まくらさんのレビュー一覧
投稿者:まくら
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本複雑さの数理
2001/07/15 18:14
明瞭な展望と不明瞭な目的
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
複雑系という言葉は渋谷系の後を継いでいまや世間の合言葉のようだ。複雑系、と口にするだけでポストモダンのような煙の巻き方をも可能とするような世の中である。
しかし、科学の女王たる数学、および現代の鬼子である計算機科学において、複雑系という言葉の氾濫は世間一般よりもひどい。学者が愚かであることの一例だろう。
この本はそうした学者社会でなんとか複雑系を数理的にとらえようと、多様な数理的角度からの方法論を示してくれている。学生が読むには格好の入門書だろう。
そして、一般の人々がこのような本に手を伸ばすようになるなら、この国のポピュラーサイエンスも捨てたものではないだろう。読まれるべき数少ない“複雑系”の本だ。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |