電気羊さんのレビュー一覧
投稿者:電気羊
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妻を帽子とまちがえた男
2001/08/18 23:11
心を解くかぎを与えてくれる
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心はどこにあるのか。人を人としているものは何か。なぜコンピュータは人にはいまだなれないのか。この本の内容は、その疑問を解くヒントもしくは難しさを与えてくれる。
抽象的な図形やシンボル的な図柄は認識ができるのに、具体的な家族の顔を識別できない男。ある時期からの記憶が進まない、最新の情報が脳に記録されない、いつまでも同じ時で止まった男。この章にでてくる言葉「人間は記憶だけで生きているわけではありません。感情、意思、感受性を持つ倫理的存在」にはっとさせられた。コンピュータは短期間で記憶を増やすことは得意。最近では語彙を自己習得する機能までもつにいたっている。でもまだまだ、人に至る道は遠いのだと思わずにはいられない。そもそも感情、意思はどこに生まれるのか。
先の人とは違って、抽象的、普遍性にはまったく関心はない。絵を書くことに才能があるが極度に緻密な描写をする男。音楽、数字、記憶力に対して通常以上の才能を見せる人がいる。ダスティホフマン演じた「レインマン」の世界。それは常人の範囲を逸脱しているがゆえに才能もしくは異常と判断されるのだろう。人は平凡さを嫌い才能に憧れるが、平凡であることと幸せであることは矛盾しない。
外部的判断で人を決めつけることはできない。人は生きようという意思をもちつづける限り人としてありつづける。機能が失われても人は人としてあり続ける。これが感想。
巻末に参考文献が記載されている。さらに関連の本が読みたくなった。また、脳についての本をよみたくなった。
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