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大森望さんのレビュー一覧

投稿者:大森望

1 件中 1 件~ 1 件を表示

特盛!SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話

2006/02/17 16:03

著者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「へえ、大森望って翻訳もやってたの?」と思う人がいるかもしれないが、大森望がはじめての単独訳書を出 したのは一九八六年のこと。つまり、こう見えても、プロ翻訳者歴は二十年に達する。「デビュー十年程度じゃまだまだひよっこだね」という翻訳業界の基準に照らしても、ぼちぼち中堅にさしかかろうかというキャリアなのである。
 もっとも、職歴の長さにふさわしい実績を積み重ねてきたかははなはだ疑問。気がついたらいつのまにか二十年経っていただけの話で、その間に刊行した単独訳書は、文庫化等の重複を除くと五十冊にも満たない。エンターテインメント系の翻訳者としてはずいぶん少ないほうだろう。おまけに最近五年間だと、長篇の翻訳はたった三冊しかなく、翻訳家の看板を掲げるのがおこがましいほど。
 しかしそれでも、「お仕事は?」と訊ねられると、「ええと、主に翻訳とか……」と答えることが多いし、いちばんよく使う肩書きも《翻訳家》だ。これは、SF業だの書評家だの文芸評論家だのコラムニストだのとくらべて、まだしも《職業》っぽく見えるという理由がひとつ。もうひとつは、翻訳をやっているときは、ほかの原稿を書いているときとくらべて、仕事をしているなあという気分になりやすいから。本籍地はSF、生業は翻訳業というのが、当人の最大公約数的な自己認識なのである。
 というわけで本書は、その生業に関するエッセイ集。過去十六年間に書いてきた翻訳についての原稿を集め、大幅な加筆訂正を施したうえで、書き下ろしを加えて再編集した。主たる材料は、見開きの連載コラム「SF翻訳講座」。早川書房の月刊専門誌SFマガジンに、一九八九年八月号から一九九五年十二月号まで、六年余・全七十四回にわたって連載された。(後略)

 「序にかえて——本書使用上の注意」より、冒頭部分を抜粋。

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