ThunderRoadさんのレビュー一覧
投稿者:ThunderRoad
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2001/09/04 14:56
父親であることを通じた男らしさ
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すみません、泣きそうになりました。二児の父親である自分にとって「父親らしさ」、そして「父親であることを通じた男らしさ」を強く考えさせられる小説でした。
ボビーZの身代わりとしてさまざまな騒動に巻き込まれて行く小悪党ティム。その彼が、ほとんど本能的に発して行く父性は、自分が子供達にもっとも伝えておきたいものに見事に一致していました。
ポップでスピード感あふれるクライムノベルで、いわゆる「歴史に残る名作」にはなりえないと思いますが、自分にとっては貴重な一冊でした。
紙の本この人を見よ
2001/09/04 17:43
ニーチェはこうして超人になった
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ニーチェの最後の著作。ここで見られるのは、強烈な自意識、そして、この自意識に基づく自らの作品への深い愛着。そして、自らが理想とする人物になりきれなかった自分自身への諧謔性を帯びた賛美。
この本の執筆を終え、ニーチェは、自らが定義したのとは違う意味での超人となった。世間一般の人々と交流が不可能な状態、いわゆる狂人と呼ばれる身分に。
毒性が強いため万人にはお勧めできないが、自分にとっては座右の書のひとつ。
紙の本家族論を学ぶ人のために
2001/09/04 15:05
「家族」はつらいよ
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「家族」という言葉は、その時代に合わせて、その意味する範囲が変化してきた。従って、その家族を題材とする「家族論」も、その時々に応じて変わらざるを得なかったであろうし、これからもそうであろう。
そのような家族論(と家族論を通じた現代家族の問題点)を把握するには良い解説本であると思う。
自分の持っていた家族観はいわゆる典型的な「近代的家族観」(夫婦+子供の核家族)であったが、実際には「近代的家族観」に合致する家族は減ってきているのであろう。「独り暮らし」も家族であり「大家族」も家族である。
それぞれが、解決が困難な大小の問題を抱えながら生活しているのが実感できる一冊でした。
1500円くらいならなお良かった。
2001/09/07 10:20
志は良いがテクニック本を脱しきれていない
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著者は「巷には交渉のテクニックを説いた本は数多くあるが、理論的アプローチを行っているものはほとんどない」と主張し、本書では理論的枠組みを提示し、その枠組みに基づいてビジネス交渉および意思決定のあり方を説明していると主張している。
確かに、序盤で交渉を「利益分配型」「利益交換型」「創造的解決」に分類している考え方は非常に面白く、かつ、有意義であると思う。しかし、その後は、いわゆる「交渉テクニック本」との違いが不明確になってしまっている。これは交渉論という学問自体が成熟していないことからしょうがないことかもしれないが残念である。
500円の文庫本として出版されていればコストパフォーマンスは高かっただろうが、単行本としては今ひとつ。
紙の本戦略シナリオ 思考と技術
2001/09/06 09:50
戦略思考の重要性を語るには内容が弱い
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何気なく読むと「すなわち」「つまり」「したがって」などの言葉が頻出し、「戦略的思考」の重要性の説明が論理的に組み立てられているような印象を受ける。しかし、よく読むとひとつひとつの文脈のロジックに飛躍が多く説得力がないことが明らかになってくる。ページ数の制約なのだろうか、それとも、著者自らがこれで良しと信じているのであろうか?
いずれにせよ、この書籍は「戦略的思考の重要性」を全体として感じ取るには良い本かもしれないが、まじめに丁寧に読むと価値が急減する本であると思う。
思い切って二分冊にして「思考編」「技術編」各一冊にし記述を丁寧にしたほうが、それぞれの書籍としての価値は増したのではないだろうか?現状だと1000円くらいの価値の書籍。
紙の本TOC戦略マネジメント 画期的な利益創出の理論 「制約条件の理論」実践ガイド
2001/09/04 14:42
理論も理解できなければ実践も出来ない
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近頃話題のTOCについて概要を知るべく購入した書籍。結果的には、この本だけではTOCの理論的な枠組みを理解することは出来なかった。かといって理論はおいておくとして、実践に結びつくかというと、そうとは言えない。これだけの価格(2500円)の書籍であるからには「理論をきちんと説明する」あるいは「実践に結びつくだけの情報を提供する」のいずれかの成果は期待したかったのだが…。TOCをしるために、まず、最初に読むべき本ではない。
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