Mihiさんのレビュー一覧
投稿者:Mihi
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日本語練習帳
2001/08/23 01:30
今さら?今でも!
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数年前の大ベストセラー。買ったものの、数ページに目を通したきりになっていた。読む暇がなかったのではない。「取り組む」暇がなかったのだ。そう、この本はただ読むというわけにはいかない。文字通り、書いて学ぶ練習帳だからだ。
今回一念発起し、一通りの問題をやってみた。そうすると、新鮮な驚きと楽しさがあった。幼稚園から高校まで、すべて日本の学校で学んだが、このように日本語について教えてもらったことはなかったと思う。「教育」として日本語にもっと向き合っていたかったと思った。そうすれば、「書く」ことにも「読む」ことにも、もっと敏感になれたのではないかと思う。
今さらですが…名作です!
釣り上げては 詩集
2001/08/23 12:24
しっかりしたはかなさ
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詩なのだけど、短編もしくは児童小説みたい。透明感があるのだけど、映像が浮かんでくる。はかなげだけど、足元はしっかりしているーそのような「二面性」を感じた。英語を母国語とするアメリカ人でありながら日本語で詩を書くという作者の「二面性」からくるのだろうか。
「ぴったりきれいにはまったたいるのような言語より、あちこちに隙間がある言語がおもしろい」 ネット上のインタビュー記事で拾った作者の言葉だ。まさにそのような言語が溢れていた。今までにない、新鮮な言語だった。
スマイルフード Let’s eat‘smile’
2001/08/18 14:33
いい!
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「おいしいもの」ではなくて、「食べると幸せになるもの」ー色々な人のそういうものがいっぱい詰まっている。いわゆるグルメ本では全くない。「単純なもの」が好きだから、昔ながらのドーナツやカップヌードル。「のんびりしたデザイン」がいいからレトロな紙箱に入ったクッキーや、ずっと変わらないキューピーマヨネーズ。皆、個性的で個人的だ。「おいしそう」「食べてみたい」という気持ちだけでなく、思わず「スマイル」ももれてしまう。いろいろな人の宝箱を覗かせてもらったような本だった。
翻訳夜話
2001/08/17 12:01
翻訳の原点
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英語を使った仕事をしたいと思った人がまず最初に思いつくのが、翻訳ではないだろうか。私もそうだった。通訳などしゃべることが必要な仕事に比べて、翻訳なら辞書などを駆使し、時間の制約がなければどうにかしてできる。根性でどうにかなると思ってしまうのだ。だがそれは裏を返せば、「誰でもできるのではないのだろうか」「翻訳することに何か意味があるのだろうか」という思いにもなる。これが私の翻訳に対する長年の「愛憎」だった。
この本は、私のこの混沌とした思いに光を与えてくれた。誰でも皆、同じようなことを思っているのだ。それでも「翻訳は愛だ」といって翻訳に励む。「訳したい」ただそれだけの思いで。
「英語を使いたいから翻訳したい」のか。そうではないはずだ。「英語を訳したいから翻訳する」のではないのか。その出発点を忘れてしまうところであった。それを再び気づかせてくれたこの本に感謝したい。
見習い翻訳家
光の教会 安藤忠雄の現場
2001/07/23 18:39
やっぱり手に職?!
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専門知識があるって強いなあ。ノンフィクションというと「こんなに調べたんです!」といった感じで「調査結果」がこれでもか! というくらいに並べ立ていることが多いように思う。私はその中に溺れてしまうのか、途中であきらめたり、はしょったりしてしまうことが度々だった。だが、この本は違った。その道の専門家が書いているので技術的な話も多いのだが、効果的に織り込まれているので、「お話」の部分とのバランスも良く、とても読みやすかった。
読みやすさをつくっているもう1つの要因は、時折出てくる関西弁の会話文であった気もする。舞台が大阪で安藤忠雄をはじめ現場の人々が関西人というわけで、会話のほとんどが関西弁なのだが、それが長いストーリーに流れをつくっていたように思う。著者のプロフィールを見ると、東京の方とのことだが、かなりリアルに再現できていたのではないだろうか(私は関西人なので、その辺りのチェックは厳しい)。きっと、5年もの取材の間に身に付いたのだろう。
今まで「建築」というものに対して「これ、いいな」「あれ、すごいね」くらいの感想しか出てこなかった私。
これからは、少し違った印象が持てそうだ。
××まったくの余談ー「茨木つながり」
文中にも出てくる通り、教会のある茨木市は川端康成の出身地。彼は茨木中学を卒業したのだが、この本が受賞した「大宅壮一ノンフィクション大賞」の大宅壮一も、同じく茨木中学を卒業していた。この二人の関係は猪瀬直樹の"マガジン青春譜"という本になっている。
カタコトのうわごと
2001/08/31 18:14
未知の世界へ
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著者はドイツ在住で、日独両方で作品を発表している。そんな彼女の「ことば」にまつわるエッセイは独特だ。もともとドイツに渡ったのも、ドイツ語がペラペラになりたかったのではなく、二つの言語の間にある「溝」のようなものを発見して、その中に暮らしてみたいと思っていたからだとか。この点からして、「普通の人」の感覚とは違う。自分では持ち得ない「ことば」の感覚が新鮮で、とてもおもしろかった。
シドニー!
2001/07/07 13:19
さすが!
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実は、村上春樹氏の作品をまともに読んだのはこれがはじめてだ。やはり「うまい」のだなあと思った。こんな分厚い本を一気に、しかも面白く読めたのは初めてだった。
“翻訳夜話”で、氏は良い文章、読ませる文章というのは「ビートとうねりのある文章」「人の襟首をつかんで物理的に中に引きずりこめるような文章」といっていたが、まさに「ビートとうねりの中」に「襟首をつかまれて引きこまれていた」のだと思う。
また、あるインターネット掲示板でこの作品についての意見が交わされていて中にこのような意見があった。「こんなの誰にでも書けるという人がいるが、それはピカソの絵を見て、『こんなの子どもでも描ける』というのと同じだ」。これにも大きく頷いた。
少なくとも私は、他人が書いた日記をこんなに大量に読むことはできない(インターネットの個人のページなどはきわめて苦手だ)。
「やはり村上春樹」なのだと思う。
彼女たちは小説を書く
2001/08/08 17:32
私は小説を書けない?
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上の書評で「書き手の性別は意識しない」と書いている方がいらっしゃるが、私はとても気になる。女性の書いたものが苦手なのだ。文が「女っぽい」と感じてしまう。その「女っぽさ」がダメなのだ(ご参考までに…私は女です)。もちろん、気にならない、苦手でない女性作家もいる。だが、苦手な方が圧倒的に多い。実はこの本に登場する8人の中には、私が最も苦手とする人がいた。その人はどのようにして書いているのだろう…そう思って、この本を手にした。
まえがきにもあったのだが、この本の著者は、これらの小説家と彼女たちの書く作品がとても好きだ。作品や文体に関する洞察はものすごい。完璧にツボを抑えていて、それを披露するから、彼女たちも「そうなんですよ」と喜んで、どんどん話がはずんでいく。著者はインタビューを「快楽だった」と言ったくらいだ。
私は…ついていけなかった。そこまでの愛情がないからだろうか。共感できること、「なるほどなあ」と思うことが全体を通して少なかった。各作家別にみるとその少なさは、作家に対する「苦手度」に比例していたと思う。
でも、小説家がどのようにして書いているかはよくわかった。小説を書きたいと思う人にはとても参考になると思う。言い換えると…こんな感性がないと小説は書けないということか。少しも共感できない私なんかはとうてい無理なのだろうな。
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