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てんぷるさんのレビュー一覧

投稿者:てんぷる

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紙の本ぼくらのサイテーの夏

2005/08/01 16:04

サイテーで、サイコーの夏の物語

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

部屋の本棚を見るたびに、にこにこしてしまう。
つい最近、素敵な本がまた一つ仲間入りしたのだ。
しかも夏にぴったりの本。
懐かしいあの頃の自分を思い浮かべながら読んだ。
最近あちこちでよく目にするようになった「笹生陽子」という名前。
今最も注目されている作家の一人である彼女は、子供だけでなく、大人の心をもつかむ児童文学を手がける。
本書はデビュー作であり、第30回日本児童文学者協会新人賞、第26回児童文芸新人賞をダブル受賞した作品。
主人公は小学六年生の「ぼく」こと桃井。
夏休み直前の終業式の日、「階段落ち」ゲームで負けたうえに、腕を骨折、極めつけに罰として夏休みの間毎日プール掃除をするはめになる。
しかもゲームで負かされた同級生の栗田と二人で。
こうして彼のサイテー、サイアクの夏は始まるのである。
夏休みは子供たちがもっとも大きく成長する時期。
普通の学校生活とは違う長い時間に、何を体験するか、誰と出会うかが特に大きなポイントになるように思う。
少年たちのひと夏の成長を描いた本書で、桃井は本当に気持ちいいくらいの成長を見せてくれる。
最初はキライだったはずの栗田と、徐々に心を通わせ友情を育んでいく過程は、とても気持ちがいい。
そして、お互いに抱える家庭の問題。
ここに描かれているのは、自分のご近所に住んでいてもなんの違和感もないような家族。
桃井のひきこもりの兄にしても、両親のことにしても、過剰な肉付けがされていないところに、よりリアル感がある。
なので読者はチャンネルをぴたりと合わせやすい。
桃井の成長以上に、一番嬉しく感じたのはトオル(桃井の兄)の成長だ。
成長というよりも脱出といった方がいいかもしれないけど、
一歩大きく歩き出したその姿に涙が滲んだ。
大人が気がつかないところで、自分ががんばっていることも意識しないままに子供たちはがんばっている。
たとえ嫌なことにぶつかっても、壁を乗り越えてみようという前に、決して最初から逃げようとはしないでほしい。
その度に逃げてばかりいたら、いつか四方を囲まれて右にも左にも動けなくなってしまう。
嫌いなもの、苦手なものは、一つでも少ないに越したことはない。
そのためには一度は受け入れてみることが大切。
きっとそこから、大切な何かを手に入れることができるはず。桃井のように。
本当に素直に出会えてよかったと思える、爽快な風を残してくれる作品だった。
この先きっと、湯本香樹実さんの『夏の庭』と並ぶ、夏の定番となり得る作品だと思う。
そして、読み終わった時に皆思うだろう、
サイテーなんかじゃない、サイコーの夏物語だと。

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紙の本てのひら童話 2 空のともだち

2005/07/25 18:19

心に幸せを運んでくれる小さな童話

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

おーなり由子さんの本を選ぶ行為は、お気に入りのケーキ屋さんでケーキを選ぶ感じに似ている。
表紙はどれも素敵で可愛らしく思わず目移りしてしまい、どれにしようかなぁ、こっちがいかな、でもこっちの方が・・・となかなか決められない。
とりあえず今日はこれ、次はこれにしようなどと決め、そうやって一冊ずつ集めていき、やっとでほぼ全作品制覇した時の満足感は、お気に入りのケーキ屋さんの全作を制覇した時の気分にやっぱり似ている。
しかも、どの作品も期待を裏切らない中身で、手垢がついてしまうくらい何度でも読み返したくなる。
本書は、てのひら童話シリーズ(全3作)の2作目。といっても読み切り型なので、前作を読んでいなくても全然大丈夫。
「HB」、「ききょう」、「石ころ」など26個の短い童話が綴られていて、前作よりも更に切なさとかわいさがアップした感じかな。
また、童話といっても、普通の童話とは少々違っている。
漫画のようにコマ割りされていて、絵と手書きの文字で綴られている。
お話一つ分は、ほとんどが4〜6ページくらいと本当に短く、でも素敵な余韻をしっかりと残してくれる。
「HB」は、HBのえんぴつの一人称で書かれた可愛いお話。最後の一言が切ない。
「春の海」は、春を待つ男の子と女の子のくじらのお話。知ったかぶりをする男の子くじらが可愛い。
「月見そば」は犬のコロが主役。味があって涙ぽろりなお話。
他にも、一人頬を染めながら一生懸命ラブレターを書く女の子、15年ぶりに自転車に乗ったおばあさん、どんなふうに咲いて散っていこうか夢見ている桜のつぼみ、などなど、人間だけでなく、動物や植物までいろんなものが代わるがわるに主役になっている。
どこか懐かしく、温かい気持ちになれる童話たちは、心に幸せを運んでくれる。
これからも何度も読み返していきたい。
親しい人たちへの贈り物としても素敵だと思う。

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