ｒｙｕｍｏｍｏｋｏさんのレビュー一覧

合理化の行き着く先について

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　この本は、資本主義社会の最終形態ではないかということでマクドナルドを例としてあげた本であり、その解説の本であろう。　現在資本主義社会が行き詰まっている世界状況、つまり合理化がこれ以上進展しないところまできている状況をのべているにすぎない。
　資本主義社会の問題は昔にマルクスが述べているし、そこに生み出される人間疎外の問題も指摘済みである。
　欧州は人間中心社会であるため（キリスト教文化）この合理化問題に抵抗しているが、米国は移民の国（多神教文化）なため合理化の推進派でもある。つまり社会経済体制の問題であって、壮大な人類の実験場ともいえる。どのような価値観でどのような社会を志向していくのかという哲学的な問題でもあり、おそらく永遠に解決できないことでもあろう。ただはっきりと確信をもっていえることは、現時点での経済水準を落として人間らしく生きるか、現状維持もしくはそれ以上を目指して非人間的に生きるかの選択を迫られることである。選択の結果は個々人によってその価値は異なるであろう。すべての人間を満足する社会などは存在しないのだから…。