サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 菅野さんのレビュー一覧

菅野さんのレビュー一覧

投稿者:菅野

49 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本レベル7

2002/02/22 04:21

面白いのだが、前半の盛り上がりに欠ける

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 宮部みゆきを読むといつも思うのだが、長篇をたたみかけるように読ませる作品は少ないようだ。何作か読んでいるので、後半で面白くなるのだろうという期待は持てるのだが、佳境に到達するまでは、読むのが苦痛だとまではいわないが、盛り上がりに欠けていると思うのだ。
 「レベル7」という言葉を残して失踪した少女、目覚めたら記憶をなくして自分の名前さえもわからない男女、この二つの事件を鮮やかな三題噺のように結ぶところは流石という感じだ。ただ、前半の盛り上がりに欠けるのは作風なのだろうけれど、それだけが残念だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

猟奇的な死体描写がないので、少し物足りないね

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 米国では旅客機によるショッキングなテロ事件があった(2001/09)が、今度の「多重人格探偵サイコ」も、奇しくも雨宮一彦の搭乗した旅客機がハイジャックされる。ハイジャックされた日航機に搭乗していた 雨宮一彦 = 西園伸二 がハイジャック犯を制圧してハイジャック犯に命じて旅客機を船に突っ込ませるというもの。同じようなことを考えるような人はいるもんだ。
 今回は、死体の描写がないので、これまでの「多重人格探偵サイコ」に比べて小粒なエピソードに思えます。って、ハイジャックといえば大事件なんだけどね。初期の頃の猟奇的な死体描写が凄まじかったからそう思うのかもしれない。何人かは死にますが、実にあっさりと死ぬね。
 ルーシー・モノストーンの曲を通販限定で販売するそうだ。なんか欲しいような気がする。オタクの心の襞を舌先で愛撫するような戦術じゃないか。かくいう俺もビデオやDVDまでは購入していないけれど、「多重人格探偵サイコ」関連グッズは手に入れたいなァとか思っている。
 今回の米国のテロ事件は「多重人格探偵サイコ」にとっては追い風みたいだね。単なる偶然の一致なんだろうけど、予言だとか暗示だとかと思いたがる人たちっているものね。単に、誰でも考えそうなことなんだけど、たまたまやろうとしなかっただけなのではないかと思うわけで、そんな大層なものではないでしょう(笑)。でも、高本式馬券術だって俺は信じたくなるし、そーゆーものだ。高本式の根拠は、「競馬は八百長だ」ということなので、だから語路合わせとは一線を画しているわけだけど。
 率直に言って、最近の「多重人格探偵サイコ」は中弛みしてますね。実際に人を殺すわけではなく、物語の中でのことなのだから、ジャンジャン殺してもいいでしょう。真似する馬鹿が現れると言う向きもあろうけど、そんなヤツはマンガなんか読まなくてもやるよ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ソニー自叙伝 普及版

2001/08/13 03:53

物語性に満ちた社史

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ソニーを象徴する製品といえばウォークマンであるが、その発想を破るオーディオ製品はいまだに生まれていない。ポータブルCDプレイヤーにしてもポータブルMDプレイヤーにしても、技術では上回ったものができたとしてもウォークマンの発想を超えるオーディオ製品は生まれていない。多くの人が、他社のものであっても同種の製品のことをウォークマンと呼んでいるのではないだろうか。
 マイクロソフトの物語やガレージから始まったデル・コンピュータなど、ベンチャービジネスの起業の物語は読んでいてワクワクするし、読後はクンフー映画やヤクザ映画を観たあとのように自分が少し強くなったような昂揚感がある。英雄伝説や戦記物、冒険談を読んで感じるような昂揚感を社史に感じるというのも面白いことだ。小説のようにストーリーを楽しむことができた。
 昨今の「つくる会」の教科書問題などもあるが、既に終わった戦争の正当性などを糊塗するよりも、町工場から始まったSONYが世界を伍して戦っていることの方が殺戮行為よりも誇れることだ。どうしてそんなことが分からない人がいるのだろうか。

 面白いエピソードが幾つかある。
 ポケッタブル発売の際に、セールスマンが着るワイシャツのポケットを標準サイズより大きくしたものをあつらえて強引にポケットサイズにするなんて、今となっては笑い話だ。

 また、トリニトロン管の開発の際のエピソードも面白い。

「あれは、実用になりそうかね」
 はっきり言って、実用になるかどうか分からなかった。しかし宮岡は答えた。
「かなりいけると思います」
 実は宮岡には、どうしてもそう言わざるを得ない事情があった。その日は宮岡がチェロを担当している市民オーケストラの練習日だったのだ。早くしないと練習が始まってしまう。しかし相手は井深だ。できないとかわからないとか言いでもしたら、その説明をしつこくさせられ、放免してもらえそうにない。ここはとりあえずできますと言って、帰らせてもらうのが上策だろう。

 あのトリニトロンの開発の陰にこんな微笑ましいエピソードがあることに親しみを感じた。



 米国の時計会社がSONYのトランジスタラジオをSONYブランドではなく時計会社のブランドでOEM販売したいとの申し出に対してノーと言うくだりがある。

「誰がSONYなんか知っているんだ。わが社は五十年かかって、世界中で知られるようなブランドにしたんだ」
「その五十年前に、何人がお宅の名前を知っていたのでしょう? わが社は、五十年前のあなた方と同様に、第一歩を踏み出したところなんだ。五十年経ったら、あなたの会社と同じくらいにSONYを有名にしてみせる。だから、この話はノーサンキューだ」

 この時計会社をこの本を読むまで俺は知らなかった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

気取らない普段着の男の料理

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 美味そうにご飯を掻き込んでいる表紙の男がケンタロウだ。カタカナで書くと「北斗の拳」のケンシロウのお兄さんのようにも見えるけど違います。小林カツ代と小林ケンタロウ、親子で料理ムック界を席捲しているあのケンタロウですね。レシピの説明文章もそうなんだけど、料理自体も気取ったところがなく、友達同士で「こんなことして食べたら美味かったぜ」と話しているかのように気軽に、気楽に料理への敷居を低くしてくれる内容です。ただ写真を眺めているだけでも、なんとなく料理することへの抵抗感が和らいでくると思います。

 うーん、是非、結城貢と対決して欲しいような……(笑)。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本最後の伝令

2001/06/13 01:16

筒井は、短編が面白い

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「樹木法廷に立つ」はなんか頭がおかしくなりそうだ。雰囲気を堪能するのみで、これが何を暗喩か揶揄か示唆しているのか分からなかった。もちろん、分かったからって書くつもりもないけど、何となく喉に小骨がひっかかっている感じ、奥歯にシナチクの残骸がひっかかっているとか、そんな感じ。「北極王」は、子供が夏休みに北極王に会いに電車に乗ってでかける話しだが、何となく分からないところもあるのだけど面白かった。しかし、説明するのはギャグや駄洒落を解説するぐらいに情けないので書かない。それに、とうとうと説明して間違ってたらカッコ悪い。なんだか、面白いんだろうけど、喉にひっかかった小骨が気になって笑えない、そんな感じだ。
 「公衆排尿協会」では、主人公にトイレがどこにあるか問われるウェイトレスが襲いくる尿意に耐えるところがエロティックでよろしい。これは読むスカトロかも知れない。白状しよう。黒いワンピースに白いエプロンをして身を捩じらせて尿意に耐えるウェイトレスを想起して欲情した。もちろん、銀縁の眼鏡をかけていて、真珠のような歯をガチガチ震わせているのである。一滴ぐらい漏れているのかもしれない。

 筒井は、短編が面白い。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本十四の噓と真実

2001/06/10 07:28

巧みなストーリーテリングに定評があるアーチャーの最新短編集

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「百万ドルを取り返せ!」、「大統領に知らせますか」の頃からの彼のファンだ。しかし、訳者の解説で知ったのだが、アーチャーは、一代記、政治、短編集のローテーションで書いているのだそうだ。熱心なファンでなかったからか、永井氏の記述を見るまで気がつかなかった。が、コンゲーム小説である「百万ドルを取り返せ」は実体験を元にしたコンゲーム小説なのだが、3つのうちのいずれでもないと思うのだが……。

 まぁ、それはさておき「十四の嘘と真実」では、法の網の目をくぐって鮮やかに大金をせしめる男を描いた「犯罪は引き合う」が「百万ドルを取り返せ」を想起させる痛快さであった。逆に、亡夫の遺産を騙し取られる未亡人を描いた「偶然が多すぎる」という作品でも、遺産を騙し取られる未亡人に対する同情よりも騙し取る手口の鮮やかさに拍手してしまう。偶然の混線電話が思ってもみなかった悲劇を生む「欲の代償」などブラックなものもある。1つ読み終わるごとにニヤリと笑えるだろう。

 ただ一つ難点を言えば、原文に忠実に訳そうとしているあまりなのか、訳が下手なのか、「オチは何なの?」と思うものも幾つかあったことだ。


このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本イコン

2001/05/23 22:41

考現学的ミステリー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 バーチャル・アイドル有森恵美を巡る連続殺人事件。パソコン通信なんてものがでてくる。でも、インターネットも一般的ではなかった当時の理解(説明)としては上等な部類ではないだろうかと思う。その他に、親子の断絶、モラトリアム、イジメやらがキーワードになっている感じ。この小説って、小説の形態をとったマニュアルで、小説・現代用語の基礎知識なわけです。つまり、小説によってアイドル・オタク、パソコン通信といったサブカルチャー(ぉぇ)を絵解きならぬ小説解きしているわけです。だから、カルキ臭さの抜けない小説とも言える。よく言えばディテールに凝った仕事だと言えなくもない。ワクワクするようなスピード感はないけれど、痒いところに手が届くという感じです。嘘といえば小説自体が嘘なので、嘘がない小説というのはありえないのだけど、嘘の少ない小説のつまらなさというのがこの作品にはあります。だからといって、作品全体がつまらないというわけではなく、これはこれで面白くできている。ただ、諸手を挙げてオススメできるとは言いきれないだけ。

 参考文献として挙げられていたものを列挙する。

 「はじめてのパソコン通信」杉浦洋一・ナツメ社
 「夢のかなえかた」穴井夕子・近代映画社
 「おたくの本」別冊宝島・JICC出版局
 「裏パソコン通信の本」三才ムック・三才ブックス
 「フーゾクの本」三才ムック・三才ブックス
 「うわさの本」別冊宝島・JICC出版局
 「殺人捜査の実態と指揮」網川政雄・東京法令
 「刑事長マル暴日記」本間新市・KKベストブック
 「目黒署 10人の刑事」佐々淳行・文藝春秋

 物語の小道具・大道具のほとんどが参考文献を読めばまかなえてしまうわけだけど、結局のところ、この物語も「アイドル」「パソコン通信」「殺人事件」の三題噺だったのではないかと思う。ただ、500ページ弱とそう少なくない分量でありながら、作者の性格のせいかテーマの軽さのせいか、深追いあるいは掘り下げ方が足りないように思う。これはもったいないことなのだけど、このプロットでそれ以上の分量は無理があるからなのかも知れない。
 ところで、読書傾向という相手の好みを知ることで、ある程度、相手の人間性が推測できるものだ。とは思うものの、ロクに短文の読解もできない、書いてあることを読めないくせに書いていないことを読み取ろうとするようなヤツには分かるわけがない(笑)。行間には書いていないことが書いてあるのではなく、書いてあることが書かれているだけだよ。「行間を読め」などと言っている国語教師がいるとするなら、そういう教師は見限るべきだと思う。行間には余白しかない。そういう人は、映画を観てもエンドロールが流れ出すと席を立つ、カニを食えばカニ味噌を食わないのと同じだと、思えないんだろうね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

相撲の八百長はあってもいいのではないだろうか

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 相撲が八百長だろうが何だろうがどうでもいいんだ。だいたい、相撲などスポーツというよりは宗教儀式なわけで、そんなものにスポーツ的なフェアプレイの精神を求めたりしないし、スポーツ選手が子供に夢を与えるとか言うけれど、そんな夢なんか金を前提にしているわけで、だったら八百長は子供の夢を具対的に示しているに過ぎない。スポーツ選手が子供に与える夢っていうのは、「勉強なんかしていなくても、スポーツやってたら金が稼げて、国際線のスチュワーデスを嫁にできるぞ」というもので、八百長が子供の夢を壊すようなものではないんじゃないかと思う。むしろ、そういう夢を与えてしまうことが問題なんでしょう。
 本書では、八百長も含めて相撲を面白く見ることができると思う。八百長が相撲を面白くなくしているというよりも、相撲の八百長は面白いと思う。八百長というのも日本の伝統文化なのだし、国技で八百長が行われているというのも何かの符合か? でも、ガチンコというかセメントで誰が一番強いのか、というのは気になるなぁ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本十三番目の人格 Isola

2001/05/23 23:36

荒唐無稽なオカルト小説

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ひとことで言うと、荒唐無稽なオカルト話を巧みな弁舌でリアリティを持たせようとしていたのだと思う。だって、どんなに脇を固めても、大元となるのはオカルト話で、信じるか信じないかで検証をしない人たちと同じことなんだもん。幽体離脱と書いていたかどうだったか忘れたけど、臨死体験として離脱することがあるとかないとか言うのは、まぁ、いいでしょう。いいんだけど、それだけにしとけばぁ、って思うわけさ。
 作品が面白くなかったなんて言わないんだけど、それこそ、かつては鳴り物入りの新人だったわけだから、ちょっと落胆したかも知れない。それでも、面白かったけどね。そうなのさ、だから、SFの手法としては古典から理論無視というのがあるわけで、「これは観測された事実なんだよ」と作中で言わせてしまうと、それは理論なんか軽々と超越してしまう。だから、いくら理論的に幽体離脱したものが視覚を持っているはずがないとかそういうことを突き詰めたとしても、「いや、でも、これって実際にあることだから」ということにしてしまうというのは有効なことだと思う。その上で、それを気づかせない筆力が当然要求されるわけだけどね。この作品がそこまで到達しているかどうかというと、それは微妙かなぁ……。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ウインクで乾杯

2001/08/13 07:55

面白かったけど?な作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 東野圭吾の作品では初めて読んだものなのだが、彼の作品の中では小粒なもの。この作品で東野圭吾を評価するのは尚早である。ただ、内容はよく練られているので、とにかく活字を眺めていたい時などにいいだろう。過度に期待したりせずに読むにはいいだろう。ちゃんとミステリの文法に則っています。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

実は、表紙のイラストが気に入ったので買ったのだ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ジャンルを特定しにくい小説だ。
 二人の主人公は日本人なのに「ヒューイ」、「デューイ」なんて呼び合ったりするのがキモチワルイ。最近ではHNと呼ぶようだが、ハンドル(ちなみにハンドルネームは誤用。正しくはハンドル)で呼び合うみたいで気持ちが悪いのだ。読んでいる時には気がつかなかったが、これはいわゆる「ヤオイ小説」なのではないだろうか。登場人物が過剰に演技しすぎているような感じだ。いや、小説なんだから演技していてもいい。それが持ち味の小説なのかもしれないし、作者もそれを意識しているのかもしれない。手法なのかもしれない。こんなことを言っているこちらの方が野暮天なのかもしれないのだ。手法といえばもう一つ、理解できなければ現代を読み解けないぞというような強迫的な語り口も手法だろうか。インターネットを媒体とした劇場型犯罪、バーチャル・アイドル……、そんな撒き餌が散らされている。

 物語は、過度のダイエットによる体調不良で生きながらに(笑)バーチャル・アイドル化していた(アイドル自体がバーチャルなものなのだが)イオナの自殺騒動とイオナの妹の誘拐事件を軸に進行する。そして、この物語自体が現実感のない半透明な物語なのだ。少年が自分をヒューイと名乗り、少女をデューイと呼ぶことが嘘臭いのだ。
 アイドル・イオナの妹であるヒロミが少年に誘拐され、ネットで賛同者が現れ、事件が社会問題化するというあたりは、「ワールド・イズ・マイン」に似ている。ただ、「ワールド・イズ・マイン」は殺戮シーンが多く、美しさに欠けていたが、この「グッバイ・チョコレート・ヘヴン」は、たぶん少女向けの恋愛小説にサイバーな味付けをして、近年特有のキャッチーな社会問題をちりばめている。
 この物語は、「オトナは汚い」とか「ボクたちは現代社会の中で窒息しそうなんだ」とか、そういう「コドモ至上主義」の観点で子供になりきって楽しむのが本書の楽しみ方だと思う。ちゃんと主人公たちにも感情移入できるし、それなりに面白く読める。

 そういえば、あとがきの冒頭に「岡崎京子さんが好きです」とあった。作中にテイ・ユウスケというのが出てきたのだけど、岡崎京子は鄭東和フリークなんじゃなかったろうか。岡崎京子の作品を意識して書いていたとも言っていた。というわけで、BGMをテイ・トウワにして読んでいた。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本失速するよい子たち

2001/07/10 04:09

愚かなオトナが作り出す失敗作

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昨今話題になっているアダルトチルドレンという言葉が広まる前から類似する子供たちと向き合ってきた小児科の医師によるこれからの時代の子育てのあるべき姿の提示。
 アダルトチルドレンの定義をあまりにも拡大解釈している人もいるが、あまり拡大解釈しても言葉として意味をなさなく、世の中の義務や責任、労働などから開放されたいだけの怠け者までをもアダルトチルドレンとしてしまうのでは、本来のアダルトチルドレンにとってもよくないことだろう。彼の言うような似非アダルトチルドレンには別の呼称を与えるべきではないだろうか。彼によって似非アダルトチルドレンは救われるわけでもなく、飯のタネにされて、最悪自殺したりなんかするわけだから、ミヤダイチルドレンと名づけるべきではないだろうか。
 本書、「失速するよい子たち」は、精神医学の専門家ではなく小児科医の手によるものであるが、親とのつながりが希薄な子供が、親や教師に誉められたいがために、必死によい子を演じてきたためにプッツリと操り人形の糸が切れてしまったかのように登校できなくなったりする事例を紹介している。なお、本書では、著者の用語で「オトナ子ども」という言葉を使っている。アダルトチルドレンとほぼ同義だそうだ。アダルトチルドレンという言葉が輸入される前から「オトナ子ども」という言葉を使用していたそうで、「剽窃であったとしても時効だから許してください」ととぼけた感じのお医者さんだ(笑)。
 本書の最後に、「学校は、あくまでも勉強するところだと思います。それには、親たちは、しっかりと子どもたちを子どもらしく育てて、元気はつらつ、遊び大好き、友達大好き、の人間にして、六歳の四月に小学校の校門をくぐらせなければ、なりせん」と締めくくっているが、そのとおり、子どもの情操教育やらしつけやらは学校でやるべきことではないと思うのだ。子どもを丸投げで任せてもいいほど教師など信頼できるものではない。教師は動物園の飼育係ではないだろう。親がきちんと人間にしてから学校にやるべきなのだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

「女性が勇気を出して訴えているのだから、嘘を吐くわけがない」のか?!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 痴漢と疑われて無罪となった人のことを「逆転無罪」というのも変なのだけど、そういう言い方が罷り通っているみたいで、ついこの間もあったわけじゃないですか、「逆転無罪」が。被疑者、被告人、どれも「推定無罪」のはずなので、被告人が控訴するなら法律的な立場は被告人のままなので「推定無罪」であるはずで、ということは、元々無罪の人に対して「逆転無罪」という言い方をしているみたいですよね。一審有罪判決が覆って無罪判決が出たということなら、せめて「逆転無罪判決」と書けばいい。ただ、そういう場合だけではないようですね。俺が気になるのは、「推定無罪」が「逆転無罪」になるまでの間は何と呼ぶのかということだったりする。元々「推定無罪」なので、裁判で無罪判決が出たところで「無罪」であるという法的な立場は変わらないわけで、最初から「無罪」のままだ。何が逆転したというのだろうか。まるで、「逆転無罪」になる前は「何某かの有罪」であったかのような言い方ではないか。「心証有罪」とでもいうのだろうか? 笑止である。しかし、それでは法の権威などありゃしない。心証ごときでクルクル変わる猫の目のような判決しか出せない法律なら、そんなものの正当性など語るまでもなくあるわけがない。
 もちろん、本当に痴漢をしていながら無罪になった人もいるだろうと憶測はできるが、そんなことは藪の中、俺に分かるはずがない、ただの憶測だ。たまたま僥倖に恵まれたのだろう。しかし、自意識過剰の馬鹿女に見込まれてしまったために「推定有罪」にされるという被害もあるようだ。これはヤクザが因縁をつけて恐喝するのと変わらないことだ。ご丁寧に目撃者まで用意しているという。これは美人局と同じといってもいい。痴漢の罰金が5万円だと知っていて、その範囲で示談を持ちかける女子高生もいるというのは可笑しいのだけれど、とても笑う気にはならなない。
 痴漢は女性の証言があればほぼ100%有罪になっているそうだ。裁判は、無罪を勝ち取るまでにだいたい2年以上を要し、一審で無罪ということはほとんどない。女性が「この人痴漢です」と言えば、証拠はなくとも有罪にできるといってもいい。なにより、「女性が勇気を出して訴えているのだから、嘘を吐くわけがない」という馬鹿げた思い込みを拠り所にして裁判を戦うこともあるという。というか、女性の立場に立つと、痴漢被害者は合法的なお小遣い稼ぎ程度のビジネスにはなりうると思う。しかし、痴漢冤罪で無罪を勝ち取っている例が何件か出てきている今日の趨勢を見るに、女性の猟場としての痴漢被害者の魅力はなくなりつつあるようだ。

 周りから迷惑がられても、電車の中では本でも読んでいる方が安全なんだろうね(笑)。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本取り扱い注意

2002/02/22 04:43

言葉遊びに辟易

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 どうも言葉遊びに終始するところが好きになれない。物語の展開に関わる言葉遊びならどうとも思わないが、特に物語の展開とも関わりもなく、単なる文章の水増しのための言葉遊びに思えてしまう。過剰な言葉遊びは作者の何らかの意図なのだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本片づけられない女たち

2001/05/30 03:18

こんなことにまで病名がついてしまうと、なんとなく安心しちゃうね

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「ADD(注意欠陥障害)という心の病」と本書ではいうが、こんなことにまで病名がついてしまうと、なんとなく安心しちゃうね。何か失敗すると「あ、俺、病気だから(笑)」とか言えるというのは、精神的には不健全だけど、対症療法としては効果があるのかな。
 浮気も虚言癖も、何でも病気で片付けられるというのは、もはやこれは宗教的ですらあるような気がします。遅刻も、部屋が汚いのも、食べ物の好き嫌いも、「いやぁ、俺、病気だからさぁ」と言えば、「なぁんだ、病気か。病気じゃしゃーないなぁ」となるのは、どこか共産主義的かもね。
 もう、病名つけてもらうことで、薬もらえるということで、なんか安心してしまっているんじゃないでしょうかね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

49 件中 31 件~ 45 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。