高城さんのレビュー一覧
投稿者:高城
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紙の本凍える牙
2001/08/18 21:24
働く女性の前に男性に読んで欲しい一冊です!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
仕事をもつ現代女性像をいま、一番リアルに描けている本だと思います。この本に共感する女性、それは仕事をもっていない女性にも一杯いるでしょう。でも何よりもまず、男性に読んでほしい一冊です。主人公の音道貴子刑事がペアを組むことになった典型的オヤジ刑事について、あなたは「こんな男は今時いない」と思いますか? それとも「おれも本音をいえば…」? 貴子みたいな女性はやりにくいって思いますか?
当たり前の仕事をもつ社会人としての女性、それが簡単に受け入れられない現状をバーチャル体験してみてください!
(P.S.続編「鎖」も五つ星です!)
2001/08/18 21:04
これからの私たちのために
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まさにこれからの社会を形作っていくひとつのスキームを提示していると思う。
現代日本は、潜在的な自由が保障されていないと言い切っているところはすごい。明示的な禁止はないが、目に見えない拘束や圧迫がなお隅々まで沈殿している日本社会。以前の私だったら、反発したかもしれないこんな文章にうなずいてしまうのは、今の私が感じる日本全体の閉塞感のせいかもしれない。ただ、相続税を高率にすることもまた、潜在的自由の実現のひとつである、という部分には、かならずしもうなずけなかった。伝統文化の維持、発展には、これはマイナスになるのではないか。この本には、伝統文化の育成についての視点が欠けていると思う。わずかに最後の方で、「定常型社会」のなかで効率だけではない文化などへの人々への価値回帰が高まってくるという論調があるが、そのときには、伝統文化は崩壊、もしくはかなり変質しているかもしれない。文化はもとより、変容していくものではあるが…。
いずれにしても、これからの私たちのために、ぜひ多くの人に読んで欲しい本である。
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