たま ごのこさんのレビュー一覧
投稿者:たま ごのこ
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紙の本ぼくのともだちおつきさま
2001/10/14 00:15
出会いによせて
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出会いがどんなに嬉しくて、嬉しいことがどんなに幸せなことか。それをストレートに描ききっている。
まるで「ぼく」に秘密を打ち明けられているような。あるいは心の内を覗かせてもらっているような、お話。こちらまで二重に嬉しくなってしまう。
淡い色彩の中でぼくとおつきさまのくるくる変わる表情と人なつっこさが、とても愛くるしい。
「ぼく」の嬉しくて仕方ない、正直で屈託ない言葉は、大人になるにつれて言えなくなっていくものかもしれない。
紙の本ふたりはいつも
2001/10/20 01:46
一人より二人
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がまくんとかえるくんのあたたかな一年が綴られています。二人ってなんて素敵なんでしょう。まるでかえるくんがお兄さんでがまくんが弟、というような関係がとてもほほえましい光景です。
21X14.8cmというちょっと小型の本。1ページ1ページ薄いクリーム色の紙が使われていて、絵の若草色がとてもやさしい。彼らの静かな生活が、視界いっぱいに広がります。装丁がまたすばらしい。外枠のあふれんばかりの草花に、雪だるまを間に向かい合う二人。
これからの寒くなる、人恋しい季節にもってこいの一冊です。
紙の本桃子
2001/09/27 09:35
大人だけじゃない!桃子の恋
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人が恋をするということ。そしてそれは年齢を超える。そのことを、老僧のやわらかな語り口を通して、重々しくも悲しく伝えています。
7才とはいえ、桃子は修行僧に恋をした「女」です。表紙絵を見ただけでもただならぬ、彼女の妖艶な姿。大人である私でさえぎょっとさせられます。桃子はあまりにも若すぎた。ゆえに痛々しい程に直情的で、それでいて外面はおとなしい。
子供の恋なんてお遊びでしょ、大人にならないと本物の恋なんてわからないわよっとマジで思っている方、桃子を覗いてみて下さい。人が恋をすることの狂気や喜び。そしてそれは年齢を超えてしまう。その恐さ。全体に艶かしさと危うさを漂わせながら、まさにそれらを、少女を主人公にさせた短いストーリーに託してしまうところに、著者の逞しい感覚をうかがえる気がします。
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