ガヂェットさんのレビュー一覧
投稿者:ガヂェット
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斧
2002/09/09 02:26
殺人のオムニバス
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突然失職してしまった主人公、バークが再就職を試みるがなかなかうまく行かない。これは自分と同じような境遇の元同業者がいるのがいけないんだと、ターゲットを6人に絞り、彼らを一人ひとり始末していく。そして最後に、自分のやりたい仕事に現在就いてる者を始末すれば、自分が就職できるって寸法だ。文章はバークの視点で書かれ、家族との関係の苦しみや一つひとつの殺人方法の反省などが多く描写されている。最初は虫一匹も殺せそうもないけど再就職には非常に熱心な家庭持ちの中年男性が、淡々と殺人を遂げていき徐々にその方法を過激にしていく。途中で敵は自分と同じ境遇の者たちじゃなくて雇用者は株主だと気づくこともあるけど、1人殺すのも7人殺すのも同じとばかりに、彼は「再就職」という目的のために殺人を犯していく。
一つひとつの殺人はたいそうなトリックがあるわけじゃないながらも、他人に見つかりかけたりターゲットに騒がれかけたりしてそれなりにスリリングなんだけど、一つひとつの殺人がほとんど関連しておらず、7つの殺人のオムニバスのようなところがイマイチ。もっと一つの犯罪が他の犯罪に影響していったら面白いんだけど、それはおまけ程度。かといって一つひとつの犯罪がとびきり面白いかというとそんなでもない。バークが思う家族との関係の苦しみや一つひとつの殺人方法の反省の変化などは読みどころではあるけど、一般市民の彼が殺人を行うにはターゲットを同じ人間ではなくモノとして扱う必要があり、その分淡々と語られてしまうので、こちらもつい淡々と1/7、2/7……と読んでしまう。面白いことは面白いんだけどあとには何も残らない、ハリウッド映画のような小説。
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