そらこさんのレビュー一覧
投稿者:そらこ
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チームあした
2009/02/02 17:03
部活の感動!
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『チームふたり』の1年後、前作のとき5年生で脇役だった純が主人公。卓球部でたったひとりの6年生、キャプテンとして登場する。
学校生活の中で、部活動はとくに子どもたちの心を揺さぶる場所だろう。仲間との交流、自分の上達、成長、勝ち負け……。前作同様この作品には、部活動の様子、子どもたちの気持ちの揺れが、ていねいに描かれている。
とにかく純がいい。どこにでもいそうな普通の子だけれど、まっすぐで、ひたむきさと思いやりを持っていて、好感がもてる。そのうえ、謙虚だ。こんないい子は応援せずにいられない。
前作では深刻な問題があったが、今作ではそれほど深刻なことは起きない。日常生活の範囲内でアップダウンがあり、追い風向かい風が吹くだけだ。
たとえば、
「オレがコーチをやるなら、県大会に出場して満足、というのでは困る。」
「県大会優勝だ。」
こんなことをいいきるコーチが来て、部員たちの胸は一気に色めきたつ。
そのコーチが、なぜか練習に来なくなり……と、物語は続く。
純は強くなりたくて、ひたすら、まじめに練習する。でも、ほかの部員たちのことも考えすきるぐらいに考える。そして、なんとかしようと不器用にがんばる。そのまっすぐで、ひたむきな姿が、心をうつ。
ラストでわたしは、不覚にも涙していた。純の喜びを、まるで我がことのように感じたのだ。それは、部活で、普通の子どもたちが、仲間とわかちあう大きな感動だろう。
ああ、県大会へ行けようが行けまいが、部活っていいなあ。
高学年~中学生、その親たちにぜひ読んでほしい。気持ちが落ち込んでいる人にもお薦めだ。
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