はなさんのレビュー一覧
投稿者:はな
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センセイの鞄
2002/01/24 10:37
著者の選ぶ言葉のうまさとその雰囲気にやられました
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センセイとツキコさんのやりとりがほとんどの小説である。恋愛小説としてはあっさりとしすぎているという意見もあるかもしれないが、私はこんな恋愛もあっても良いのではないかと思う。30代後半の女性と70代の男性の気持ちのやりとり。その間がなんとも言えず良い。
ツキコさんが自分とセンセイを本と本の帯に例えている。それは二人がちょっと気まずく知らんぷりをしているシーンなのだが、「居酒屋でセンセイに会って知らんぷりをしあうのは、本と帯がばらばらに置かれているようで、おさまりが悪い」−−−−うーん。うまい。確かに、最後まで二人の関係はそんな感じだった。二人でいることが自然なのだ。
実は川上弘美の本を読んだのは初めてなのだが、しばらく彼女の世界にはまりそうな予感がした。良い作家に出会えた一冊だった。
天狗風
2001/09/28 14:33
妄執が物の怪に
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シリーズ一作目よりも読み応えがありました。人の気持ちの複雑さ、それ故の悲しさなどを感じました。
宮部みゆきさんの作品には、正しい人達がよく登場する反面、どうしようもなくすさんだ人達も出てきます。どの人物もその背景に色々なものを背負っていて、そして様々な想いを抱いているのですが、それが細かく丁寧に描写されているので、読んでいる方はどんどん話に引き込まれてしまうのです。
今回私が一番引き込まれたのは、観音様のくだりを読んでいた時です。その美しさと恐ろしさ、怖さにぞくっとしました。それほど不気味な表現がされていないにもかかわらず、これほどまでに背筋が寒くなるとは。
もちろん恐いばかりではなく、ほのぼのとした雰囲気もあります。特にお初と猫の「鉄」とのやりとりは、読んでいて楽しい気分になります。こういう部分があるからこそ、宮部さんの作品はどんなに重い内容でも、暗くならずに終わっているのかもしれませんね。
R.P.G.
2001/08/29 23:53
繰り返して読みたい本です
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やっぱり宮部みゆきさんはすごいと思いました。話のほとんどが小さな取調室で進むのに、読む方をちっとも飽きさせない。このすごさはなんなんでしょう。宮部さんの人の描き方が、その魅力だと私は思っています。個性が強くて、一人一人が鮮明に描かれているのです。まるで本の中で彼らがしている息遣いまで伝わってくるよう。
伏線の引き方も宮部さんらしいです。パズルのピースを合わせるようにして、最後には全ての謎が解ける感じがしました。メールのやりとりを途中に入れているのが新鮮で、これが後々どうつながるんだろう、と一気に最後まで読みきってしまいました。最後まで読むと、またもう一度全てを知った上で読みたくなる、そんな本でした。
沖縄オバァ烈伝 人生に迷ったら、沖縄でオバァに会え!
2001/09/11 13:25
オバアの強さ、たくましさ
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読む場所を間違えると、大変なことになる本でした。公衆の真ん中で思わず吹き出しかけるほどに、オバア達の言動の面白いこと、面白いこと。こんな内容だと知っていれば、家で読んだのに、と思うがもう遅い。なんとなく読むことを止められなくなってしまい、中で沸き上がる笑いに耐えながら、ついついバスの中で読み続けてしまう私。
この本に出てくるオバア達は、いずれも正直でわがままで、思うがままに生きています。自分の主張はいつも正しくて、それが通るのだと確信している様がすごい。
このオバア達に触れると、年をとるのも悪くないなあ、と思えました。
クロスファイア 上
2001/10/18 16:09
悲しみ
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炎を生み出す能力を持ってしまった少女が、その力の使い道を求めて生きている。時に暴走し、時に正義の為だと自分に言い聞かせ、その力を使っている。
こんな能力を持ってしまったなら、どうすればいいのだろう。
できることなら、人を傷つけない道を選んで欲しかったと私は思う。哀しい人生を歩んできた彼女が、さらなる悲しみを背負わずにいられるように願うのだが・・・。
長い長い殺人
2001/09/09 16:14
喋っているのは誰?
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この話の全てを進めているのは、刑事でも探偵でも、犯人でもありません。それは普段私たちが絶対にその言葉を聞く事のない「財布」達なのです。誰かのポケットの中で聞いたり思ったり考えたりした事が繋ぎ合わされ、ある犯罪の全容が明らかにされていきます。
もちろん、彼らの情報には限りがあります。けれど、面白いことに限られた範囲の中であるにもかかわらず、鮮明にその情景を頭に浮かべる事ができました。
語り手に「財布」という人間とは関われない存在を持ってきて、それでいて読み手に飽きさせない著者の上手さ。事件そのものよりも、結末にたどり着くまでの過程を楽しめました。
冬のオペラ
2001/08/30 16:38
日本で一人の“名探偵”
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名探偵の出てくる小説は、その名探偵の行動と推理に面白さを感じる私なのですが、この話はちょっとはぐらかされてしまった気分です。
何せこの探偵さん、名探偵ではあるけれど、それで生計を立てようという気が全然感じられないのです。そして平日はお金のためだけにアルバイトをしている、なんだか名探偵によぐわない感じ…いえ、現実として「名探偵」で食べて行けるかと問われたら、私だって食べられないのでは、と思うわけですが。
でもこの探偵さん、とても頭のいい人なだけに、そこが悲しくなってしまいます。ああ、現実って大変なんだな、と。
しかし、もしかしたら、読者にそう思わせるように作者・北村薫さんは書いておられるのかもしれません。それなら、私はまんまとその策にはめられてしまったことになりますね。
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