朝刊も読む男。さんのレビュー一覧
投稿者:朝刊も読む男。
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夕刊を読む女。
2006/10/16 14:57
門司、小倉、八幡の元気がつまっています
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曽野綾子さんの随筆「夜明けの新聞の匂い」は題名通りに主な舞台は朝刊でしょうが、本書は夕刊です。文章の大半は西日本新聞夕刊に連載したコラムであり、それによると、著者は夕刊だけとっている新聞もあるほどの夕刊ファンなのでした。
確かに朝刊と夕刊では同じ新聞でもイメージが少し違います。例えば「まじめ」「原則」「現実主義」という言葉が朝刊を象徴するとしたら、夕刊のそれは「ひねり」「例外」「娯楽主義」でしょうか。テレビで言えば深夜枠のような感じ。ほとんどの世帯が朝刊だけとって夕刊はとっていない(本書によれば、業界はそれを「セット割れ」と呼ぶそうです)ことからも違いの存在は裏付けらるでしょう。
しかし、著者は、だからこそ「夕刊を読む」のでした。さらに言えば、夕刊こそ新聞らしい新聞である、とさえ思っているようです。本業のコピーライターとして世間の半歩先を読む日々を送っていると、例外やひねりのない話題には物足りなさを感じるのでしょうか。本書も、1ページに必ずひとひねり、です。しかも、ほとんどのコラムが1ページに収まるほど短く、文章も韻文と呼んでいいほどリズミカル。一気に読めてしまいます。
地元紙掲載のコラムだったせいで、話題のほとんどは門司、小倉、八幡、つまり著者のテリトリーで起きたことです。他の地域の読者にはちょっと分かりづらいかもしれません。文章の素材となった地域の出来事が注釈のように添えてあったらよかったかも。でも、鮮やかなオレンジ色の表紙も含め、この地域の元気は十分に伝わってきました。
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