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唖蝉坊さんのレビュー一覧

投稿者:唖蝉坊

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

志の高い娯楽性

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 私はこの作品が文藝ネット(http://bungei.net)に全面無料公開されたときに読み、その後、プレリリース版が出たときも真っ先に購入して読んだ。また、現在http://kuroiringo.com で公開されている「立ち読み版」も読んでいる。「立ち読み版」は出だし部分から細かいところで書き直しがされており、この作家の作品に対する飽くなき向上心や気概を感じることができる。
 この作家の名前は、かなり前に雑誌『鳩よ!』の特集で初めて知った。「抜群に面白いのに、なぜか売れていない作家」特集というような奇妙な企画で、文芸評論家二人の対談形式だったと思うが、そのうちのひとりが真っ先に「鐸木能光」の名前を挙げていた。興味を持って、その時点で入手できる本を試しに購入したが、たちまち虜になった。
 『黒い林檎』は鐸木能光作品の中では最も娯楽色が強いと思われる。しかし、その「娯楽性」は、この本のカバーデザインに見られるようなけばけばしさとは違って、あくまでも読者の好奇心や感性に正面から訴えかけてくる上質なものだ。最先端医療や遺伝子工学がもつ問題というテーマだけでなく、テロ事件に揺れる今、アジア的な精神資質とでも呼べるテイストも感じる。間違いなく今年度のベスト作品であろうが、この作品には「ベスト○○」的な評価はかえって安っぽく、ふさわしくないようにも思える。恐らく、この時期、鐸木能光を再び世に問い直そうとした出版社も同じ気持ちだろう。

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紙の本

そうだったのか!

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 パソコンが職場や学校教育の現場に入り込んでくると、視覚障害が増えて……というような表面的なリポートは数多くあるが、実は、人間が電子計算機を利用することで溜め込むストレスは、もっともっと本質的な問題をはらんでいるという警告。
 この手の本は、とかく書き手の独りよがりで、読みにくかったり独善的だったり意味不明だったりするが、この本は終始実に明解で、文章もすばらしい。具体例をあげながら、その裏に潜む問題を掘り下げていく筆致も見事で、数ページめくるごとに思わず「そうだったのか!」と唸ってしまう。特に、デジタル技術が音楽や美術の創作活動の根本を変質させているという指摘は鋭い。学者が現場の外側から勝手に分析しているのではなく、実際に音楽や文学の現場で日々苦闘している著者ならではの説得力がある。
 読み終えてみて、なぜ今までこうした本が(あるいは本になっていなくても、考え方が)出てこなかったのかと不思議に感じた。

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