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でぶ海さんのレビュー一覧

投稿者:でぶ海

7 件中 1 件~ 7 件を表示

国産ロケットはなぜ墜ちるのか H−ⅡA開発と失敗の真相

2004/03/29 18:51

支配される理系の不幸、支配する文系の不幸

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは、力作だ。面白かった。
何で、日本のロケットは落ち、衛星は数年でお釈迦になってしまうのだろう。よその国のそれらは滅多なことでは落ちないし……、技術立国ニッポンももはやこれまでか、と寂しい思いをしていたので、早速買い求めて読んだ。

落ちるのは確かに、原因がある。日本人技術者のミスである。さて、そのミスはどうして起るのか──。
切りつめられた予算・日程、官僚天下り先として位置づけられてしまった宇宙航空研究開発機構(JAXA)という組織そのもののが抱える問題、何ら計画の専門的詳細を理解できない政治家の問題、製造を請け負う民間メーカーの問題……。
ふむふむ、そういう問題があの結果を生んだのか。しかし、まてよ。この構造は大抵の組織の抱えている問題に多少なりとも類似した構造があるぞ。と思った次第。

「新企画準備室」を立ち上げるものの、予算も日程も絞りに絞られている。室長は、まったく別の事業部から権力闘争に敗れて回された覇気のない団塊の世代のおっさんで、ドタバタしつつもようやく1年かけて、現場で新商品について研究の成果が出ようかという時に、その室長のおっさんの派閥の若い奴が遅れて飛ばされてやってきて、今までその「準備室」の中心で活躍していたヤツが、基幹事業部へ戻っていってしまう。なんとか出来たプロジェクト原案の詳細を役員たちは理解できるはずもなく、受注先もそのプロジェクトに必要な新しい技術を先行投資して獲得しているはずもなく……。
日本人そのものが抱える構造的問題ではないか!

本書を読んで「宇宙開発=ネクタイ」という言い回しが、斯界でなされていることをはじめて知った。上手い表現だ。ネクタイ着用を義務づけられた高級クラブ。先進国という高級クラブに仲間入りするには、宇宙開発してないといけないというわけだ。

著者はオリジナリティ溢れる改革案を本書の中で提示しているが、私なんぞは、「背伸びしてまで、ネクタイしなくてもいいんじゃないの」と思った。
身も蓋もないが。

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先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集

2003/12/01 15:24

将棋自戦記の最高峰だっ!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

将棋指しの自戦記には、ピンからキリまで様々ある。
棋譜に「てにをは」を付けただけであるような某大家。自慢話ばかりの某九段。紙幅がひたすら枝葉の研究に費やされる某タイトルホルダー。とんがっているだけで、読ませる芸にまで至っていない某若手。
そうした中で、一線を画すのが、何人かいて、米長永世棋聖や内藤九段や谷川王位が、そうした達人だが、その中でも、希有な才能を有しているのが、本書の著者、先崎八段だ。
この人は、一流の棋士でありながら、「しゃべり」も、「文章」も、「博打」も、玄人の領域に達している。とりわけ、「文章」は将棋と同じく、一流といっていい。
その我らが先ちゃんが、悪手を指した時のくじけて溶けて消えてしまいそうな弱音や天才的なひらめきの一手を指した際の高らかな自慢を、縦横無尽に説明してくれる。将棋指し内面が、ここまでわかりやすく、心理描写たっぷりに描かれた自戦記は、そうはない。
痛恨の読みの抜け落ちによる天国から地獄の一瞬の棋士の内部、苦しいとき、優勢なとき、それぞれの相手棋士の表情から読みとれること、長考の理由、相手棋士の棋風を前提にした挑発の意味……こうしたことを瑞々しく、生き生きと伝えてくれる。
説明不能の「筋の一手」もあえて、説明不能と説明し、将棋の奥深さを、読者に伝えてもいる。
勿論、快勝譜だけでなく、完敗譜も、惜敗譜も、辛勝譜も載せている。

本書は、一人の青年が、人間らしい苦悩を抱えたまま、屹立する崖を艱難辛苦を身に心に負いつつ、それでも懸命によじ登っていくかのような……、そう、一流の文芸作品でもあるのだ。

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思考力・発想力が身につく良問厳選数学パズル

2002/08/20 18:47

得難きものは「思考力」と「発想力」

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そりゃ私も子供の頃は「神童」などと呼ばれて、ちったあ名の通った難関中学に合格しましたよ。まあそこでも、それほど落ちこぼれることなく、高校に内部進学し、大学だって、日本では超難関といわれている某国立大学に入学しましたよ。
そこまででした。私の快進撃も。
結局、私の受験人生なんてのは問題とその解法を脳から煙が出るくらい、覚え込んで、パブロフの犬ばりに条件反射で答えてきたようなものだったんです。
実際、大学でいい論文を書いたり、新しい視点でゼミで発表することが出来るのは、そんな暗記だけで対応せずとも、「自前の思考力とか発想力」で自力で入試をかいくぐって来た奴らだけなんです。
そういった本当に知恵のある奴らを見てしまうと大学院には行けません、恥ずかしくて。
で、一般企業に入ったのですが、これも入社試験のパターンを覚え込み、あらゆる面接パターンをシミュレーションして、某民放テレビ局へ。かれこれ10年ディレクターのようなことをやってますが、完全に悟りました。結局、「自前の思考力とか発想力」がないと、社会人でも通用しないということが。大学名なんて関係ないんです。W大とかK大だってのけぞるぐらいいいアイディアの奴がいる。

で、私は、神童時代の甘い思い出に浸ろうと、本書を手に取ったわけです。しかし、私はもうあの頃の私ではありません。脳味噌に刻み込んだ膨大な数学の解法は、さすがに25年が過ぎて雲散霧消しています。ですから、この解法パターン暗記野郎に過ぎなかったこの私が「自前の思考力とか発想力」で勝負するしかないのです。
私にそれがあるのかないのか。なければ鍛えられるのか!
今、意外に大きな人生のやり直しの岐路にいたりするのです、私は。

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月夜に遊ぶ天使たち

2003/12/05 15:20

大切なこと

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この本は、紫外線に当ることのできない難病の子供を抱えた親の奮戦記、にとどまるものではない。
子供への愛、躾、教育、親のあるべき姿、父親論……、すべての親に関わる本質的な問題が、この本には詰め込まれている。
ややエキセントリックなこの著者の言っていることは、やさしい言葉で書かれてはいるものの、いずれも、頭を垂れて拝聴する価値のある大切なことばかりである。
また、この著者が、育てつつある、双子の男の子、とその妹はいずれも、真っ直ぐに、正しく、育っている。その姿が心を打つ。

判明してからは避けてはいても、病気に気付く前に浴びてしまった紫外線は、子供達にソバカス様のシミを残している。この本に多数掲載されている写真で見る限りは、それほど気になるようなものではない。しかし、子供は残酷である。
スーパーで、よその子が、著者の子の顔を見て、「おまえのかお、きたない」と連呼するのだ。それに対して、彼は、にこにこと笑顔でその残酷な言葉を跳ね返し続ける。
イトーヨーカドーでは、別の見知らぬ子供が、にこにこと笑いかけていた著者の子の顔をやおら、たたく。彼はにこにこと笑顔で反撃する。「こいつ、おもしれえ」と子供は彼をふたたび、たたく。目に涙をためつつも、彼は笑顔を堅持する。みたびたたかれて、彼は、ついに泣いてしまう。著者をその一部始終を介入することなく、見守り、最後に泣いてしまった我が子を、じっと抱きしめる。

著者の子たちは、昼間に外に出られない。夜に外で遊ぶ。同世代の子と遭遇することはめったにない。だから、こうした屋内で同世代の子供と遭遇すると、無条件に嬉しいのだ。友達になりたいのだ。親はそれを知っている。知っているから耐えるのだ。子供なりの残酷な社会が厳然と存在し、どうあがいても、我が子はその世界に飛び込んでいかざるをえない。そこで、手を貸してはならないのだ。子は、子として、外でも生きて行かねばならない。それは難病を背負っていても、変わらぬ真実だ。

この親子の一挙一動はすべてがそうした示唆と教訓と慈愛に満ちている。
子を持つ者は、すべて、是非とも、この本を読んでほしい。

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コンピュータは名人を超えられるか

2002/12/13 22:45

はっきりいって、天才中の天才中の天才だぜ

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 チェスの如き、場合分けの少ないゲームがコンピュータに敗北するのは、感覚として分かる。しかし、将棋という世界に冠たるあの複雑にして融通無碍なる可能性を秘めたゲームが、コンピュータ如きに負けるものか……そう信じたいのである。
 将棋のプロというものをご存じか。
 全国に、天才児というものはある。将棋の駒の動かし方を覚えて1年で、アマチュア2段になり、その後2年で、4段、5段になったという天才児である。彼は小学生である。アマチュアの4段といえば、詰将棋なら十一手詰めの難問を数十秒で解いてしまう天才である。将棋を覚えて数年でそこまでいくのは一つの都道府県で一人いるかいないかの数である。その天才児たちがプロ棋士を目指して、奨励会というところを受験しに集まる。
 四十数名の天才児たちが一同に会して将棋を指す。そこで圧倒的な成績を残した数名が奨励会への入会を許される。数にして数名である。天才児中の天才児である。その彼は6級から始めて、先輩奨励会員たちと月に2回ある例会で対局し、9勝2敗などの恐るべき成績を残した時のみ、5級に昇級できる。そうこうして3段になるのである。奨励会3段は天才児中の天才児のこれまた一握りの天才である。ある奨励会員が、将棋の世界での先行きの不安を覚えて、受験勉強も平行してやったら、簡単に東大に通ったという話もある。その3段になった彼らが数十名での半年にわたるリーグ戦を戦って、優勝者と準優勝者のみが、4段になれるのである。それがプロである。めちゃくちゃ、強いのである。
 三十一手詰の詰め将棋ならひとにらみで解ける超能力者なのである。
「こうして、ああされて、こうして」というような牛歩の読みではなく、頭の中の将棋盤の駒が自動的にカタカタと何十手先までも勝手に動いていくような頭脳を彼らは持っているのだ。そういった直線的な頭脳だけでなく、局面を絵画的にとらえる大局観というものもプロ棋士には備わっている。大局観というものは駒の損得や自玉の守りの堅さだけで数値化できる概念ではない。人間対人間という泥臭い勝武術もそこにはあるのだ。
 所詮二進法に過ぎないコンピュータ如きが、この人智を超えた天才たちに勝てるはずがない。
 著者の飯田弘之氏はプロ棋士である。プロ棋士活動を休止して、コンピュータのゲーム理論を研究している学者でもある。凡百の書き手とはもの違う天才なのである。
 だからこそ、本書には注目せざるを得なかった。
 数年前まで、アマチュア初段位の棋力だったコンピュータソフトが、年を経るごとに実力を上げているという。いまの将棋のコンピュータソフトはアマチュアの4段はあるというのだ。この間の開発者たちの新しいアルゴリズムの発想の競争は、本書を読めば、「ああ、ここにも天才たちがいたのだ」と胸を打つ感動がある。
 天才中の天才がしのぎを削って、王将や棋聖や棋王や王座といったタイトルを争い、チャンピオンとして君臨する。その中でも、竜王と並んで、価値が高いタイトルが「名人」である。その名人にコンピュータが勝てるのか? 本書を読んで愕然とした。
 飯田氏はいたってクールに論述している。
 私などは、決して信じたくない結果を。

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さびしいまる、くるしいまる。

2003/04/04 21:01

普遍に到達するということ

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本書は、希有な「自分探し」の書である。
通常、「自分探し」は、人様に読ませるものではなく(日記や親友との会話でなされるものに過ぎない)、そういった類のものは、版元の編集者のレベルでボツになる。それが、活字としてリリースされることを許されるというのは、青臭い言い方をすれば「普遍的な何かに到達している」とされる場合のみだ。
中村うさぎは自分が分からないという。巨額の借金を出版社各社に頼み込んで、その金は、意中の美貌のホストの店内売り上げランキングを伸ばすためだけに、ただひたすら、注ぎ込む。公共料金の支払いすらままならぬ状況にもかかわらずだ。
「馬鹿なことをしている」
のは百も承知なのだ。その彼の屈託のない笑顔を見たいが為に、一晩で百万円を使い切るのだ。その一本十万も二十万もする酒は、中村が飲むのではない。ホストたちが飲むのである。
この状況から、彼女は、その行為がどういう意味を持つのか、突き詰めていく。そこに狂おしい、メロディーが流れる。
ブランド物を取り憑かれたように買い漁る行為も、ホストに破滅的に金を次ぎ注ぐ行為も、それらは彼女を救済する、切実な行為なのだ。
──美人に生まれたかった。
この一点が彼女の原点なのだという。それが全ての原動力だという。この悲しみは、ほとんどの女性に通底する感覚なのかもしれない。この悲しみを埋めるために女性たちは、男性を凌駕する職業人となり、あるいは流行を追い、あるいは教養を身につけ、あるいは子を生み育てるのかもしれない。
その根元的なトラウマを奇妙な方策で彼女は乗り越えようとした。
その方策には普遍性はないが、その悲しみには普遍性がある。
瑕疵はある、細かな歪みはある。しかし、凄い作品だと評さざるを得ない。

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誰も書かなかった日本医師会

2003/12/19 00:14

圧力団体「日本医師会」の闘いの日々が的確に分かるのだけれど……。

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労作であることには間違いない。
医者の団体である日本医師会が、なぜ「圧力団体」のように表現されるのか。なせ医療制度に関する官僚の決定を跳ね返すほどの力を備えているのか。こうした不思議な現象を歴史的に遡って、教えてくれるのが本書である。
不平等税制の極みであった医師優遇税制の問題、保険医療成立の問題、医薬分業が進まぬ根本問題、厚生省管轄の悪法「制限医療」撤廃の問題……。戦後の日本の医療行政が乗り越えなければならない問題は数多くあった。それらのひとつひとつを「日本医師会」は解決していくのであるが、敵は常に「厚生省」という役人である。「人道的見地」に立って、医師会は突き進む。役人はぬえのように巧妙に、医療を官僚の支配下から逃さぬように動く。医師会は自民党の大物代議士を巻き込み、場外乱闘に持ち込む。しかし、高度に専門的な行政問題ゆえ、代議士たちは、いい返事を返すだけで、一向に事態は前に進まない……。これが医師会の戦後半世紀に及ぶ闘いの概略だ。
医師会は、正しい医療の抵抗となっていた悪法を撤廃させもした。しかし、医師会の会員である医師たちの多くが「欲張り村の村長」であるという恥部を抱えたままの圧力団体という側面もぬぐい去りがたく露呈し続けた。
国が医師会の言うことを素直に受け取れば、「保険の点数を上げましょう、患者の負担額を増やしましょう、医師から税金を取るのは控えましょう」ということになるだろう。そして、医師会は五十年かけてそれを実現した。かくして、医師は金持ちになった。しかし、その金は、夫人のミンクのコートに化けるだけだ。
もうそこまで来ている、少子老人社会における医療費高騰の問題、これを我利我利亡者の見地からでなく、大所高所から、医師会・与党・官僚が一体となって解決しなければ、保険制度は完全に崩壊する。
そんな流れをおさらいすることができた。簡便におさらいはできたが、医療制度の今後の展望や高齢者社会に向けての抜本的改革案、保険医療逼迫という現状を招いた真犯人追及……そうした「あと一歩」を読みたかった。
また、この著者の文章は、正直、いただけない。

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