南亭骨怠さんのレビュー一覧
投稿者:南亭骨怠
熱い書評から親しむ感動の名著
2006/06/13 16:04
続編を出してくれないかなぁ。bk1の書評文化を生かさない手はない。
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
本を買うときに書評を参考にすることが多かった。特にインターネットで本を購入するようになってからは,書評から得る情報が重要になってきた。
書評は本を買うときの参考。自分で書評を書くなど思っても見なかった。bk1に書評を投稿するようになってから,読書の楽しみが一つ増えたような気がする。
bk1に書評を投稿していた者達が書評を書き下ろし,一冊の本ができた。それが「熱い書評から親しむ感動の名著」だ。あらすじ本が売れ始めた頃,bk1への投稿者の語り口で,名著を伝えようとした本ができた。
この企画,2冊目,3冊目と続いて欲しかった。
1冊の本の中に66人分の書評が載っている。2冊目,3冊目と続くためには,66冊の紹介というのが少なすぎたのかもしれない。
立花隆の「ぼくはこんな本を読んできた」は,本を買うときに大いに参考にした本である。ここには約300冊の本が紹介されている。300冊も紹介されていれば,自分が読んでみたい本がきっと見つかる。
「熱い書評から親しむ感動の名著」は,一つ一つの書評の文字数も多く,読み応えがある。その分,気軽に読める本ではないのかもしれない。bk1寄せられた書評の傑作選をまとめて欲しい。それが文庫や新書で出たならば,間違いなく購入する。
bk1の大きな特徴である書評をいかした本をぜひ企画して欲しい。
グラフはこう読む!悪魔の技法
2005/11/17 11:56
中学生に教えてもいいのかな・・・だますテクニックは,だまされないための知識でもある
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
技術・家庭科『情報とコンピュータ』の中で,エクセルを使い,データをグラフ化する方法を教えている。
「データによっては,円グラフを使うのが良かったり,折れ線グラフにするのが良かったりするよ」・・・そういう内容の授業だ。
さて,一歩踏み込んで,グラフによる情報操作の授業をしてみようと思った。そんなときに手にしたのがこの本である。
棒グラフのごまかし方・・・・・7
折れ線グラフのごまかし方・・・8
円グラフのごまかし方・・・・・3
帯グラフのごまかし方・・・・・3
絵グラフのごまかし方・・・・・3
地図グラフのごまかし方・・・・2
ここに載っている26の「悪魔の技法」まったく気が付いていなかったものもある。
例えば・・・・・・
棒グラフのごまかし
悪魔の技法001『都合の悪いデータは隠蔽しろ!』を読んだだけでも,この本を買ってよかったと,しみじみ思ってしまう。
少年による殺人・強盗は増加している。過去10年間のグラフを見ると,殺人は1.5倍,強盗は3倍に増えた。これは,職業柄何度も目にしているグラフなのだ。
ところが,このグラフにもごまかし(というよりも誤解を招く部分かな)がある。意図的にデータを隠蔽しているわけではないと思うけれど,必要な情報が全て与えられていなかったのだ。
情報を増やすだけで,少年の凶悪犯罪件数は大きく減ってきていることを主張するグラフにもなるのだ。(結構単純なことだけれど,これは隠されたデータを見なければ気が付かない)
自分でグラフを作るときには,提示する情報や,視覚的効果を考えている。でも,何気なく目にしているグラフについては,注意を払うことも無く,無意識のうちに相手の意図するイメージを植えつけられている恐れもある。
ごまかされないためにも,「悪魔の技法」を知っておいたほうがいいな。
社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった 1 そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ!
2008/11/19 16:21
働くことの意味をもう一度考えてみた
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中学生や高校生に,絶対に読んでもらいたい本だ。
キャリア教育の大切さが叫ばれているけれど,本当の職業観を学べる機会はどれだけあるかな。
この本を読んでいると,人のために働くことの素晴らしさが,熱く,強く,胸の中に入ってくるよ。何のために働いているのか,もう一度考えてしまう。
マネージメント論やリーダー論を読むより,この本を読む方がリーダーとしてマネージャーとしてやっていくための力になるんじゃないかな。
「ミーティングに評論家はいらないんだよ」
「勉強しても,実際にできなかったら役に立たない知識なんだ」
「最初に受けた感動は忘れないんだよ」
「あまり教えないことが,逆にトレーニングになることもある」
「いちばん大切な一個を教えてあげるのがトレーニングになることもある」
「嫌われ役は必要だけれど,嫌われ者になったらダメなんだ」
「しかたなく自分の子どもに嘘をつく親の気持ちを考えてごらん」
「うまくやろうとしなくていいんだよ」
「サービス業は掛け算なんだ」
「作業が中心になると,本当の意味を忘れてしまう」など・・・
私にとっては,「うまくやろうとしなくていいんだよ」が響いてきた。
子どもたち(わが子らや生徒たち)には「作業が中心になると,本当の意味を忘れてしまう」を読ませたい。慢心せずに,人のためを思って誠実に働ける人に育って欲しい。
ディズニーランドに行く機会があったら,その前に,この本を読むことを薦めます。きっと,深い感動が得られるでしょう。
見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み
2006/05/24 17:10
「見える化」を実施するにも職場の風土が重要なのだ
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「見える化」は「トヨタ式」の大きな特徴の一つである。世界的に注目されている「トヨタ式」であるが,この本以前に「見える化」について経営的な観点からの研究や体系化は無いらしい。この本では「見える化」とは何かという定義付けし,体系的に整理している。また,「見える化」に関する34の事例を紹介し,「見える化」に取り組む際の留意点やアプローチの仕方を具体的に示している。
現場力とは,組織の問題解決能力である。問題を解決していくためには,問題を発見しなければならない。問題を発見するための方法が「見える化」だ。ただし,問題を発見するだけではなく,その問題が『見える』のでなければならない。問題を表に出すだけではなく,見ようとしていない人にも見えるようにすることが「見える化」なのだという。問題を全員で共通認識し,全員で責任を持って解決していくようにするためである。
自分が抱えている問題を表に出すのには躊躇してしまう・・・他人の問題に係わって巻き込まれるのは勘弁して欲しい・・・そんな気持ちがあっては「見える化」は成り立たない。結局は,職場の雰囲気が問題となってくる。この本を読んで,自分の職場は「見える化」を実施できるだろうか,それが気になった。
国家の品格
2006/08/16 23:43
日本人であることを誇りに思いたい
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今から二十数年前,新田次郎の本を手当たり次第に読んでいた。当時,山岳部に所属していた私にとって,新田次郎の山岳小説に出てくる人物に大きく影響された。
「私は山男である」・・・このことは,意思決定の場において何度もで出てきたイメージだ。山男として,自分はどう行動するべきかということを考えていた。
山男である。バイク乗りである。教師である。父親である。これらは,私を作る重要な要素になっている。ところが,私のアイデンティティーの中に,「日本人である」というものがない。
ワールドカップやオリンピックでは日本を応援する。日本人が良い成績を上げると嬉しい。日本が嫌いなわけではない。ただ,日本人であるということを誇りに思うようなことはない。
映画「ラストサムライ」を見終わった人たちへのインタビューに「日本人に生まれたことを誇りに思います」と答えた人がいた。この言葉が印象に残っている。「日本人であることを誇りに思う」 そう思える時が,どれほどあるだろうか。
意思決定の場において,「山男としては」や「バイク乗りとしては」と考えることはある。しかし,「日本人としては」と考えることは皆無である。
私が勝手にイメージする日本人は,「私利私欲で動かない」「卑怯なことを嫌う」「沈着冷静」などを思い浮かべる。だが,現実は正反対のことばかりだ。
人に押し付けるようなことではないのだろう。ただ,「日本人とはどうあるべきか」ということは,多くの人に考えて欲しいと思う。
〈図解〉行政書士という事務弁護士の時代
2006/07/19 09:29
行政書士って,かっこいいね。
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
とても優秀なのだが,現在仕事をしていない卒業生がいる。NEETではない。働く意欲はある,人の役に立ちたいとも思っている。そんな彼に「先生,今から取れるいい資格ないですか?」 と訊ねられた。
安易に 「行政書士がいいんじゃないか」 などとアドバイスをしてしまった。
「行政書士って,どんなことをするんですか?」 と聞かれたが,答えられなかった。
行政書士って,家を建てるときに書類を書く人?
行政書士って,役所に提出する書類を書いてくれる人?
その程度の知識しかなかったのだ。恥ずかしい。
そんな時,この本を手にした。
『行政書士という事務弁護士の時代』・・・事務弁護士って何?
行政書士も弁護士なのか?
またしても???
この本を読み進めてびっくりした。行政書士は,様々な訴訟に関わっている。しかも,被害が低額で被害者が泣き寝入りしてしまうような事件に関わり,弱い立場の人を助けることが多い仕事だったのだ。
悪徳商法に引っかかってしまったとき,町の行政書士に相談してみるのがいい。
美容事故にあったとき,町の行政書士に相談してみるのがいい。
交通事故,借金のトラブル,遺産相続・・・行政書士に相談してみるのがいい。
弁護士に相談するのは敷居が高い。でも,町の行政書士になら気軽に相談できる。行政書士は,弱い立場にある人たちを救う仕事だったのだ。
企業に対しても,プライバシーマーク取得のコンサルティングなど,行政書士が活躍する場が増えている。かっこいい。
他にも行政書士が活躍する場は多い。行政書士の具体的な仕事が,この本には数多く紹介されている。行政書士を目指す人には,ぜひ読んで欲しい本だ。試験に向かう意欲が大いに増すだろう。
さらに,行政書士を目指していない人にも読んで欲しい。行政書士の仕事の内容を知っていて,町の行政書士を知っているなら,法律のトラブルで大変な目にあったり,振り込め詐欺に引っかかったりしてしまう人もいなくなると思う。
さて,町の行政書士を探してみよう。
大人が変わる生活指導 仕事も人生もうまくいく
2006/06/16 15:19
生活を整えることが働く力となる理由は
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
かなえたい夢があるなら,自分の生活から変えてみよう。
「日々の習慣を少し見直せば,がらりと変わる」
経営者が最も会いたがるカリスマ体育教師が教える,夢をかなえるための自己改革。
原田先生が,教員生活の晩年に目指していたのは,自分を高められる「自立型人間」を育てることです。「自立型人間」は目標を明確にし,目標を達成するために手を抜かずに実践していける人間です。
この本には,「自立型人間」を育てる取り組みの中から確立された,夢をかなえるための手立てが書かれています。
もっとも特徴的なのは,夢に向かうモチベーションを高めるための方法として,生活改善を勧めていることです。生活改善と言っても,ストイックな生活をしなければならないとか,遊びを無くしてしまうとか,そんな実行不可能なことでありません。玄関の靴をそろえたり,冷蔵庫にメッセージを張ったり,簡単に実行できることがほとんどです。
身の回りの整理・整頓は,中でも大切なことです。身の回りをきれいにすれば,その場のすさみがなくなり,そこにいる人間の心もきれいになります。
困難を乗り越え,目標に向かっていくためには,心に余裕がなければいけない。だから,ちょっとしたことでもいいから,身の回りをきれいにして,さわやかな心でいられるようにしたい。
具体的な目標への取り組みも書かれています。どのように目標を設定して,どのように取り組んでいけばいいのか。リーチングという手法を考案し,多くの日本一を育てたカリスマ体育教師の目標達成方法は説得力があります。
何か達成しなければならないことがあるけれど,何をしたらいいのか分からない人は,この本を読んでみてください。
無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法
2008/12/21 19:57
中学生に長期休業中の計画を立てさせるときにも参考になりました。
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
年収10倍アップとあるけれど,この本のねらいは「どうやって時間を有効に使い余裕のある生活をするか」です。このねらいを達成して,余裕の部分を有意義に使うことで年収が10倍になるのです。
私も時間を有効に使うために何かをしたいと思っているのですが,それ以上に,我が教え子達に時間を有効に使うすべを知って欲しいと思っています。
冬休みの計画を立てさせるときに,この本が参考になりました。
夏休みや冬休みの計画は,無意味な計画に終わってしまうことの方が多いと思います。無意味になる理由も,この本の中にありました。
2なぜ新しい行動は続かないのか
・動機付けされていない
・好循環が生まれるまで時間がかかる
・できない理由を考えていない
・現状をあまり変えないで,大きなリターンを期待している
これらは,計画がうまく進まない生徒にもぴったりと当てはまります。
計画表を書くときに,最初に目標を考えさせます。この目標が「新しい行動」の動機付けになるはずですが,よく考えないで簡単に目標を書いてしまっているので,意義のない目標になってしまっています。
「毎日2時間勉強をする」や「一日2ページ勉強する」などと取り組みを目標にしてしまっている生徒は,すぐに意欲を無くしてしまいます。生活を変える動機になるような目標が欲しいところです。
目標を定めた上で取り組みを考えることが重要です。
目標は「350点取ること」で,そのための取り組みが「勉強をがんばる」だったりします。「勉強をがんばる」という取り組み目標では,行動を変えることは難しい。具体的に行動することがわかる取り組み目標を立てさせたいと思います。
計画を考えるときには『時間投資マトリクス』を使いました。
1.緊急で重要なこと
2.緊急ではないが重要なこと
3.緊急だが重要ではないこと
4.緊急でも重要でもないこと
これらの分類を意識させながら,生活を見直させました。
特に大切にしたいのが2の「緊急ではないが重要なこと」です。数年後の高校入試のための勉強,英語検定や漢字検定の勉強,将来の夢のための準備,生活を充実させるために家族や友人と過ごす時間・・・これらのための時間を増やすことが,この本のねらいだと言ってよいでしょう。
友人と過ごす時間は大切です。ただし,携帯電話のメールは「緊急でも重要でもないこと」に入るものだと思います。生徒達はメールを「緊急で重要なこと」に入れてしまいます。このために,時間の質を大きく落としてしまっています。
新しいことを始めるためには,やらないことを決める覚悟が必要です。3や4を減らしていかなければ,2を増やすことはできません。メールの他にゲームも,4の「緊急でも重要でもないこと」に入ると思います。ゼロにする必要はないけれど,4の領域を生活の中の10%程度におさえたいものです。
こんなことを考えさせながら冬休みの計画を立てていきました。今までよりも,ちょっとでも充実した冬休みになればいいな。
無人島に生きる十六人
2003/08/13 09:02
読書感想文にどうですか?日本にもあった『明らめ』て生きる男たちの物語。
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
帯には「飲み水も食べ物もないちっちゃな島で君ならどうする?」「椎名誠氏が選ぶ漂流記ベスト20で堂々1位」とある。まず気になるのが『椎名誠氏が選ぶ漂流記ベスト20』だな。私が読んだ漂流記は,『ロビンソン漂流記』と『十五少年漂流記』。『ペリーヌ物語』というアニメの原作が『スイスのロビンソン』だったと思う。
次に読んでみたいのは『エンデュアランス号・シャクルトン』の漂流記だな。最近TVで取り上げられることが多いノンフィクションだ。
本題に入ります。
『無人島に生きる十六人』は,明治31年に太平洋上で座礁した龍睡丸の乗組員の物語だ。たどり着いた先の島が小さなさんご礁で,草は生えているものの木は一本も生えていない。これでは物語になりようがない。ところが,みんな何とか生きていくのだ。しかも,十年くらいはここで生活をして救助を待つ覚悟ができている。
悲壮感がない。無人島の生活を楽しんでいるとしか思えない。何気なく生活していたんじゃこうはいかない。無人島で生活していくことは簡単なことじゃない。遭難して無人島に流れ着いた者は少なくないようだ。ただ,その多くは絶望感から生きる気力をなくしていってしまったようだ。
この十六人は,やるべきことを考えて,どんどん行動していく。それは「アポロ13」に出てくる男たちのようだ。やるべきこと,やってもしょうがないことを明らかにして生きていく『明らめる』男たちの物語だ。
この十六人も,絶望感に襲われる可能性はあった。しかし,船長や小笠原老人などの気配りで気持ちをまとめていった。
最初に四つの決まりを作っている。
一つ,島で手に入るもので,くらしていくこと。
二つ,できない相談をいわないこと。
三つ,規則正しい生活をすること。
四つ,愉快な生活を心がけること。
何年も島で生き延びていくために,できるだけ船から持ち込んだものは使わないほうがいい。無理な希望を言ってもむなしくなるだけだ。島の生活を愉快に楽しむのがいい。そして,規則正しい生活こそが生きる希望を失わないための重要なものだったのだ。
十六人の生活は,見張りやぐらの当番,炊事,たきぎ集め,まきわり,魚とり,亀の牧場当番,塩製造,宿舎掃除整頓,万年灯などの仕事を交代で行っていた。暇にしているのが一番いけないのだ。
生活が順調に流れるようになると,学科の時間も設けている。一度学ぶ意欲が出てくれば,無人島での生活は学ぶ要素がたくさん詰まっている。学ぶ意欲はとても大きな生きる力になっているのだ。
そもそも,今にも船が沈もうとしているときに船長が出した指示の中に,「練習生と会員は,島にあがって,何年か無人島生活をして,ただ無事に帰っただけでは,日本国に対してめんもくがあるまい。かねてお前たちが望んでいた勉強をみっちりしなくてはならない。できるだけの書物を集めて,運び出すようにしろ」というものもあった。
まずは生きること,そして衣食住の確保が次に来ると思うのだが,この船長は衣食住学だった。生きる希望と学ぶ意欲を失わない,日本の海の男というのはとてつもなくすごい男達なのだ。
美味しんぼ 95 (ビッグコミックス)
2006/06/24 22:07
焼酎も日本酒です
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
思えば,「美味しんぼ」に出会ったのは中学1年生のとき。あれから四半世紀。いつの間にか山岡士郎と同じような年齢になり,そして山岡・栗田と同じ頃に子供が生まれた。今では,家族そろって山岡家の年齢を追い越している。
95巻は,3分の2が『焼酎革命』
いくつかの蔵元が紹介されている。その若き蔵主たちの焼酎にかける思いは,とても気分が良い。晴れた朝の爽やかさ。「焼酎も日本酒です」西酒造の34歳の若き社長のセリフだ。焼酎が日本酒の領域に加わってくることで,日本の食文化は広がりを増す。焼酎が洗練されていく・・・楽しみが一つ増えた。
初期の美味しんぼに,「日本にはスピリッツがない」と嘆く者に沖縄の古酒を薦める話があった。あれから20年,日本の焼酎は世界に誇れるスピリッツになったのだ。
95巻に出てきた焼酎をいくつか飲んでみよう。
どうやら焼酎は生魚にはあわないらしい。その分,肉料理には絶妙なようだ。生魚には日本酒,肉料理には焼酎・・・これからの定番になりそうだ。
この巻には,「美味しんぼ」の長い物語の変換点となる部分がある。山岡がついに後任者を指名した。山岡・栗田が究極のメニューから引退する。
もうすぐ100巻。究極のメニューをまとめ,海原雄山と和解する? さて,どうなるか。ここまできたら,最後まで買い続けよう。
ブルー・ノート
2006/08/13 21:26
本当に自分のやりたい仕事をしているかい・・・やりたいことを仕事にできるなんて滅多にないことだと思うけど
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自分の仕事に不満を持っている人は多いんじゃないかな。
惰性・妥協で,今の仕事に就いている人だって多いだろう。
私もそうだ。
写真家タクマクニヒロもそうだった。でも,彼の場合は現状に満足していないだけじゃなかった。本当にやりたいことがはっきりとあったんだ。迷っていた。その迷いはずっと消えなかった。そして,思い切って行動した。
青で統一された写真集。その写真とともにつづられたメッセージ。踏み出せない一歩を踏み出すために,この写真集を手にして見ませんか。もしかしたら,あなたの人生も変わるかもしれない。
懐かしい人から,誕生日に,この本がおくられてきた。何度も何度も読み返した。何度も読んだ後で,決断ではなく,迷いが生まれた。封印していた気持ちが,ちょっとだけ姿を見せてきた。
今のままでいいのかなぁ。このまま歳をとっていいのかなぁ。後悔しないかなぁ。
来年の誕生日をむかえる頃,一体何をしているだろう。今と同じ生活を続けているかもしれない。踏み出せない一歩目を踏み出しているかもしれない。どうなっているかはわからないが,若かりし頃の迷いを思い出させてくれた美しい写真集。
プロジェクトマネジメント 実用企業小説
2006/05/18 10:45
プロジェクトは人を幸せにしなければならない
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仕事をしていて,何をすればいいのかがわからなくなってしまうことがある。目の前に解決しなければならない問題があるのに,まったく行動が起こせないでいるような時・・・何かをやらなければならないのに,何をしたらいいのかわからない時・・・そんな状況が最も辛い。
知識も経験もない状態から,やるべきことを考え出すのは,とても難しい。成功するための行動を考えるには,成功するための知識,成功の体験,そういうものが必要である。
上司や先輩から,引き継がれてくるべきものであると思うのだが,果たして,うまく引き継がれているのだろうか。そもそも,成功を経験する機会がどれほどあるのか・・・。この本のような企業小説では,実践ノウハウを疑似体験できるという利点がある。これから注目していきたい分野である。
このストーリーは,無理な日程,仕様,予算により,成功はありえないと思われていたプロジェクトにまわされた松風課長が『人を幸福にするプロジェクト』を目指して動き出すというものだ。
著者は,今までいくつものプロジェクトを成功に導いてきた。そのなかでたどり着いた成功の法則を元に,このストーリーを作っている。
「WBS」「PRP」「DPM」など,プロジェクトマネジメントの技法が出てきて,わかりやすく解説もされている。しかしながら,作者が最も訴えたかったのは「人と人との関係性を大事にする日本人のよさ」を生かし「一人一人のモチベーションを高め,維持していくことが,プロジェクトを活性化し,成功に導く」ということのようだ。
仕事は,人を幸せにするものでなければならない。家族のことまでも思いやるプロジェクトのあり方が,この本の読後感をさわやかなものにしている。
火怨 北の燿星アテルイ 上
2001/11/16 12:44
これほど泣いたことがあるだろうか
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言われない差別から,家族を民を守ろうとした東北の英雄アテルイの物語。
大和朝廷から派遣される蝦夷征伐の征夷大将軍。それに向かうアテルイは,あくまでも守戦のみ。少数で大和朝廷の大群を追い払う。下巻では,ついに坂上田村麻呂が征夷大将軍として派遣されてくる。アテルイと坂上田村麻呂の友情。そして,アテルイの無私の心が蝦夷の人々を救う。
こんなに涙した物語はない。
水滸伝 9 嵐翠の章
2003/02/01 23:44
無駄に生きていないか?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
北方水滸伝は,半年に一度の大きな楽しみです。水滸伝発売のメールがbk1から届くとすぐに注文して読み始めます。半年間待ったのだから,じっくりと,ゆっくりと時間をかけて楽しめばいいのだろうけど,面白くて一気に読まずにはいられない…それが困ったところです。
さて,嵐翠の章は,『生き方』ということについて特に考えさせられる章である。偉大な英雄『林冲』はもちろんだが,そのほかの登場人物たちも,自分を深く見つめている。志のために梁山泊に入る者,恩のために生きる者,何のために生きているのか見出せないままの者…
この章で,私が一番心を引かれたのは,以前,女真の国から魯智深を命がけで助け出した「とう飛」だ(名前がここでは使われない文字に入っているようだ)。今回も本当に命がけで柴進を助け出そうとする。その純粋なひたむきさから,他の英雄たちには無い,優しさ,弱さ,強さが伝わってくる。
ここに出てくる男たちの生き様を見ていると,自分の生き方が少々情けなくなってくる。別に私自身が革命を起こそうなどと思っているわけではない。ただ,なんとなく毎日を過ごしている自分が情けない。なんだか,とっても無駄に生きているような気がしてくる。
類語大辞典
2003/01/24 15:11
考えていることが文章にならないときに…
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
文章を書いていて,ふとペンが止まってしまい一行も進まなくなってしまう,そんな経験はないでしょうか。私は5分間考えても次の文章がうかんでこないときは違う仕事に移ることにしていた。でも,そんなことが続けば,仕事が全く進まなくなってしまう。そこで登場するのが『類語大辞典』である。出版社が「ほしい言葉がきっと見つかる! 理想の日本語辞典、誕生。」と言うのもうなずける。
私は仕事柄,人物の推薦書を書くことが多く,その中で『頑張っている』と言う言葉を頻繁に使ってしまう。これではインパクトのある推薦書にはなりそうもない。こんな時に,この『類語大辞典』を開いてみる。
『頑張る』は『努める』のグループにある。『努める』のグループには動詞の類として71語,形容詞の類として22語,副詞の類として32語,名詞の類として28語が載っている。
この中から『頑張る』の変わりに使う言葉を探すわけだが,それぞれにわかりやすい用例が載っているので見つけるのは簡単である。動詞としては,(尽瘁する,傾注する,精魂を傾ける,励む,勤しむ,精励する,勉励する,粉骨砕身する)などを選ぶのだろうか。
形容詞や形容動詞を使うなら,「水火も辞さない覚悟で…」とか「血の滲むような努力を…」になるのだろうか。(しゃかりきに,死に物狂いで,不惜身命の境地で)も使ってみたくなる。「孜孜たる」(一生懸命に努力し続ける様子)などという言葉はこの辞書を開くまで聞いたこともなかった。
言いたいことが頭の中にはある。でも,それが文章として出てこない。そんなときはこの辞書を引けば糸口がつかめる。6500円という値段は決して高いものではない。もちろん普通の国語辞典として使うこともできる。ただし,その場合は一手間多くなってしまうけどね…
この辞書を買う前は,三省堂の類語・反対語・関連語(ことばの手帳)を使っていた。こちらは引くのも簡単で値段も1000円と手頃である(内容的にはかなり物足りないが,軽い,引きやすい,安いという利点も捨てがたい)。
