サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 里佳さんのレビュー一覧

里佳さんのレビュー一覧

投稿者:里佳

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本プリズム

2003/03/20 22:46

殺される理由

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

事件が起こったとき、被害者を取り巻く人々は必ずこう言う。
「恨みをかうような人ではなかったのに」。
 けれども、と思う。誰からも恨まれず、嫌われず生きている人間など、果たしているのだろうか。
 『プリズム』で貫井徳郎が描こうとしたのは“意外な犯人”ではなかった。
子供のように無垢で、天使のように愛らしい。男も女も、大人も子供も、誰もが彼女に魅了される。被害者の山浦美津子は、人を惹きつけてやまない、そんな女性だった。いったい誰が、なぜ彼女を殺したのか? 美津子を取り巻く人々はそれぞれに推理を組み立て、それぞれに「真実」にたどり着く。誰からも愛されていたはずの美津子。しかし、語り手が入れ替わるたび、彼女の姿は天使になり悪女になり、読者を翻弄する。それはまさに光の変化、“プリズム”。
かくして浮き彫りにされるのは犯人ではなく、“被害者の意外性”。彼女自身も気づいていない、潜在化の悪意の存在なのである。
 読後、胸に手をあててハタと考え込んでしまった。自分自身をプリズムを通してみたら、果たして自分の姿はどう分散されるだろうか。「殺される理由」を、知らぬうちに作ってはいないだろうか……?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。