと、高額な固定費ばかりかかってしまうものですからね。
では、「アイデア商人」とはどのようなアイデアを生産するのだろうか。
「アイデアバイルスは、空白を好む」、つまりは前人未踏分野ででないとバイルスとならない場合が多く、例えば、Webサイトで商品を販売するというだけでは、全く空白がない=成功しない。
昔から口コミが重要なことは良く言われてきたことだが、現在ではネットでの口コミ=マウスコミ?によって単なる口コミを大幅に強化出来る時代なのである。
このような時代にアイデアバイルスを解き放つには、この視点に立ち、商品開発より先だってコトの最初から考えていかなければならず、旧来の商品開発後のマーケティングということではヒットさせることが難しい。
また、ある分野の「オタク」から熱烈な支持を得たとしても、必ずしもバイルスとなるとは限らず、そのには飛び越えないといけない非-オタクとの溝があるという指摘や、スニーザー(=アイデアをばらまいてくれる人)を、無節操スニーザーとパワフルスニーザーとに分けて分析する点など、モノの捉え方が、これはセス・ゴーディンでしかあり得ないというユニークかつ目から鱗であった。
と、これだけのことではまだまだ何を言っているのかわかりにくいだろうが、著者も述べているように商いの感覚から言えば、ある意味「当たり前」のことを言っているに過ぎないともいえる。
しかし、これだけ明快かつ理論的に整理されると、わかっているはずの事柄について、改めて自分がわかっていなかったと気付かされたし、ビジネスに「使える」枠組みとして貴重な知見を提供させてもらったと感じるのに十分であった。
冒頭に、読むのに時間がかかったと言ったが、これは個人的に仕事が山積していて読書時間がなかっただけのことであり、本そのものは、たいへん読みやすいものであることをお断りしておく。
是非ご一読をお薦めしたい一冊である。
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