孫子(東京都港区)さんのレビュー一覧
投稿者:孫子(東京都港区)
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モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語
2004/10/31 17:22
サイトを見てから読むと、更に面白い
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この本は、英国で2002年5月に出版された。その題材の面白さのみならず、主人公の元気印女の子モリー・ムーンはじめ、大の仲良しの男の子ロッキー、そして一緒に痛快な旅に出る黒パグのペチュラなどに作品を通して注がれる作者の深い愛情が溢れた素晴しい作品である。本国発売後一年もしないうちに、日本のみならず、オランダ、ドイツ、韓国などで翻訳が次々に発刊し、米国でも爆発的にヒットしている。このように、この本は極めて幅広い読者層を世界中で掴み始めている。英国の原本と日本語の翻訳を読んだが、極めて良く訳されている。日本での公式サイトhttp://www.molly-moon.jp/ を見れば判るが、やはり良い翻訳には原作者との緊密な連携が大事であることが判る。本そのものを楽しむのもさることながら、翻訳を志す人にとっては、原作との読み比べも参考になろう。世界中の女の子が、この本を読んで元気で自信に満ちた青春を送ることになれば、原作者・翻訳者の喜びとなることだろう。
いろいろな書評が出ているが、衒学的書評より世界中の子供や子供を中心とした学校・家族などから、実際に本を読んでコメントする本当の書評が沢山投稿されることを期待したい。
モリー・ムーンが時間を止める
2004/10/31 17:08
時間を止めるシミュレーション
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モリー・ムーンの第二弾。更に破天荒でわくわくする物語。試験を控えた人、期限に間に合わせる仕事を目の前にしている人には危険な書物。読み終えたあと読者は、必ず自分が「時間を止める」ことが出来たら、何をするか考える事でしょう。モリー・ムーンは、考えられる最悪の情況に追い込まれた時、唯一の手段として時間を止めたのかもしれない。でも、現実はそのようにはいかない。しかし、実生活でも最悪な状況に追い込まれた時をあらかじめ想像して、その際の対処法を考えていることは、心の平静とあとでの後悔を最小限にする点で大事なことでしょう。事業を手がけようという人、営業活動を行なう人、デートを控えている人、面接が始まる人など、実際の物事が始まる前に起る事柄を想起してみる(これをシミュレーションとか模擬実験とかいう)。特に、最悪のシナリオを考えてそれに対する対応策を考えるのは、現実の世界で起った時に固まったり取り乱したりせず考えられる最良の対応を導く素晴らしい試みと思う。自分も日曜日の夜には、次の一週間の事をシミュレーションして結構役に立っている。このモリー・ムーンの物語は、弱虫の、自信のない、劣等感のある子供が、シミュレーションではなく驚くべき現実に直面し、自己抑制と、自立と自信を勝ち得ていく、子供達だけでなく大人にも考えさせられる読み物である。
絞首台までご一緒に
2004/10/31 12:21
お洒落なユーモア沢山のミステリー
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紫色のセンスの良い表紙と丸谷才一氏の名訳で楽しんだ「ボートの3人男」がベースになっている作品であることに興味をそそられた。この話は、「ボートの三人男」を模してテムズ河の旅に出る人達を巡る殺人事件。ミステリーの面白さもさることながら、名作を読んで自分達も跡を追って体現してみるという夢のある、又極めてのどかな営みに、自分の暮らしている齷齪した毎日との隔たりに痛く感心してしまった。自分も、一度こんな風に跡追い体験をしてみたいなあと思う。
この本の楽しさは、女性が元気なこと、お洒落な皮肉やウィットがそこここに散りばめられている事、跡追い体験をしたいなと思わせる旅行記のような書きっぷり、そしてなんといっても登場してくる人物を髣髴とさせる文章力だろう。望むらくはテムズ河の地図を載せておいてくれれば、もっと良かっただろう。しかし、帯にある「何度も吹き出しそうになる」は何をもって書いたのか? このために、低俗なお笑いものを期待する輩なら、おそらく失望することだろう。本書はもっと品の良い、格調高い、ユーモアを提供してくれる。文章を味わえる人なら、その面白さがよくわかるはず。
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