ひこじさんのレビュー一覧

フォト・ジャーナリズムの価値を生まれて初めて実感

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都心の大書店の読書スペースで、ゆっくりと最初から最後まで目を通せた。読了したので特段の理由が無ければ買う必要は無かった。それでも購入した理由は次の５点。（１）自分の子どもが大きくなったら、この写真集を見ながら、父の生きた一時代の地球を語り合いたいと思った。価値ある時間だろうと思う。（２）新聞やテレビでは絶対に見られない多数の写真の存在（例：ルワンダのジェノサイド犠牲者のその後）。このようなまだ見ぬ世界が、地球上にはまだまだあるのかと目を見開いた。（３）私は今年４２歳。特に３５歳以後、苦難の時期に起きた特筆すべき出来事の写真の存在（例：２００２年９月１１日のグラウンド・ゼロ）。（４）世界各地の、紛争地域（例：２００４年２月イラク）、被災地域（例：２００５年１０月パキスタン大地震）、過酷な自然環境（例：ナミブ砂漠、ギアナ高地）等の写真の存在。（５）作者が、膨大な時間、資金、労力を投資し、そして、時には命に関わるような高いリスクを冒したことが容易に想像されたこと。結論として、１人でも多くの人が見る価値があると思う。被写体となった人たちもそれを願っているのではないか。