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異端の女

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　一流企業OLが夜な夜な買春婦として街に立っていた…。
　エリートサラリーマンが毎週末奴隷になるために“女王様”の元にはせ参じる昨今さほど驚くべきことではない。その程度の事件のためにこのブ厚い444頁を読みくだく気にはなれない。某写真週刊誌に掲載された“全裸写真”一枚で充分である。
　この文章を書いている現在『巨怪伝——正力松太郎と影武者たちの一世紀』を読んでいる。その前は『カリスマ——中内功とダイエーの「戦後」』を読んでいた。共にカリスマとその信者たちの物語である。そしてそれは近代日本の物語でもある。「東電OL—」はカリスマにも信者にもならなかった一人の女性の物語である。