カイルさんのレビュー一覧
投稿者:カイル
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紙の本造物主の掟
2000/10/11 03:09
この本に着目された貴兄に。
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まずは拍手を。貴兄の優れた直感のとおり、この作品は素晴らしい。その慧眼は、眩暈のするほど長く退屈な前半、まったく華に欠ける主人公ザンペンドルフ(とチーム)の、ありきたりなトリックなのに職人芸の所以か超能力といわせてしまう力技になんだかなーとぼやいた果てに辿り着く痛快無比な後半をすら見通しているに違いない。
史上人間が人間以外の生命を対等と認めたことはない。しかるに異星にすむ見栄えの悪い凸凹ロボットを況や!である。ところが、ザンペンドルフとご一行のイカサマ師達はちがう。のみならず反対勢力優勢の中、地球にさえ認めさせてしまう。どうやって?それは……イカサマ師だからして……。ともあれ、愛とペーソス溢れたSFの傑作である。ザンペンドルフはおっさん、だけどね。
紙の本決戦!太陽系戦域 上
2000/10/04 03:43
「彼は何故に怒りしか?」「神と誓いだけがご存知だ」
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このシリーズ、読む度に頭を捻る。『銀河の荒鷲』なんて出てきたっけ?と。今作では士官学校長に着任のシーフォート宙佐、はたから見る限りキャリアは順調、英雄街道まっしぐらの彼だが『癇癪』はいぜんとして健在。最初からハイペースで怒鳴りまくる。怒っては「また…」と自己嫌悪に陥り、4作目になるが一向に悟る気配はない。ページを蹂躙する罵声、罰点にいい加減クラクラしてきた頃、我々はシーフォートの宇宙の中だ。彼が何故に怒れるのか?その理由を理解したとき、我々は誓いと義務に真摯に向き合うカッチョイイ宇宙の男の物語を見出すのである。
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