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Dr.MADさんのレビュー一覧

投稿者:Dr.MAD

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

彼は驚くほど若く、想像力ゆたかで勤勉だった

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ただ想像力に長けているならその人物は怠け者であるし、ただ勤勉ならそれは役人根性に繋がりかねない。
 想像力ゆたかでかつ勤勉であること。その二つを実践することで、大戦を生き抜いた戦車乗り、オットー・カリウスの物語がここでは漫画化されている。
 戦場という極限状態に置いてはとかく猛将が求められがちだが、むしろカリウスは知将といった趣で不安要素を一つ一つ潰してゆく。問題点の改善をねばり強く上官に要請し、戦車を走らせるための道を丹念に調べ、自らも先頭に立って戦場を壊れやすい戦車でかけめぐる。
 そんなカリウスの姿にふと巷で氾濫するビジネス書を思いだす。戦争の時代といまを比較するのはいささか印象として弱いかもしれない。けれども、いつ終わるともしれない不況という敵に、絶望的な戦いを強いられるという点で似ていなくもない。
 カリウスと生き方を同じくする“猛烈社員”でない大勢の日本人たちへ、ぜひ読むことをお勧めする。

 後半に収録されている『ハンスの帰還』は前作『宮崎駿の雑想ノート』で書き下ろされた『豚の虎』の続編である。ドランシ予備大尉とハンス戦車整備兵長の最後の戦いも合わせてお勧めしたい。

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紙の本

紙の本Platonic sex

2004/12/02 22:48

タレント・飯島愛ができるまで。そして現在。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ドメスティックバイオレンスやら幼児虐待やら、親の問題も数あれど、子の問題というのもやはり存在する。特に若い時分はにその無軌道を止めるのは難しい。怒ってはうざがられ、殴っては憎まれ、親だって人間だ。おかしくなるのでもない限り心を鬼にしつづけることはできない。若い飯島愛は本当に手のつけられない存在だ。
 結局親としてした最後の判断が、子を独立させるというものだったことは、飯島愛にとって幸運だったと言える。少なくともそれで親がつぶれることはなく、つぶれた親を見て後悔したり嘲笑したりする飯島愛という事態も避けられた。世の中そううまくいくわけではもないが、破綻ばかりが結末ではない。なにしろこの本には現在がある。
 飯島愛という人は中学から体を使って快不快を推し量っていただけに、人との距離感に長けた人になったのだろう。この本は辛い少年少女時代を送った子ばかりでなく、苦労した親にもなにか感じさせる作りになっている。問題は常に二律背反。僕らはみんな生きている。

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紙の本

オ、れ、は。そい・つを、知・っている。のか?け・ど、知、らな・い。お、ヲヰ、おかしくないカ?お。オかシ・いヨナ?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 テストあけに風邪をひき久々に登校した主人公は、見知らぬ女子が一人クラスに加わっていることを発見する。季節はずれ転校生かとクラスメイトに尋ねると、皆一様に怪訝な顔。四月からクラスの一員であったと言うのだが、主人公にその記憶がない。気のせいかと思い始めた頃、学校外であった彼女を、他のクラスメイトが認識できず、無理に思い出させようとすると、バグったようにおかしくなってしまう。学内では認識され、学外で無視される、異常な特性を持つその少女の正体とは。
 筒井康隆の『時をかける少女』、高畑京一郎の『タイムリープ』に続く第三の時と少女の物語。
 将来に対する不安感をモチーフにした物語は、昨今多く氾濫しているものである。それは先行きが見えない事、予測ができない事からくる恐れが形をなしたものといえるだろう。では将来起こることをすべて明かされたとしたら、しかもそれが承伏できないものであったら人はどうするのか。抗うのだろうか? そうしたせめぎ合いが物語の中で描かれている。
 定まった将来、しかれたレールに対して異議を唱える物語は本来ノーブルな人々に使われるテーマだが、主人公達にそうした豊かさはかけらもない。ただ人として譲れない一握りのものを持っているだけである。
 慟哭をつきつけられる、心臓の震える物語。

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紙の本

開戦。初日。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ブリティッシュ作戦秘話。作戦最前線に居合わせた連邦軍マゼラン級宇宙戦艦乗組員の死闘。
 軍事系の作品の三つのパターン、センチメンタルか、ヒロイックか、もしくはタクティカルなものの中で、この作品はガンダムサイドストーリーのなかでも、かなりマニアックなタクティカルものに仕上がっている。居るだけで死と隣り合わせという環境は、航空・水中軍事ものの定番。酸欠や原子炉の暴走といえば潜水艦ものの常。ガンダムでデブリを扱ったのもおそらく本作品が初めてだろう。絶望的な戦場感があふれる快作。

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紙の本

まして、戦争という「時代」の中では

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 覇権国家「連合」の影響下に置かれることを潔しとせず、軍事力でもって抵抗する「王国」。そしてその最前線に送り込まれる、「王国」の「余剰人口」である徴兵婦女子たち。いつ果てるとも知らない戦場で、終わりの見えない戦闘を続けてゆく。やがて部隊は家族となり、戦車は家となり、戦争は日常となる。身近すぎる死の影に怯え、あるいは刹那的になりながら。
 生きにくいと言われる「いま」、束縛されていると思いながらその正体を私たちは見極められずにいる。『鋼鉄の少女たち』にはそれら「いま」に対する強烈なバーチャル感覚が組み込まれている。
 戦争という圧力にさらされ、個人ではどうしようもなく、しかして油断すれば、あるいは油断しなくても容赦ない死が訪れる。貧弱な装備、微少の戦力。知恵がない、技術がないでは勝てないのは当たり前。ああ、いままで自分は何をやってきたのか! さらに、それは逃げても隠れても追いかけてくる。では立ち向かうしかない。いまのままでも立ち向かうしかないのだ。
 連載のさなか、私たちはアフガン戦争とイラク戦争という二つの大きな戦争を知った。物語の行方にまた新たな緊張感が加わったことは言うまでもない。
 まして、戦争という「時代」の中では。
『鋼鉄の少女たち』にはそうした時代漫画の魅力に溢れている。

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紙の本

反乱する人工知能は、人を救う。

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 人体実験の果てに昏睡状態になった少女。その治療のため日本のハイテク病院に入院するが、担当の医師は政治的意味合いから治療ではなく現状維持を申し渡される。対する相手はいざとなれば殺人さえいとわぬ米国の軍需産業だった。しかし、少女が入院するハイテク病院には、自立した意識を持つコンピューターが医療支援を行っていた。人の暗部を知らないコンピューターはその行いに反発し始める。
 人の言うことを聞かないコンピューターが登場する作品の大半は人の危機を描くものだが、この作品では病院というさらにデリケートな場所で味方としてともに戦う頼もしい存在として登場する。要塞化する病院、ロボットの番兵、固い意志。死を知らないからこそできる意固地な判断を、意志を持つことで限りなく死に近い存在に近づいてゆく。

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紙の本

紙の本電車男

2004/10/31 08:00

なんでおまいらそんなにいいヤツなんだ…

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 生まれてこの方女性と付き合ったことがないオタ男が、電車で酔っぱらいに絡まれている女性を助ける。それだけで終わるかと思えた関係が、女性からお礼として送られてきたエルメスのティーカップによって一変する。ひょっとしてこれは脈ありか? 刻々と変化する状況を実況中継する「電車男」を2ちゃんねらーがバックアップ。はたして「エルメス」さんとの運命は。
 2ちゃんねるの中にこれほどピュアな部分があったのかと、便所の落書きと噂される同掲示板の見方が180度かわるノンフィクション。はっきりいって嘘でも良い。本当ならなお良い。匿名掲示板という時事性と公共性の中で生まれた、一つの奇跡であり伝説である。物語であればどれほど無理な展開でも程度展開を読めるし、受け入れることもできる。ところがそれが現実となると、一つ一つの言葉の重みがまるで違ってくる。人に好かれるということは、言葉に気持ちが宿るのね。冷静と情熱の間で2ちゃんねら〜的な描写と間を保ちつつけた「電車男」のエンターテイメント精神と描写力にも惜しみない賞賛を送りたい。どれほど苦しくても、自分を見失わなかったやつこそが勝ちなのだと。
 オレだったらコレをドラマ化する。どうドラマ化するかと言えば、まず「電車男」と「エルメス」は声のみ。ドラマの登場人物として登場するのは、掲示板にかじりついている2ちゃんねら〜。彼らもしゃべらない。ただ掲示板を見ながら笑ったり怒ったりさせて、キーボードを打つシーンを見せる。そしてテキストを読み上げる声。誰がテキストの発言者であるかも判然としない。映像では男がキーを打っているのに、声は女とか。そうやって2ちゃんねら〜の生態を見せる。誰かはオタクの引きこもりであったり、誰かはOLであったり。彼らが笑い怒り泣き喜ぶ姿だけを見せる。全六話だとWOWOWのドラマWとかがぴったりきそう。オレにはそれがどれだけ感動的なものになるか、見える。

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紙の本

紙の本女子少年院

2004/01/13 04:31

女子少年院より「先生、私、うまくやっていけるでしょうか」

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 少年犯罪への関心の高まりが、大人よりも厳しい刑を科す少年法となり、メディアによって煽られて尚不十分とされる昨今。判決後は一足飛びに退院後の話にしか話題が向かない社会の反応に対して、刑に服するというのがどういうことなのか、少年(少女も少年と呼びます)たちに罪を認識させ、再び犯罪を起こさせない為に何が行われているのか、そもそも彼女らはどういう少年たちであるのか、それが直接指導に当たった法務教官によって明かされています。
 読み始めてまず感じるのが既視感。親にないがしろにされ、ひどいものは虐待され、家庭に居場所を無くして逃避し、その埋め合わせをするかのように薬物に耽溺してゆく。男子がまず窃盗や傷害であるのに対して、女子は圧倒的に覚醒剤取締法違反での入院が多い。親からの愛情に満たされないということが、どれほど容易に少年たちを破壊してしまうのか。面会ごとに訪れる親たちの呆れた生態に、憤り頷く人もきっと多い筈です。
 著者・魚住氏の少年たちに向ける情熱には、おそらく多くの人が理想の学校教育をみるでしょう。しかし、一方で事の原因が親との関係にあり、そして指導する場が少年院であるという悲しさが、指導の限界と世の中のずさんさを示しています。
 周囲に対す優しさをいくらかでも取り戻そう、そんな気持ちにさせてくれる本に仕上がっています。

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紙の本

喜びが呼び寄せた痛みに

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 女主人ケリー・ストウナーの死をきっかけに、ロンドンを離れるエマ。新しい仕事、新しい人間関係の中で、心を動かすのはウィリアムとの思い出ばかり。
 まじめな人ほど喜びには疎くて、失って初めてその貴さを知ったりする。「平気だと思ったのに」。そんな切なさは止まらない。
 そんなエマにとって今生の別れにも等しい状況で、細い糸はつながり続ける。再会で交わされる言葉に、つい思いをはせる。

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紙の本

天道琉朱菜……貴公を射った者の名です……

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ガンマンでもガンウーマンでもなく、ガンガールと呼ぶこそふさわしい。
サムライフィクションが多い中、鉄砲武芸者モノが見られるというのは、歴史好きにはたまらない。
もちろん中世にはリボルバーもオートもマシンガンもないが、西部とは違う東部劇が見られること請け合い。
「まったく……どうかしてるぜこの戦……侍が閃士の相手をしてやがる!」
まったくもってその通り!

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紙の本

まるであいつ……戯んでるみたいだ……

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 旅の閃士琉朱菜の珍道中。
 小憎らしいほど進まないが、いいのだ。アクションがあるから! 『殿の虎』虎島弥次郎に続き、『風船使い』紅みかんが旅の仲間(予定)として登場。
 ガンホー! ガンホー! ガンホー!

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紙の本

紙の本自殺した子どもの親たち

2005/04/23 19:20

すぐ隣になる自殺。

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家族を自殺で無くした人々の自助グループ「ちいさな風の会」で、子に自殺された親たちのその後を追う。
自殺にはする側とされる側があって、される側の方が長く苦しむというのが本書だ。まずもって、子が自殺したとは人に言えない。それは世間体ばかりでなく、言えば不用意に傷つけられる場合があるからだ。「あなたにも問題があって」とはいじめなどでもよく使われる言葉だが、使う方の無神経はもちろん、使われる方だってそんなことはとっくに知ってるのである。責めて欲しいわけではない。その上、余計な口出しまでする。理解できない人には理解できない。だからこそ、共通の体験を持つ自助グループが存在するのである。自殺自体が悲劇だが、家族が悲劇の温床だった、とは書かれない。もっと普通に起こりうるということに触れられ、それ故に悲しみも深い。それでも生きていかざるを得ない人々を描く。

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紙の本

紙の本カラシニコフ 1

2004/10/18 21:53

国を護りたかった男

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 全世界で二億丁あると言われる自動小銃AK47。通称カラシニコフと呼ばれるこの小銃はその頑強で故障の少ない構造から、世界中の紛争地帯でその姿を見かけることができる。しかしそれは未熟な少年兵たちの手にも渡り、その精神に重大な影響を与え、また治安の悪化にも拍車をかけている。カラニシコフのある生活を日常として暮らす人々を追う。
 一頃有名だったトカレフもカラシニコフも人の名前である。かつては共産主義諸国に供与される武器の代名詞であったが、イラク戦争で米軍が鹵獲したAKをしたともいわれている。特に砂漠地帯では砂対策が必須なのだが、その昔、日本にも三八式歩兵というものがあり、やはり整備性生の良さからアラビアのロレンスが用いたとも言われている。踏んでも汚しても濡らしても使えるというのは、自動小銃の世界ではなかなかすごいことなのだ。多くのアフリカ諸国ではまだ武器を持ち力のあるものだけが国中の富を吸い上げると言うことから抜けられずにいるが、その中で銃を徹底的に管理することで安定した社会を作ることに成功したソマリランドという国がある。内戦で荒れたソマリアから平和を求めて分離独立した現代のおとぎ話のような国であるが、基本的に軍と警察が十を管理し、家庭に銃が置かれなくなった。事情は少し違うが、日本では1588年の段階で豊臣秀吉が刀狩りを行って、刀とともに銃を取り上げた。家庭にある銃が潜在的な火種となることを見越したという点で、秀吉の政治的センスの冴えを感じることができるのである。もちろん、その方が統治しやすいというのもあるのだが。
 現代でも努力次第で平和な世界が築けるというちょっと希望のある話。God bless Republic of Somaliland.。

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紙の本

紙の本ノルマンディー航空隊

2002/09/05 13:58

戦場で戦争以外に狂う人々

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 本作はタイトルにもなっている『ノルマンディー航空隊』を含む、第一・二次世界大戦中の戦記7本を扱った短編集である。
 最近、映像作品において第二次世界大戦もの(『パールハーバー』『ウィンドトーカ−ズ』『バンド・オブ・ブラザース』など)が見直されるなか、ここではそれらとはまた違った目線を紹介している。
 戦争の悲惨さ? いやいや。上官の横暴? 若干。友情? 愛情? 片思いなら。  
 物語のおいて、およそまっとうな感覚の持ち主は登場しない。
 害があると知りつつタバコを吸うように、戦場の空気を呼吸する猛者たち。沈まない船を沈めようとするUボート艦長、スピードに固執する戦闘機パイロット、自分の戦場は娑婆にこそあると断言する整備兵など、目的を忘れ手段に固執し、 生来ともいえるわがままを発揮する。
 戦記といえばアメリカ軍やドイツ軍のものが多いなか、異色とも言えるイタリア軍やイギリス軍を扱っているところにも注目したい。
 いまある戦記ものにイマイチ満足できない人には特にお勧めである。

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紙の本

イギリスというイマジネーション

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 古き良きイギリスを舞台にした物語を思い浮かべるとして、日本人ならまずアーサー・コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』やH・G・ウェルズの『タイムマシン』を上げるだろう。世界に対する支配権を失いつつも、いまだ華やかさを残すイギリス。そんな19世紀末という舞台を『エマ』は共有する。
 エマはメイドだ。昨今ではメイドという単語に過剰反応する輩が増えているが、そういう意味で言えば普通のメイドだ。老いた女主人を支えて日々を暮らしながら、なんとなく出会ってしまった良家の子息に引かれて行く。
 現代日本を舞台に慎みや恥じらいを描くことはそれこそ恥ずかしいが、その雰囲気を描く上でも19世紀末という舞台を選んでいることに、作者の豊かなセンスを感じる。もちろんその時代が好きであるということもはずせない。
 ちょっと恥ずかしげで、それでいて雄々しい。『エマ』はそんな物語である。

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