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カルバドスさんのレビュー一覧

投稿者:カルバドス

446 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本監督不行届

2005/04/21 14:04

日本一のオタク夫婦に決定!

19人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

安野モヨコといえば、大人気の女性漫画家だ。マンガに登場するキャラクター達同様に、本人もスマートでスタイリッシュ。そんな彼女が何を思ったか結婚相手に選んだのは、オタク文化の代名詞ともいえる、あの大ヒットアニメ『エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明だった。発表された時は、世のオタク達誰もが驚愕したものだ。もちろん、安野モヨコファンも驚いたことだろう。本書は、彼らの結婚生活体験談。
夫である庵野監督(作中では監督クン)は、自他共に認めるオタク族。特撮ヒーローモノを見るためだけに日曜日でも早朝に起き、精緻なフィギュアが魅力の食玩にはまり(もちろん大人買い=ボックス買い)、愛車の車中で聴くのは特撮&アニメ音楽で、特撮やアニメの作品に一家言を持っている。作中で安野モヨコ自身が「私はオタクだった」とカミングアウトしているが、それでも庵野監督の足元には遠く及ばないはず。果たしてどのような結婚生活を送っているのか、興味が湧かないはずがない。
典型的なオタクである庵野監督の姿を知っている人間にとっては「監督はこんなにカワイクないよ〜」となるだろうが、ソコはソレ、恋は盲目というか何というか、全ては愛情のなせる技である。ウン、とりあえず、奥様からの主観イメージについては何も言うまい。
こんな感じかなとの予想はあったが、やはり二人の結婚生活は一筋縄ではいかないようだ。庵野監督の“オタク中心生活”に、ロンパースこと安野モヨコは振り回されっぱなし。それでもブチ切れず、また相手のことを思いやってしまうのは、彼女の性格が良いからに他ならない。いや、ココでも愛情が一番に物を言っているのか?
一言で言ってしまえば“おのろけマンガ”なのだが、庵野監督と安野モヨコの考え方のギャップが面白く、のろけられているようには感じない。「こんな夫婦も面白そうだなあ」そう思って笑ってしまおう。

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紙の本

失笑?爆笑!のだめワールド大爆発!!

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 目次の次のページでシュトレーゼマン(ミルヒ)が宣誓している通り、1巻〜13巻までのキャラクター総出演!台詞の無い人物まで網羅している徹底ぶりは、カバー折り返しにある「キャラの辞書ができたみたい」との作者の言葉にも表されている。“キャラクターBook”という名称に偽り無しだ。
 各キャラクター紹介も見事だが、ところどころに顔を出すおまけマンガも面白い。どのマンガも本編に負けず劣らず(特に爆笑という意味で)の内容なのだ。中には再々収録というものもあるものの、何度読み返しても面白いのが『のだめカンタービレ』という作品。おまけだって同様である。
『のだめ〜』がクラシック音楽を扱ったマンガだということを再認識するページもある。それは“のだめ的 クラシック音楽入門”の章。クラシックの歴史やらオーケストラの編成やら、「クラシック音楽というのは……」なんてちょっと語ってみたくなるくらい親切に分かりやすく説明してくれている。『のだめカンタービレ セレクションCDブック』を購入して何度も聴いているというのに未だに堅苦しさを感じてしまう自分にとっては、本当にありがたい。
 どのページをめくっても面白い本書。中でも「買った価値アリ!」と個人的に絶賛してしまったのが“のだめ語活用テキスト”の章。基本の「ぎゃぼー」から「ブキィー!!」などのレアなもの、更にはパリで誕生した「むフォォ」なんてものまで収録。実際に使えるかどうかは別として、奇妙なのだめ語にはやはり笑ってしまうのだった。

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紙の本

どの菌が有益でどの菌が有害か、肉眼で見えて声も聞こえれば一目瞭然!

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

普通ならば目に見えない小ささの“菌”を見ることができるなんて、なんと面白そうなのだろう。まずはこの主人公の特異体質に惹かれ、続いて絵柄に惹かれ、更にストーリーに惹かれ、連載1話目からすっかりファンになってしまった。
当初は『東京農大物語』として始まり、数話目に現在の題名である『もやしもん』となった。“もやしもん”とはまた聞き慣れない言葉だが、主人公の実家が麹屋でその通称が“もやしや”とくれば、自ずと分かるだろう。
物語は、主人公とその幼馴染みが大学入学のため上京するところから始まる。その特異体質のおかげで初日から騒動に巻き込まれ、なし崩し的にとあるゼミに身を寄せることになる。イヌイットの保存食や韓国のエイ料理など、鼻がひん曲がりそうなクサ〜イ食べ物が次々に顔を出し、まるで本のこちら側にまで臭ってきそうな錯覚に襲われることもしばしば。次々に貧乏くじを引く主人公には、慰めの言葉が見つからない。
登場する菌は、善玉菌の代表格のようなビフィズス菌から恐怖のO−157まで様々。主人公の目に見える際のイラストがなかなか可愛らしいので、O−157や白癬菌にすら親近感を抱きそうになってしまう。もっとも、それらの発する言葉はかなりブラックなので、好きになることはないが。
日々の生活では多くの菌に助けられていながら、我々は菌のことを積極的には知ろうとしない。本書には度々醸すシーンが登場し、その際分かりやすい解説も付いているので、どれほどお世話になっているのか、その一端を知ることができる。愉快なストーリーを楽しみながら菌の勉強もでき、一石二鳥かも。

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紙の本

紙の本KATANA長船三姉妹

2012/01/26 11:10

人が刀を狂わせる

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 たまに無性に眺めたくなり、図書館や本屋に駆け込んで夢中になってページをめくることがある。刀剣だ。光はおろか心まで反射しそうな輝きは、かつて何人もの血を吸ってきたとは思えないほど美しい。
 そんな刀に心を奪われた、というより刀達が心を許す存在が、このシリーズの主人公。この巻でもいつものごとく、刀がらみの騒動に巻き込まれる。

 実は、それまではコンスタントに新刊が出ていたのが、ここしばらくは音沙汰がなかった。作者の近況報告によると、1年間休んでいて、復帰後にぶんか社から角川書店に移ったとのこと。これまで多くの尻切れトンボを見てきただけに、どんなに心配だったことか。しかし、またこうして新しい物語に触れられた。これほど嬉しいことはない。

 さて、表題にもなっているように、「長船三姉妹」というエピソードがこの巻の目玉。名刀の産地と言っても過言ではない備前長船の地に生きる現代の刀工親子を描いており、不変的で普遍的なテーマである「親の心と子の心」や「家族愛」に、知らず気持ちが温かくなる。
 これはこれで非常に良い話なのだが、同時収録の一つ「裳の黒」も、表題にしたいくらいの傑作である。こちらは家族愛とは正反対に位置する、醜い欲望と恨みの物語。おどろおどろしく、暗く重い内容だ。同じように不思議な事象を扱った作品、『百鬼夜行抄』に似た雰囲気と言えば、ホラーマンガが好きな方には分かりやすいだろうか。摸造刀すら持っていないのに、なぜか「あの刀は大丈夫だろうか……?」と心配になってしまった。人の思いが刀を狂わせ、狂った刀が人を狂わせ……強烈すぎる思いは、人も物も関係なく怖い。

 ともあれ、復帰後初となる『KATANA』シリーズの単行本。
 今宵もまた名刀に魅了されて欲しい。

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紙の本

原作が綾辻行人の本格ミステリマンガ。下巻を早く読みたい!

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

幼い頃に父を亡くし、今、母を亡くした女子高生。これで天涯孤独と嘆く彼女の前に、祖父を名乗る資産家が現れた。遺産の相続人としてよりも、突然現れた肉親に会いたい一心で、彼女は地元沖縄から北海道へと飛ぶ。そして、祖父から指定された特別寝台列車「幻夜」に乗り込むのだった。
ミステリ好きにはたまらない、謎めいたオープニングである。謎の資産家、軌道を走る乗り物を徹底的に拒絶していた母親、幻夜に招かれた一癖も二癖もありそうな乗客達……登場人物達も魅力的だ。
それもそのはずである。本書の原作は、“館”シリーズや“囁き”シリーズなどの新本格ミステリでお馴染みの綾辻行人なのだから。新作を発表するたびに我々に新しい驚きをごちそうしてくれる彼だけに、今後の展開にも期待がもてる。
作画を担当したのが佐々木倫子というのも嬉しい。全体的に白っぽい印象はあるが、人物の表情や濃淡の付け方が上手く、とても読みやすい。『動物のお医者さん』の頃はまだまだいわゆる少女マンガ風だった絵も、『おたんこナース』や『Heaven?』では男性読者も違和感なく読める絵に変わっている。女性が描いているからと敬遠していた向きにも、馴染めるはずだ。
尚、原作者が綾辻行人だからといって、“月館”を“げっかん”や“つきやかた”と読んではいけない。“つきだて”である。

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紙の本

こんなにもたくさんのモビルスーツを見続けられる幸せ

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 新たなガンダムシリーズが放映されるたび、登場する機体を解説したビジュアルブック等を購入してしまう。これはもう習性と言おうか義務と言おうか、ファーストガンダムをリアルタイムで体験して以来染み込んでしまった角張ったメカに対する憧れのようなもので、ページをめくると次から次へとモビルスーツが現れる嬉しさといったら!
 ところが、これだけでは飽き足らないのが困りもの。それぞれのシリーズだけではなく、これまでに登場した全てのメカを一度に見られれば、などと思ってしまう。するとその思いが通じたかのように、うまい具合に大全集のような本が出版されるのだ。果たして、これまでに何冊の大全集が発売されたのだろう。
 さて、本書もその名の通りの大全集。初代ガンダムから最新のシリーズまでに登場した全てのモビルスーツやモビルアーマーが網羅されているのだ。しかも、テレビアニメや映画、オリジナルビデオといった映像作品のものだけではなく、最近のゲームやコミック、雑誌に登場する機体までもが収録されているのだ。
 カラーページで独特の色や光沢を堪能し、後半の設定画ページで各機体の解説をじっくり読む。このように隅から隅まで楽しんでいるとあっという間に時間が過ぎてしまうのが玉に瑕か。しかしながら、私のように大全集と聞くといてもたってもいられなくなる人は言うに及ばず、これまであまり関心がなかった人にも、上記のような理由からオススメである。

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紙の本

“心は美少女”のロボットが主人公。笑えるのに悲しいSFファンタジーです。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 石油エネルギーの枯渇危惧は、前世紀から叫ばれていたこと。それが現実となったら、我々は暮らしていけるのだろうか。その時までには、代替エネルギーでまかなえるようになっているのだろうか。
 実は、外燃機関というものは、なかなかに使い勝手の良いものである。本書の主人公ロボット達の蒸気機関(外部からの熱で水を温め、発生した水蒸気でピストンやタービンを動かす)が、その代表格。欠点は出力に比例するように装置が巨大になり、また、効率がさほど良くないところ。だが、決められた燃料を必要としないため、単純に水と燃える物があれば動くのだ。
 本書の主人公は美少女ロボット姉妹で、前述したように蒸気機関で動く……おっと、訂正しておかなければ。美少女と思いこんでいる妹と、自分も妹もロボットであることを自覚している姉だと。姉は小柄で人間に近いが、妹は巨大で、それこそ鉄人28号のような姿。純真無垢な妹と世間一般の常識を理解している姉、そこにコソ泥(人間の男性)が加わった3人で、石油エネルギーが枯渇した世界を旅する物語だ。
 妹は信じている。自分は悪い魔法使いに姿を変えられてしまったのだと。やがて人間に戻れると。巨大でいかにもな姿形でありながら、妹は少女の心を持っている。花飾りを作り、ウサギを愛でる巨大ロボット……そのギャップは可笑しくもあるが、信じているが故の悲しさも漂う。
 いつか人間になりたい、そう願って叶ったのは、木製人形のピノキオだった。荒野を行く蒸気娘達にも、ハッピーエンドは訪れるのだろうか。

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紙の本

新シリーズでも宗像教授の推理は冴えまくり!

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 古代に思いを馳せるという行為は、気持ちを落ち着かせてくれる。様々な遺跡や出土品などから推測したり、それらを見ながら生活風景を想像していると、現代社会の煩わしさからほんの一時ではあるが解放されるのだ。だから、フィールドワークを繰り返しながら推理を展開する宗像教授に憧れてしまう。もちろん、食べていくための仕事となると苦労は多いだろうが、それでもやはり魅力的な仕事であることに違いはない。
 宗像教授の新シリーズの最初を飾るのは、“いたこ”である。青森県は恐山にて行われる“口寄せ”という儀式が有名なので、彼女達の存在をご存知の方も多いだろう。物語では、この“いたこ”と遮光器土偶を絡めている。宇宙人や古代の支配者、あるいは単なる女性像とも言われる独特の形状をした土偶。共に神秘的な“いたこ”と土偶が交わる点は何なのか、キッパリとしていながらも宗像教授の推理は温かい。
 同時収録作品には前シリーズからお馴染みのライバル(その妹も)も登場し、歴史の推理合戦も楽しめる。現在まで残された当時の数少ない証拠品から、どのように推し量ればよいのか、毎度のことながら、宗像教授の論はロマンを感じさせながら的を射ている。当時の様々な状況を考慮することがいかに重要かが分かるというものだ。
 宗像教授が仏教団体のオブザーバーとして招かれ、インドを旅する話も収録されている。“袈裟”の名の由来や当時の思想等も分かりやすく解説されていて、旅行に参加している多くの生臭坊主達の会話を聞いていると、思わず彼らのことを笑ってしまいそうになる。「あんた達は、仏教のぶの字も分かっちゃいないよ」と。訪れた先の洞窟の中で、宗像教授は不思議な体験をする。人間とは何か、運命とは何か。そのスケールの大きさに、読後もしばらく余韻が消えなかった。

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紙の本

宗像教授シリーズに強力なライバル出現!その名は忌部神奈!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「○○神話」の○の中に思い浮かんだ文字を入れるとしたら、あなたはどんな文字を書き込むだろう?ギリシャ?ケルト?もしかしたら暗黒、もしくはクトゥルー?いずれにせよ、海外の地名等を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。しかし、我が日本にも神話はある。記紀(古事記と日本書紀)はその代表格だ。そもそもが日本は八百万の神々が住まう国、日本各地全国に数々の神話が残っているのである。
 本書の作者は星野之宣。そしてテーマは神話(古代史など)。とくれば、思い浮かぶのは宗像教授だろうが、さにあらず。本書の主人公は女性である。その名は忌部神奈、女性史研究家の忌部神奈が、宗像教授ばりの活躍を見せるのだ。
 宗像教授の一連のシリーズをご存知の方ならば、本書が単なる歴史解説マンガではないことは想像に難くないはず。そう、本書もまた歴史をひもときながら、切ない人間模様を紡いでいるのだ。特に本書では女性にまつわる話が多いためか、宗像教授シリーズよりも悲しい話が多い。悲しいが美しい話だ。
 宗像教授は高橋英樹主演でドラマ化された。他の2時間ドラマと同じような安易な内容に脚色されてしまったのは残念だが、教授の人柄や原作の雰囲気はそこそこ上手く再現されていた。この忌部神奈シリーズも映像化に耐えられる……いや、超常現象的なエピソードが少ない分、宗像教授シリーズよりも原作そのままに映像化しやすいだろう。二十代後半から三十代後半で、ちょっときつめの顔立ちで、姉御肌の演技が似合う女優さん……う〜ん、そう簡単には思い浮かばないなあ。でも、どうにかピッタリの方を見付けて、是非ともドラマか映画に仕上げて欲しいものだ。

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紙の本

紙の本永遠のガンダム語録

2006/03/29 16:13

ガンダムファンなら真似したことありますよね?このセリフ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「親父にだってぶたれたことないのに!」
「ザクとは違うのだよ、ザクとは」
「坊やだからさ」
 ファンの間では“ファースト”と呼ばれる『機動戦士ガンダム』には、数々の名言が存在する。上記のようにその時のキャラクターの心情がストレートに表れた台詞の他にも、若き艦長ブライトが戦闘シーンで必ずと言っていいほど口にする「弾幕薄いぞ!」なんてのもある。実生活で使うことはほとんど無いのに、なぜか強く心に残っている言葉の数々。それだけこの『ガンダム』という作品が我々に与えた影響が大きかったということだろう。
 本書に収録されている数々の名言は、『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』というテレビ版3作品と『逆襲のシャア』という劇場版1作品から選ばれている。『Z』も『ZZ』も『逆襲の〜』も何度も見ているが、心に残っている台詞というのは少ない。直球ど真ん中の初代ガンダム世代である私には、やはり『機動戦士ガンダム』のアムロやシャアの言葉が印象深い。
 この本の面白いところは、ライター達の感想も交えながら、それぞれの台詞に理由付けしているところだ。初めての地球で雷に驚くハモンが、内縁の夫ランバ・ラルに心配そうに身を寄せつつ呟いた「あなた」という台詞。幼い日にこのシーンを見たライターは、“あなた”という呼び方に大人の世界を感じたという。ホームドラマなどでやはり妻が夫を“あなた”と呼ぶのを聞いた時、かつて幼かった私もこのライターと同じような気持ちになったことがあったことを思い出し、なるほどと思ってしまった。150もの台詞が選ばれているのだ。共感できる文章を見付けられる人は多いだろう。
 一つ一つの台詞を読むうちに、それぞれのシーンが色鮮やかに甦ってくる。それだけではなく、その時の自分がどんな気持ちで見ていたのかも。
 ガンダムシリーズを愛する人々、とりわけファーストに熱中したファンにとっては、バイブルにも等しい一冊である(ちょっと大袈裟かな?)。

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紙の本

もはや“自虐ネタの女王”の貫禄すら……それでいいのか伊藤理佐?

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 伊藤理佐さん……どうしてここまで汚れ役に徹するのですか?
 思わず問いかけたくなってしまう。実際にお会いしたこともなければ、正面からしっかりと拝見したこともないけれど、私の中での伊藤理佐像は、なかなかの器量よしである(“美人”ではないところがミソ)。なのに、ナゼ……
 彼女の自虐ネタは、アキバ系オタクの自虐ネタとも通じるところがある。我慢すべきことを我慢できず、ついつい欲望に忠実に動いてしまう。で、自己嫌悪……もしくは開き直り。気になるモノ、欲望の対象が違うだけで、パターンは一緒である。しかも、自虐に酔っているフシがある。本書の『女いっぴき猫ふたり』という題名が、その証である。
 猫という単語に惹かれて本書を手に取ろうかと迷っている方に、果たしてこの本を「2匹の猫と飼い主の話なんですよ」と紹介して良いものだろうか。2匹の猫は間違いなく出てくる。爪切りの苦労や変わった習性など、猫にまつわるエピソードも多い。『おるちゅばんエビちゅ』の作者が描いているだけあって、面白い話が多い。しかし……し・か・し、「猫の話ですよ」とはススメにくい。猫にまつわる面白い話満載なのだが、あくまで“伊藤理佐”の本だからである。伊藤理佐が体験したことだから面白く、伊藤理佐が自分のことを語っているから面白く、伊藤理佐が描いているから面白いのだ。そこのところ、ご注意を。
 それにしても、やはり考えてしまうのが、「なぜ、自虐ネタばかりなのだろう?」ということ。これまでに発売されている彼女のエッセイマンガも、そのほとんどが自虐ネタ満載である。嬉しかったこととか、楽しかったこととか、たまには素直に喜んでいる姿も見てみたい。

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紙の本

これを健気と言わずして何と言う!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 最近は特に聞かなくなった言葉、自分でも口にすることが少なくなった言葉、けれども心にジーンとくるものがある言葉、それが“健気(けなげ)”だ。年端もいかない女の子が、不遇に身を置きながらも懸命に生きようとする姿……カ〜ッ、泣けてくらぁね!これを健気と言わずしてどうするってんだ!
 主人公のびんちょうタンは、その名の通り備長炭を擬人化した少女。両親はなく、山奥の一軒家にたった一人で住んでいる。生活していくためには幼いながらも仕事をしなければならず、街の中央役場に行っては、炊事や掃除といった仕事を斡旋してもらっている。大抵の斡旋先では好評を得るのだが、時にはあぶれてしまうこともあり、そんなときは独り途方に暮れるのだ。
 びんちょうタンの他にも、ちくタン(竹炭)やれんタン(練炭)、くぬぎタン(クヌギ炭)といった少女が登場する。それぞれびんちょうタンとは違った境遇で、ところどころで絡み合うストーリーが面白い。また、備長炭の豆知識や利用法、クロスワードパズルなどもあり、本編とは直接関係ない部分も凝っている。
 前述したように、びんちょうタンには両親がいない。関係者といえば、仕事に使う備長炭などを援助してくれるウバメガ氏くらいなもの。このウバメガ氏から贈られたお菓子の誕生日プレゼントを見て、「おめでとうわたし・・・」と呟きつつパチパチと手を叩いたり、楽しそうにお遊戯をしている子供達を見た後、独りで「ただいま」と「おかえりなさい」を演じて無言になるなど、寂しさを感じていると思われるシーンがちらほら。カ〜ッ、やっぱり泣けてくらぁね!なんて健気なんだコンチクショウ!
 昭和初期のような、それでいて近代化しているような、ノスタルジックな雰囲気の中で紡がれる、ゆったりとしたストーリー。キーワードは“健気”と“清貧”と“無邪気”。この三つが物語の根幹にあるように思う。どれも、現代人が忘れかけているモノばかりだ。びんちょうタン達と共に、ゆっくりと思い出していきたい。

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紙の本

紙の本オバケヤシキ

2005/09/27 14:56

オバケヤシキで涼しくなりたいなあ……アレ?

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 “オバケヤシキ”という単語を見聞きすると、ドキドキワクワクしてしまう。小さい頃は遊園地に行っても、お化け屋敷の看板を目にしただけでグルッと遠回りしていたのに、いつの頃からか、進んでお化け屋敷を探すようになってしまった。何年か前から劇団員らがオバケ役を務める本格的なアトラクションが人気を集めるようになり、機械仕掛けのマネキンやスポンジの床等で驚かす旧型のモノは、すっかり影が薄くなってしまった。
 だが、本書の中では、そうした旧型だってまだまだ現役。高層ビルに囲まれた古びた一軒家や血生臭い噂の中心にある洋館などと共に、頑張っているのだ。はやく我々のような獲物が来ないかと……。
 不思議な話ばかりを集めたアンソロジーの今回のテーマは、書名を見れば分かるように“オバケヤシキ”である。遊園地や祭りでお馴染みの“お化け屋敷”の他に、家の記憶を人に見せる一軒家や残酷な殺人が行われた家など、その種類は様々。ホラー作品では定評のある作家達が集められているだけに、短編ばかりといえども内容は濃い。また、一般公募で選ばれた作品も一編あり、これが水木しげる御大の雰囲気も感じられる傑作。面白くて不思議な、独特の味わいがあるのだ。
 発売された時期がちょうど猛暑続きの頃だったので、夏=怪談という“日本の夏”にピッタリだったはずなのだが……。背筋をゾーッとさせて涼む、というのが夏の怪談の楽しみなのだが、このところの気温の上昇にはとても対抗できなかった。本書に収録されている幾つもの恐怖をもってしても、涼しくはならなかったのだ。日本の夏、おそるべし!

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紙の本

紙の本黄泉路の犬

2005/09/20 17:06

あまりにも悲しい、ペット絡みの犯罪。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ペットが絡んだ犯罪というのは、どうしてこうも悲しいのだろう。言語を使用する会話は成り立たず、行動でしか自らを表せないペットに対し、人間は大概にして生殺与奪権を持っていると思い込む。だが、ペットの命はペットのものであり、人間がどうこうしてよいものではない。家族同然との考えを“人間と同じように”と勘違いするのもどうかと思うが、命あるものである以上、真剣に付き合わなければならない。
 新米刑事と女性刑事がコンビを組む第二弾は、窃盗と殺人とペットを取り巻く状況とが複雑に絡み合う。二人が足を踏み入れた現場の描写には、思わず目をそらしたくなってしまうだろう。何匹もの犬や猫が一カ所に閉じ込められ、ひどい怪我や病気もほったらかしで、更に、どうしようもない飢えから共食いまでしているというのだから。正視に耐えない惨状というのは、こうした状況を指すに違いない。
 一作目ではクールビューティーとの印象が強かった女性刑事の黒岩は、本書でも期待を裏切らずに格好イイ。今回はプライベートで少々特殊な状況に我が身をおくことになり、その際に見せる女性的な母性愛が男心をくすぐる。前作から引き続き登場する新米刑事の兄が、相変わらず彼女に恋し続けているというのも、十分に頷けるというものだ。
 ペットが絡んだ犯罪を描いた本編もさることながら、作者と愛犬の関係から現在のペット事情にまで言及しているあとがきも、不況の割には飽食の現代日本を象徴しているようで興味深い。徹頭徹尾“ペット”がテーマの、悲しいミステリである。

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紙の本

紙の本デーモン・アゲイン

2005/08/26 11:03

三話ともスペシャルな内容だが、バブリーズ復活が一番の目玉。彼らはやはりスゴイ!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 大抵は一つのパーティーの物語をまとめたリプレイだが、本書には三つのパーティーが登場する。秋田みやび、藤澤さなえ、清松みゆきの3人がそれぞれのGM(ゲームマスター)を務め、それぞれ違った物語を紡ぐ。“バブリーズ”に“へっぽこーず”に“ペラペラーず”と、今や人気シリーズとなったパーティーを抱えた3人。秋田と藤澤の今回のパーティーは特別編成だが、清松GMのもとには伝説になりつつあるバブリーズの面々が再集結。つまりは、三話全てが特別編ということだ。
 どの話も、雑誌掲載時からかなりの時間を経ている。もともとスペシャル版だっただけにキャンペーンシナリオ(何回かのプレイを必要とする長編)ではなく、それぞれの話だけでは本にならなかったからだ。こうして一冊の本にまとまったのは、ファンにとっては嬉しい限りである。
 三話のうちの前二つの作品は、どこかぎこちない。秋田と藤澤のGMとしての経験が少ないせいもあるが、プレイヤーに声優が混じっているなど、通常とはかなり勝手の違うプレイになっているからだ。それぞれのシリーズでプレイヤー達が初めてパーティーを組んだ時よりも、更にぎこちない。初心者ばかりのプレイにはよくある光景なので、TRPGをよく遊んでいる人にとっては微笑ましいだろう。
 最後の三話目、トリに控えているのが、バブリーズだ。海千山千のプレイヤー達に、こちらもベテランGMの清松。シリーズ中はルールを熟知した上での丁々発止のやりとりが展開され、それはまるで大劇場でベテラン役者達の即興劇を観ているようであった。久々に集まった面々がどのようなやりとりを見せたのか、それは読んでのお楽しみ。もちろん、損はさせません!

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