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PAYTAXさんのレビュー一覧

投稿者:PAYTAX

5 件中 1 件~ 5 件を表示

日本人にもこんな商人パワーが欲しい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ユダヤ商人と華僑を組み合わせて論じている点が面白いです。“ジョージ・ソロス”や“李嘉誠”などの名前を借りたゴシップ本かと思いきや、そうではありません。有名人を伝記的に辿って分析しながら、華僑とユダヤ人のビジネススタイルとそれぞれの民族的・文化的背景の関係を分析している「よくできた本」です。

私たちは、一般的に、華僑については「ずる賢い」、ユダヤ商人については「利権を独占する資本家」などという先入観的イメージを持っています。悪く言うと、両者ともどこか「腹黒い」イメージです。興味深いのは、「そんな彼らを“ つき動かすもの”は何か?」「商人パワーの源泉は何か?」という点です。

本書によれば華僑には故郷に錦を飾るという生き甲斐、ユダヤ人には自分の国(安住の地)を持たないという緊張感が、彼らを「商売上手」たらしめているとあります(詳しくは本書をお読みください)。つまり、彼らのパワーは、人種そのものがもつパワーなのです。人種そのものがパワーを持っているからこそ、個々人がパワーを持ち、本書に紹介されるような著名人が多く輩出されているのでしょう。

ところで、日本も世界経済の中でかなりのパワーを持っています。こうなると華僑やユダヤ商人と同じように、「日本人」も何らかの先入観的イメージを持たれていいような気もしますが、そういったものはあまり耳にしません。また、日本人に“ロスチャイルド”や“辜振甫”のような人物も思い当たりません。それはなぜかと考えたとき、1つの理由として、日本人には、華僑やユダヤ人にあるような人種としてのパワーがないということが言えるような気がします。日本人が彼らを「腹黒い」との先入観を持ってしまうのも、自分たちが持たない「人種のパワー」に一種の畏れを感じるからではないでしょうか。

日本の経済的成功は、日本人そのものの強さというよりは、日本製品の強さによるものです。日本製品の強さは、日本人の「勤勉さ」や「器用さ」から生まれているのだと思いますが、それらは日本人の単なる性質にとどまるものであって、人種がもつパワーとまでは言えないでしょう。つまり、個人のパワーではなく、集団的勤勉さが生み出す製品(またはそれを供給する企業)のパワーなのです。“盛田昭夫”や“松下幸之助”にしても、その成功は、人物としてのパワーではなく、“ソニー”や“松下電器”の企業としてのパワーによるものだと思います。

製品のパワーだけでは、けっして優位とは言えなくなりつつある日本。“つき動かすもの”を持たない日本人は勝ち残れるのでしょうか?

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紙の本人事管理入門

2002/07/01 01:30

優れたテキスト

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人事管理をここまで網羅しつつ、ここまで読みやすい本はこれまでなかった。300ページを超え、字も小さく行間も詰まったボリュームたっぷりの本であるが、各トピックは簡潔かつ、実に要点を絞ってまとめられており、スイスイ読める。

年功序列・終身雇用・新卒一括採用という日本的雇用慣行を踏まえつつ、成果主義を基本とした今日型の戦略的人事システムへの流れが整理されている。分野も多岐に渡り、人事担当者からすれば「かゆいところに手が届く」テキスト。

改革論ばかり読んでいる人は、本書を読んで冷静になって、今日の日本型人事システムの問題の根底にあるものに目を向けるべき。他部門を長く経験し、管理職になって初めて人事に異動してきたような人の中には、本書のような基本が分かっていない人が多いのでは?

これを読み終わったら、次は戦略立案と運用です。それには同じく日本経済新聞社の『人事制度改革の戦略と実際 成果主義から戦略実現型へのステップアップ
(Professional text)』がオススメ。最近日経さんはいい本を出す。東洋経済に負けるな!

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プロ向けの手順書

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人事制度改革・組織改革を提唱する学者がいる。その流行をビジネスとして手法を売るコンサルタントがいる。本は机上の空論と使えるようで使えないマニュアルばかり…

こんな人事改革ブームの中で書かれた人事改革の本ですが、本書は一味違います。外資系企業のアメックスで日本企業より一足先に人事改革を経験した筆者が、ブームから一歩引いた視点で書いた「教科書」です。

6章などでは筆者自身が経験した葛藤・試行錯誤が読み取れる。しかし論調は冷静。押し付けのアドバイスやうるさい忠告ではない、きわめて客観的な指摘である。

アメックスの人事制度の変遷を振り返るところで、「(制度の変遷を語ることを通して、)表面的には制度の良否の問題のように見えるものが、結局は個々人の心理の問題、個々人の能力・技術・動機の変化や進歩の問題にほかならない」との言葉が、新制度「導入」だけが目的となりがちな人事改革ブームに釘を刺す。

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飛躍のない、現実的洞察の書

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未来のマネジメントのあり方を、経済の変化ではなく、社会の変化と結び付けて論じています。私たちがなんとなく肌で感じていたような潮流を、するどい洞察力でまとめ上げており、私たちに新しく明確な視点を与えてくれる本です。

タイトルや「歴史が見たことのない未来がはじまる」という副題からは、グローバリズムや資本主義の行く末を論じたよくある本かなという印象を受けましたが、そうではありません。例えば、『第三の道』で有名なアンソニー・ギデンズの『暴走する世界』なども、本書と訴えたいことは似ているような気がしますが、社会学者の論文は少々難しく、今ひとつ親近感が湧かないものです。

その点、本書はきわめて現実的です。例えば、「資本主義を越えて」という章での、「資本主義の次に来るものは?」という議論では、資本主義に変わって新しく○○主義と呼べるような新しい概念はすぐには出てこないとの前置きをしています。飛躍しすぎていないところに、親近感を覚えます。

偶然ですが、つい最近NHKでも、本書と同じような「社会の変化」をテーマに、非常に示唆に富む番組を放送していました。NHKスペシャル「変革の世紀」(第1回:国家を超える市民パワー 〜国際政治に挑むNGO〜、第2回:情報革命が組織を変える 〜崩れゆくピラミッド組織〜)がそれです。

本書とその番組では、今後変化する社会の中で自分がどのように行動すべきか、考えさせられました。

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紙の本誤解だらけの構造改革

2002/06/04 01:28

構造改革イコール景気回復ではない:経済政策論議に新たな視点

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期待の変人、小泉純一郎氏が総理大臣に就いてからはや1年。“痛みを伴う構造改革”によって、この人なら何かを変えてくれるはずと期待していたが、「よく考えると景気は全然回復してないよ!」「なんで?」と思った人は、この本を読むと面白いでしょう。不況の今日、新聞を賑わすのは官僚の天下り、役立たずの公共事業、モラルの欠如した経営者(銀行への公的資金注入の問題)などの話題であり、これらに挑む小泉首相は「正義の味方」であるかのように見えます。そしてその「正義の味方」が実行する“構造改革(とそれに伴う経済政策)”は万能薬で、「これで日本の景気も回復するんだ」と思ってしまいます。そんな世間の風潮に対し、「ちょっと待て、そうじゃないぞ!」とマクロ経済学の視点で警鐘を鳴らしてくれているのがこの本です。ひとつの理論を何通りもの表現で言い換えて、繰り返し説明しているので分かりやすさは抜群です。超メジャー人気のポール・クルーグマン氏(最近では『恐慌の罠』)ばかり読んでいるような方は、新たな視点としてこの小野義康氏(『景気と経済政策』も名著)もオススメです。こちらも人気のリチャード・クー氏(『良い財政赤字悪い財政赤字』など)も小野氏に近い考え方ではないかと思います。また、日経ビジネス2002年6月3日号22ページの池尾和人氏のような意見ももうちょっと聞いてみたいです。経済政策・金融政策の本は色々読み出すと面白いですね。

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