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maccさんのレビュー一覧

投稿者:macc

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本商人のこころ

2007/04/03 17:57

ビジネスマインド(商いごころ)は永遠

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の島倉嘉作氏は早稲田大学教育学部を卒業後、「鈴屋」で店長・営業本部長を歴任500億円企業の基盤を築いた。トップマネージメントとして、街開発構想・リゾート地開発に携わり、独立した経歴を持つ。「顧客を理解し、顧客に役立ち・理解される」をモットーにした「鈴屋」の創造主である。商人(あきんど)の心に立ち返りビジネスを成功させたハンドブックと言える。事例が、衣類・ファッションに偏っているが、著者の経歴よるもので、決して商品による切り口で著作されているわけではない。したがって、読み手も事例の品物に気を奪われないで、小売業の再生として読み込む必要がある。
記述の流れとしては、次のようである。
商売(あきない)には(気持ちの入れよう)「志」がたいへん重要である。⇒商人(あきんど)は「器量」を持つ必要がある。−読み替えると、(あきんど)は「器量」を持っていなければならない。⇒「あきない」の決め手となる「商人(あきんど)の心」とは?/「心」を取り戻す。やや表題(章の題目)と中身にずれがあるももの、「あきんど」の真髄は十分に伝わってくる良書である。内容としては、問題抽出⇒課題⇒あきんどの定義⇒将来展望・「あきない」の姿勢となっているので、題目を読み手なりに考えれば難なく読みこなせる。
− 騙し・まやかしのテクニックで顧客と接するので、所詮、小売店には信用を構築することができない」と言ってしまえば、読者として感じすぎか。しかし、当たらずとも遠からず、記述のように「半額セール」「店じまい」などの目くらまし商法には枚挙の暇が無い。苦しみは理解できるが、改善方法が分からず自業自得の状況、顧客との意思の疎通の無い状況がある。
− 一度つけた価格は変えない。(最初の価格決定が重要で、価格にコスト・付加価値など全ての要素が入った価格設定をしなければならないということになる。)歴史の浅い量販店手法や、問題なのはコストだけ下げたような、工夫の無い小手先の商法が、逆に現在の小売店業界を苦しめている。
− 買い物は楽しくなければならない。価格・タイミングと色々な要素があるが、女性の衣類では、他人と同じものを着たくない。売れ筋だけでは勝負にならず、品揃えも重要である。
− 商人(あきんど)は「器量」を持つことが重要である。
1. 商人(あきんど)としての資質かもしれないと著者は思っているようである。いわゆる、ビジネスセンスである。(学校では、学べない。転生かもしれない?)
2. 「ヨン様現象」をくだらないとするのか、ある年代の女性の先行き不安に対するはけ口が「憧れ」に変わったのか、ビジネスとして成立する内容か判断する現象を逃してはならない。
3. 顧客のサイン(不満・要望)を読み取り、売ることだけに終始しない。
4. 顧客(地域住民)は流動的で、受け身な商売では顧客の目線を確保することはできない。買い手を飽きさせないように、生きた情報を整理しなければならない。
− 小売業界が忘れた商人(あきんど)の心とは何か?
周辺の環境から整え、色々な買い物が楽しくできるように工夫が必要である。その上で、昔の近江商人のように「蚊帳を売るのではなく、涼を売る。」のように、まさしく文化を売るようなセンスが、小売業を一味変える。また、商売の軸を、「売り上げの確保」か「お客の利便」のどちらにおくか。常に、顧客が何を求めているか「追究」することで、価値の変化を呼び成功する商い(あきない)を生む。
小売業の魅力の「追求」である。

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組織力の維持開発の真の「気付き」の数々

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

トップが、核心からズレタ指摘(叱責)を繰り返す。組織力が構成員の力のなさに起因すると思い込む。セミナーや講習を受けさせれば、実力が向上し問題が解決する。成果主義の導入で構成員のモチベーションが上がる。等々、高度成長期においては、誰にでも分かりやすい目標があったが、現在のように、規制事業においては長期安定化に、新しい事業においては生き残りをかけるアイデア、ここの創造性が必要になる。冒頭に述べた、トップの多くの勘違いや、創造性の芽を摘む言動や、相手の足を引っ張ることに忙しくなる環境に問題があることに気付く。
普通、皆は変化に対して怯える。反発も生まれる。変化連続しても規則的であれば耐えられる。しかし、非連続なものには対処できない。新しいものを発想する力が組織としてないためであることに気付く。
組織のあるべき姿などないという正しい認識と、頼りすぎてしまっような強すぎる組織価値にならず、組織力の項目で必要性の取捨選択ができ、常にトップと構成員の一体化が重要であることに気付く。
トップの考え方を帰ることからはじめ、ぶれのない機軸の構成こそ構成員のモチベーションを構築し、将来の組織バリューを架設を以って、策定することができる。
危機感や発想されたプログラムのトップと構成員全員が共有し、共有できるまでは段階的な全身を許容し集団が烏合の衆と化さないように、トップはコントロールする。こうした役割こそ、トップの仕事であることに気付く。
実際の解決すべき問題に直面し、弱点・強みがより明確に分かり、最も重要とするトップに限らず「行動」に移すことの重要性に気付く。
一般的に対処方法が記載されており、2002年の著筆であるが、普遍的な内容から現在に十分通用し、著者の先見性に感服する。

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「知っていること」と「知るために考えること」には大きな違いがありそうです/ビジネスの教科(強化)書

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

基礎的な記憶を含めた知識は必要である。中学校、できれば高校2年生レベルの知識の蓄えは必要である。言わずもがなの前提となる。分散された、尻切れトンボの知識やデータを修正加工したり繋ぎ合わせたりすることで、使えるレベルのデータや分析が可能になるということ。このような工夫ができることを、ここでは「地頭力を鍛える」としている。

経験や知識は時間の経過とともに陳腐で形骸化したものになる。考える力と言い換えることもできるが、本書では関係各方面で激変が見られる昨今、必要不可欠な考える力でも「地頭(力)」とは『鍛えられた』考える(力)という印象が植え付けられた。経験のある方も多いと思うが、プレゼンテーションを客先で行い、質疑で説明以外の分析や説明を求められ、ひとつの答え方とは思うが「持ち帰って、お答えします。」と言った場面である。そこで、既成の情報を利用して大まかであっても現象の概念・数字が述べられたり分析の方法が言えたりすれば、詳細を後ほどの連絡するにしろ、聞き手のプレゼンテーション全体に対する印象が可也違うと思う。少なくとも、色々な場面で幾つかの適切な考え方ができ、少しは頼れると言う印象になるでしょう。地頭の概念と鍛える方法の説明書である。

経験や膨大な情報から、取捨選択し付加価値をもった情報を分析し、他者に伝達する。進歩した状態で進めるわけである。これには創造的な考える力が必要で、この機軸となる知的能力を「地頭力」としている。コンサルティングの世界ではよく使われる言葉であるが、普通言われる「頭がいい」とは少し違う。物知り・機転が利く・気が回ると言うのではなく、問題を考えて解くタイプである。未知の領域で考えることができる力となる。裏を返せば、落ち着きのないエキセントリックな印象の説明があったとするならば、それは聞き手が説明された内容をなかなか想像できない状況で、問題が解かれておらず、考え方・考える力が地頭力と呼べるまでになっていないと言うことになる。「地頭力」は考える力なので、形骸化・陳腐化しないわけである。

鍛えるための道具が紹介されている。「フェルミ推定」である。ノーベル賞受賞した物理学者、エンリコ・フェルミが大学の授業で荒唐無稽と思える課題を短時間に概数計算するという問題を学生に与えたことに由来する。「世界中のサッカーボールの数は?」「日本全国の電柱は何本あるか?」などが例として上げられ、アプローチの設定→モデル分解→計算実行→現実性の検証の手順で、「最初は見当もつかない」課題が、解きほぐされた感じがする。精度が高く、「地頭力」が鍛えられる。

ここで、もうひとつの前提として、問題解決には「知的好奇心」が基本としている。これは、当事者の意識、気持ちの話である。意思がなければ、何も変化しないので、当然と言えば当然である。「考える力」であるが、「論理思考力」と「直観力」の組み合わせがある。
1.「結論から考える」仮説思考力
 どんなに少なくても、今ある情報だけで可能性の高い仮説(結論)をもって、常に強い意識で仮説を最終目的地とし、情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ最終結論を得るような思考方法である。情報が少なすぎるという反論が多々生じるが、これは「完璧主義」による弊害に他ならず、未知との遭遇は不可能である。著者もこのような境遇を経験していることが見て取れる。
2.「全体から考える」フレームワーク思考力
 「全体俯瞰力」即ち、課題の全体像を高所から俯瞰し、捉えた全体像を適切に切り分け、断面を解析する思考である。人によって思考方法には癖があり、以前の経験などが邪魔をして、ゼロベースで思考しにくい。これを解消するのがフレームワーク思考の要点である。より高所からものを見て、全体像を捉え数学の因数分解のように状況を分解し、分解されたものを考えやすくする。
3.「単純に考える」抽象化思考力
 課題の最大の特徴を抽出し、「単純化」「モデル化」したもので、抽象レベルから一般解をもとめ、それを具体化していく思考法である。取り扱いが簡単な形態に置き換えていくのである。

最近では、「論理思考:ロジカルシンキング」が「考え方」とイコールのような流行が見受けられるが、創造的発想には倫理だけでは不十分で、「倫理思考力」+「知的好奇心」+「直観力」でなくてはならない。「地頭力」を動かすには「知的好奇心」が原動力として必要で、俗人的ではあるが鍛えることが可能な「直観力」で、センス良く纏め上げる力のことである。「何を」知っているかではなく、「なぜそうなるの」と好奇心を以って考えることにほかならない。コンサルタントの業務は、まず浅く広く全体を眺める必要がある。ものの流通と同じで、(頭の中で)思考に、現象と結果・作業の手順・時間経過が、全て含まれてなければならない。専門外・門外漢と割り切ればそこで思考の流れはなくなる。より高いパフォーマンスを望まれるご同系の皆様にはご一読願いたい書であります。

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感情豊かな生活がいい生活を保ち続ける

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者は、東京大学医学部を卒業し、付属大学精神科助手、アメリカのカール・メニンガー精神医学校国際フェローを経、国際医療福祉大学教授として活躍している。精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする精神科医である。「スケベ心」を失くしてしまうようだと、感情の老化が相当進んでいるらしい。インパクトがある。読者の掴みも上手い感じがする。「見た目」「体力」「知力」を普通考えるが、感情を司る前頭葉が仕事をしなくなることから始まるとしており、老年精神医学を専門とする著者が、若さを保つ、即ち、前頭葉を維持管理する生活習慣を、迷信を解きながら、理路整然、ある時は興味深く紹介している。感情を司る前頭葉の機能が衰えると、やる気がうせ「知力」に影響し、「体力」「見た目」へと悪影響が広がるわけである。40歳代からのケァーが必要とのことで、私こと、恥ずかしながら50歳を超えており、自分の40歳から後のことを思い出そうと真剣になってしまった。前頭葉、感情を気にして生活してこなかったことは間違いない。(ほんと、冷や汗が出ます。)即実行しなければと、方法論へ一直線に進めます。
巻頭にある「感情老化」度テストが面白い。方法論、術に関する本であるが、章それぞれにインパクトのある記述なので、よく記憶に残る。著者は教育者としても一流ではないか。やる気など感情が減退すると、脳自体使わなくなるらしく、自分の心当たりをつい探してしまう。この本を読むことが、感情を司る前頭葉を働かせているかもしれない。意欲や自発性など内発的動機に起因する全てにかかわっており、言動の原点のようである。言い換えると、言動のモチベーションが「欲」で、生きる原動力としており、それが40歳代に衰え始め、対処を真剣に考えなければ、50歳以降に影響が出る。記憶力は老化の始まりではなく、終焉に近く、今すぐにでも感情を保つ工夫が必要である。肉体的には、何歳になっても鍛えることができ、80歳で20歳代後半の体力を維持できる。東京の歩行可能者のデータでは、ここ20年で10歳若返っており、IQも年齢に関係なく低下が少ない。問題は、怪我・病気で寝込み「脳や体を使わない時間」の多さが、加齢によって、衰え方の問題として出てくる。コトあれば、老化は加速度的に進行するわけである。躓かず、引きこもらないで、体力・IQを維持できる生活ができれば、老化は防げる。そうした生活を維持する感情老化防止が、あらゆる老化を防ぐ基である。
対処としては、40歳代からはじめ、
1.宗教と対立してしまうが、「欲望」を維持が生きると言うことの原動力である。早くに枯れてしまうと、余生が辛い。
2.「年甲斐もなく」と言われるのは、いいこと。褒め言葉である。経験が豊富だと、普通の刺激では不足する。食ならば、初めてのものに挑戦し、勝負事や恋愛が感情にいい刺激を持っている。不確実性の状況への対処や向上心の刺激でもある。個人的に恋愛ほど頭を使うものは無いと思う。同感である。
3.やる気のおきない時には、必要以上に反省しない。気分転換の方法をもっておく。
4.自己愛に満ちた思考が大事である。単なる自慢話でなく、普遍的に自己の失敗を話せるようになると最高ではないか。
5.「決めつけ」をしない、つまり、感情に抑制が効いており、事態の変化にも強くなれる。柔軟性の維持が重要と見るべきである。
6.自己責任で実益のある趣味に打ち込む。家庭菜園が最良で、いいも悪いも喜びに変えることができる。
7.「高齢者に粗食」は嘘である。脳を活発に働かせるためには、肉も食べ、たんぱく質・コレステロールが不足しないように心がける。神経伝達物質や細胞膜の原料で、年齢には関係ない。(勿論、取りすぎはよく無いでしょうけれど)

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少子高齢化、人口問題の新しい切り口/ 人口は雑多な社会問題の鏡

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人口論であるが、同種のまた関連するような書籍は少ないと思われる。アプローチの仕方が全く新しい、言い換えると解釈の切り口が今までにないものであります。順を追って説明しましょう。

本書の著者、南 俊秀 (ミナミ トシヒデ)さんは、1958年、長崎県五島市生まれ。滋賀医科大学卒業。医学博士。滋賀医科大学麻酔学講座、市立吹田市民病院麻酔科、きっこう会多根病院整形外科勤務を経て、1994年、南クリニック(福岡市)開設し、2002年度より福岡市急患センター専任責任者兼務しておられる。専門分野は麻酔科学で、所属学会:日本麻酔科学会、日本整形外科学会などである。日本医師会所属で、ライフワークとして、生存科学研究を挙げておられ「種の保存本能」など人口の趨勢に関する研究や、現場の医療を通じて体感できたことを正確な出生数推計理論として導き出そうとしている。医学者・生物学者としての観点が面白いし説得力がある。初の書き出しに、「人口動態の変化は、政治経済のみならずさまざまな分野に影響を与える。」としており、あらゆる変化の基底であり(特定の時点での)結果であると感じた。

出生率の低下が少子化の原因ではなく、出生率予測の方法そのものが間違っているのだ。日本を救う「不死鳥の方程式」を提唱、生物である人間が、種の保存本能に基づいた国家戦略の再構築が求められる。日本の人口問題、特に出生率が何を意味するかも考えさせられる。非常にまじめに日ごろ気になることを表現した良書といえる。

本書の構成は次のよう:
第1章 少子化の原因は出生率の低下にあるのではない-出生率が原因なら、世の女性が怠けているだけのようなミス・リードが生じるであろう(「出生率」予測が当たらない3つの理由;医師の論理から見た「少子化の原因」へのアプローチで説得力があり、今まで発表された出生率の問題はなんだったのか?)
 1.平均寿命の考慮がない。
 2.国内総生産(GDP)や消費者物価指数(CPI)の変動率が考慮されていない。
 3.出生率を予測する方法自体が誤っている。
第2章 不死鳥の方程式を支える「2つの真理」と「2つの仮説」
真理1=ヒトには自己保存本能がある(生物が自然に持っている自己愛といえる)
真理2=ヒトには種の保存本能がある
仮説1=環境の収容力は常に生物の繁殖力よりも小さい
仮説2=ヒトの生産率も他の哺乳類と同じ要因で変化する
第3章 「2つの真理」と「2つの仮説」から不死鳥の方程式を導き出す「2つの真理」と「2つの仮説」を数式にするとこうなる
●数式-いきなり出生率を求めず、生活資源と年齢総和の関係から求める
●過去40年間のデータを用いて数式を検証―経済指標と人口動態の間の相関関係は、相関係数で0.82のままである
●数式の展開:条件設定など、ここは難しい
●出生を左右する「GDP」「CPI」「配分率(生産資源の寿命の伸びと出生数に割り当てられる割合)」「平均余命」-概念的方程式「出生数」x「平均寿命」=「配分率」x「生活資源」、ここからそれぞれの条件の比例関係がよく分かる。
第4章 不死鳥の方程式で「ピラミッドの謎」に迫る
●人口ピラミッドが変形するワケ
●人口ピラミッドの変化で見た日本の70年
ピラミッドの傷ついた理由を丁寧に説明されており、前章までの実証になっている。興味深かったのが、一見著者の倫理と逆に思える、1980年代~1990年代前半と後のいわいる「失われた10年」に、少子化と高齢化が顕著化したのは、所詮バブルはバブルで、(政治・行政・財界・マスコミが煽りに煽った結果、実体のない[配分にまわせない]お金で、官の経済規模が拡大しただけのばら撒きであった)実体のないものであった故である。日本だけが過去10年間横ばいで、国際的に置き去りを食っていることは明白で、本当の意味での人口問題(出生率)をよく考えなかった付けであることがよく分かる。
第5章 不死鳥の方程式で人口問題のトピックスを読み解く
●アフリカでの人口爆発の原因は平均余命の低下にある   
●ベビーブームの背景にはこんな要因が横たわっている
●日本で出生率が下がるワケ
●今後の出生率と人口動態の予測 など、非常に内容の濃いものです。
生物が大型化すると少子高齢化になる、進駐軍と闇市が経済基盤を早め多子化を支えた、子供を生まない女性は貢献している、少子化によって教育効率が下がる、人口移動にはインパクトがあるなど、これらを組み合わせてよく考え対処する。非常に参考になる。

著者は、定性的な要因を上手く定量的にといており、理論解析・数学が好きであることは間違いない。途中難しい部分があるが、興味ある事例を織り交ぜ、読者を離さないように工夫されており感服する。

本書を総括すると、日本では現在全てが停滞の時期に入っており、ある時期いいと思った(今では誤った)方策を修正するいい時期である。少なくとも、他国に比べ生活環境に関しては、密度がより高くなっても工夫する力があった。回復も早く堅実であると期待したい。出生率ではなく、出生数維持に大いに役立つ書であります。今後本書の読者になられたら、出生率や人口問題に対して、突っ込みの入れられるヒトに成っているでしょう。

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ビジネスに限らず自分全ての言動に新しい発想を生む-「朝令暮改」の環境作り

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書の著者である鈴木敏文氏は、イトーヨーカ堂に入社し、その10年後に形骸化した経営体質の中、日本で始めてのコンビニエンス・ストアーであるセブン・イレブンの創設者である。氏がビジネスにおけるチャレンジャーでなくてなんであろう。未知への遭遇とあわせ、保守化した経営陣との壮絶な戦いは想像に余りある。ひょっとすると、新しいビジネスへの挑戦そのものより、当時の経営陣とのやり取りが大変ではなかったかと思う。

優れた経営者(リーダー)は、「朝令暮改」ができるということ。即ち、世界総売り上げ8兆円の巨大流通グループの総指揮者は、逆風をビジネスの好機としてしまう感性と基本力を機軸に独特のビジネス世界観を説いている。

ビジネスを取り巻くステークホールダー・ビジネスの場(バ)にはいろいろと条件があるであろうが、それを仕事の壁(障害)とせず、壁があるならそれを突破するために「(「あなたは・・・」と言う前に)私は本当の意味で「仕事」をしているだろうか(何かに貢献できているか、変化はあったか)?」と問いかけておくことである。昔から、物を売ると言うことは、「人」「もの」「金」が3要素で今も変わらない。大事なのは、3要素を操るはずの自分に・あなたに、常に危機感と緊張感を忘れずに困難に挑戦していく、と言うことが継続できるかである。形骸化・保守化とは聞こえが良すぎる。「これくらいでいいだろう」とマンネリ化のはじまりが、すでに衰退を招いている。頭の良さなら知能指数で測ればいいが、ビジネスでは、どのような考え方で仕事に立ち向かうかが重要である。

●挑戦しない人は仕事をする気もないのと同然である。挑戦なきところに成功はない。
●「絶えず変化する顧客ニーズ」が本当の競争相手である。決して、競合他社や社内人事の問題ではない。
●売り手の好都合は、買い手の不都合である。まずは、顧客の立場に立ってものを考える。
●「もう一人の自分」が、客観的に自分を見る。過去の成功体験を反省・否定し、新たに挑戦意欲を奮い立たせる。
●「仮説」と「検証」を繰り返し、顧客に聴くことを(市場調査よりも)欠かさない。潜在的なニーズを掘り起こす。
●「仮説」は単なる勉強たけでは得られない。改めて述べられているが、顧客の立場になって考えるということが大事である。
●先手必勝より、朝令暮改ができることのほうが大切である。「先を読む」ことは難しい。本当に求められる力である。状況にあわせ間違いがあれば、朝に決めたことでもその日の内に改善するほうが合理的で、的確な方針が出せる。
- 昨今、「朝令暮改」を「上の明快な指示がない」と直ぐに反論して、仕事の流れを止めるものが多い。生身の人間とのたまう。しかし、考える意思が薄弱で著者の言葉を借りれば、仕事をする気がないのである。「朝令暮改」を当たり前のようにやれる環境が本当に求められているのである。よく理解しなければならない。
●基礎を徹底する。コンビニエンス・ストアーで行う基本中の基本、商品の「フェイスアップ、即ち商品の先入れ、先出し」である。売れ筋を肌で感じ、毎日毎日が検証である。
●部下を追い詰める。部下に成果がないなら、とことん問い詰め、原因の所在を明らかにし、改善させることで、部下の成長を促す。
●自分を守ろうとする心理に妥協しない。自分自身が保守的にならず、前向きであるかを常に確認する。また、自分自身への確認である。「自分を守ろうとする心理」に妥協するかしないかが分かれ目である。守ろうとする自分を認識しながら、挑戦する意欲を持ち続ける。

商い・リーダーの基本が整理されており、記憶に残る著書である。

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紙の本人を動かす人の習慣

2008/03/25 12:28

自らの行動と人生に責任を持つ選択肢とは?/ビジネス

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

他人への影響力、ある人とない人の違いは?いい加減ではないということに尽きる。当たり前のことであるが、一番難しいのではないか。ビジネスとは、商いとは顧客に対してや自分の所属する組織における「信用の醸成である」と著者は予てから思っている。本書は、組織にあって本当にかけがえのない存在になる方法を教授している。翻訳の質も非常に良い。

まずは、人生を決める7つの選択の前に、総論的にいくつかの話題を取り上げて、人を動かす影響力を持つ人とはどのようなものか分析している。その共通点として、影響力を及ぼしたり改革を起こせるという信念があるとうことである。常々又はタイムリーに、あるときは粛々と、あるときは一心不乱・全身全霊を以って課題に取り組んでいる。他人から見て頼られる存在になることのようである。そうすれば「目立つ存在」に自然となる。仰せの通りである。事例に挙げられたいくつかの話題は、世間一般に対する影響力と、(利益を考えなければならない)商いの世界での組織への影響力と峻別して講読する必要がある。おそらく、著者が想像するに、書き溜めた著作アイデアが上手く整理して繋げることができなかったのではないかと考えられる。人生と商いの組織や対人関係と整理の悪さが気になるところである。概念的包括的読み解けば、存在する選択肢を如何に活用するかと言うことのように思える。私達の商いの組織・顧客との関係で、立ち向かわなければならない困難な課題を、「如何に対処するか」ということで、自分を捧げるということを含めて選択肢があり、自分の人生と他人への影響力も選択の内容によって左右されることを指南している。

7つの選択
1.傍観者ではなくプレーヤーになる(参加する)。
何を達成したいのか意思を原動力に、情熱を傾ける。その時点でMVPである。MVP獲得者は、愚痴など言わない。これだけでも前向きである。
2.責任を持つ
参加を決意したなら、対戦相手を確認する。実は自分が本当の相手で、(被害者意識を捨て)人生に責任をもてるのは自分以外にないことを確認する。
3.自分の利益・関心より奉仕を選択
貢献しなければ自分も伸びないわけで、自分の影響力が存在すれば自ずと自分への意義が生まれる。
4.前向きに物事を見る
時間や活動するためのエネルギー・能力には限界がある。上手くいかないこともあるが、その中でも上手く行った部分を評価しておく。
5.自分の天分を発揮する
人生に調和が取れてくれば、機会が増え(選択肢が増えるということ)生産性も向上する。すべてを「好きなことをしている」に変える。周りから頼られるようになる。
6.成し遂げる
自己満足にならないように、一筆の仕事は成し遂げておこう。間違った安心感を持たず、健康に気をつけ危機に立ち向かう。キルケゴールいわく「すべての変化は危機によりもたらされる。」
7.リスクが大きいと、手に入れるものも大きい
リスクがあると、恐怖が生じる。立ち向かうことをといているが、ここは一行が必要で、自分の力以上にはできないので、見極める目を持つことが慣用である。支店としては、変化を恐れる組織体質に立ち向かう時に似ている。

変化がなければ、成長もないということのようである。

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バランスの良い中上級の単語増強本/「待ってました」と言っていいです。6年前に出版されており知らなかったのが、残念

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

使い出して、2ヶ月になるりますが、予想では3~4ヶ月で更に味が出てくるのではないかと思います。というのも、非常に手ごろなのです。英検1級以上の実力の方には、結構なチェックリストとして使え、1級を目指す方には語彙を上手く刷り込み覚えた単語を忘れ難いように、イラストを擁するなど工夫が効果的に盛り込まれています。著者はかなり頭のいい人と見受ける。要するに、ご本人も苦労されたのでしょう、分からない人の立場で著筆されていると思います。と言って、2級や2級目前の実力の方を置き去りにしてはいません。接頭語や接尾語を脈絡無しに説明して嫌気が差してしまうような内容ではないのです。理路整然と言うか、分かりやすい。語彙も、イラストばかりで、絵本でもなく、利用者のやる気や勉強の過程を見透かした、非常にバランスの良い本です。言い換えると、語彙としては入門から中級の上位のレベルで、選択された語彙は、中級から上級で、終わってみれば予想以上にレベルアップが図れる仕掛けのようです。50歳を過ぎた私が言うのですから間違いないですよ。(因みに、弊員は1級挑戦中です)

つまり、専門性を追求されるなら、語彙や語数に関してここから専門性を高めればいいのです。語間の関係が自然に分かるようになっているので、将来トライする難しい本との連携もいいと思います。

注意点ですが、最初に斜めに読んでしまうと総花的な印象かも知れません。しかし、それはどこかに読み飛ばしが有るので、駄本となり、チカチカした感じがするわけで、だからと言って、超低速で読む必要はありません。下線やマーカーでも入れながら、普通に全体を順序良く読み込みさえすればいいと思います。無駄な部分が少ないので、下線やマーカーの入れ方には工夫が必要です。全部下線を引いてしまうと強調部分がなくなり、意味が分からなくなります。何か自分なりのパターンをお決めになってやられてはどうでしょう。最初に述べたように、自分のチェックリストにするのもいいかもしれません。損は無いです、どうぞお試し下さい。

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紙の本女性の見識

2008/09/25 17:54

上手く年齢を重ねる: 男女の共通項、周りに与える影響・悪影響は些細なことなんですね!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世の中には、グローバルに解釈しようとする「社会」と、日常により近い「世間」がありますが、(本著作者が意識しているかは定かではありませんが、)これらを結びつけることになっている。一人一人が時間とともにいい変化をすれば、世間ネットワークが、健全に維持又は、新しく構築でき、次世代にもいい影響を与えるまともな「社会」になるのでしょう。結果的に述べられていることは、実はこうした工程の最もクリティカルな部分を質的に(たまには量も)向上させる重要な事柄ばかりです。洞察鋭くユーモアを交えて独自の意見に纏められています。一般に、本書の評価を求められれば、肩肘張らない・軽快・痛快・「おばさん」の必読・なんとなく分かる・気楽などのキーワードが出てくると推察します。しかし、ソフトな感じからこのような印象になるものと思われますが、これは読者の中にできるだけ入り込むための(ひょっとすると、洞察力・巧みさを薄め「いやみ」を無くす)工夫であると考えられます。「品格」だけではなく、ものの見方にこだわる「見識」であると感じます。合わせて、背筋がスッと伸びる、つい入り込んでしまう、参加している、興味深いもので、熟考編集が窺える。どうぞ読み込んで下さい。社会現象になってもいい項目を選んでみてはいかがでしょう。必ずあります。

構成ですが、
1章 外見と振る舞いに気を配る(いつも口元に笑みがある背筋がスッと伸びている、ときにはピンヒールも颯爽と履きこなす、爪と髪のメンテナンスを怠らない、実は下着にお金をかけている 他)・・・・・・基本所作・外見の組立・こだわりを利した自分磨きなどモットーを交えた本著者の紹介と思って間違いありません。
2章 日々の暮らしを充実させる(得意料理が三品ある、バーゲン会場で走らない、「ら」抜き言葉を使わない、「私にはよくわからなくて…」と逃げない、メディアの意見を鵜呑みにしない 他)・・・・・・教養と経験の蓄積を心掛ける。
3章 いい人間関係をはぐくむ(「一緒しゃべり」はほどほどにする、夫と子供の話はタブーと心得る、立食パーティーで真っ先にスイーツを取らない、ときにはガツンとご馳走できる、女友達をおろそかにしない 他)・・・・・・迷信やお気楽感覚からの脱皮を試みる。完成しなくとも、やってみることが大事です。
4章 男女の仲を楽しむ(自分の年齢を人前で躊躇なく言える、「キミって面白いね」と言ってくれる男友達がいる、いくつになっても若い男に慕われる、正しくセクシーである)・・・・・・外見と同時に内面の充実を図る。どちらが掛けても他人の評価を得ることは難しいのです。
5章 胸を張って生きる(「美しい女」ではなく「聡明な女」を目指す、「いかにも○○」と陰で言われない、「女の幸せ」にとらわれない、「いつまでも輝いていたい」などと口にしない、言い訳をしない 他)・・・・・・自分の位置づけをハッキリさせる。周りが良く見えるということでしょう。

年を重ねても美しくあり続けたい。けれど、外見を若く(良く)見せようとしても、立居振舞が具わっていないと絶対に美しく(魅力的に)見えない。特に、女性用の本とも思えない。男女の共通項で綴られている。本書では「自分の女性」に置き換えているが、男の考え方でもある。また、評価は他人がすることがはっきり分かる。刺激やお互いの向上を大切にしている。マナーのお話だけでは、居心地が悪いし、概念に終始すれば、その上肩まで凝る。そうはさせじと、丁度いいところに納まっている。普段の一寸引っかかるところを流さず、巧みに捉えた感じがいい。「キミって面白いね」と随分言わせたことでしょう。「営んだ人生は、最後に顔に出る」日々の行いを軽んじることがあってはならない、納得です。

健全な好奇心に恵まれた上、正確な観察力があり、一つ一つの項目は「おばさん」とかの前置きがなくとも十分な内容があります。言残した事柄の方が多いのでは?もっともっと洞察力を働かせ、歯に絹を着せず、且つ、ソフトに、色々なテーマで「見識」シリーズになってはと思います。

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