ヨーダさんのレビュー一覧
投稿者:ヨーダ
2002/10/16 12:29
名古屋弁から解き明かす中部経済興隆のヒ・ミ・ツ
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いま名古屋の食やカフェ文化が注目を浴びています。たとえば最近雑誌「TITLE」誌上では村上春樹氏を隊長とした東京するめクラブによる名古屋リポートが全2回にわたり特集されていました。「ひつまぶし」や「味噌煮込みうどん」「天むす」などといったいまや全国的にメジャー(?)になった名古屋食以外にも、さらに奥深い食が創造されつつある状況が見えてきます。一方、冠婚葬祭の慣習などから保守的で大いなる田舎と言われがちな「なごや」ですが、こうした新しいものづくりにかける情熱や進取の気質は、食に限らず多方面で発揮されている事実は見逃せません。これはパチンコやコンタクトレンズ発祥の地、イチロー生誕の地という他に、愛知県の製造品出荷額が日本のなかで何十年もトップを走り続けているということからも見て取れるでしょう。ものをつくる以上は「よそに負けないものをつくろう」という姿勢を最重要視しているという面で名古屋はいわば「ものづくりの都」といえるのではないでしょうか。
本書では、こうした中部経済興隆のしくみを名古屋弁に込められた名古屋人の気風や気質から解き明かしていきます。名古屋とは直接関係がないとお思いの方も、いまこそ名古屋から学べるところがあるのではないでしょうか。下記の文のように、ユーモアたっぷりに小咄調名古屋弁で解説しておりますので、肩に力を入れず読んでみてはいかがでしょう。
「まっと、ここんとこをこういうふうに削れんか? なにぃ削れん! おみゃあんとこの機械ではこれが削れんのか。まあええ、そんな機械はいらんで。自分でつくるでええわ」
(もっと、この部分をナノメートル単位で研削できませんか。ええっ、できない? 御社の機械では超精密研削はできないということですか。仕方がありませんね。それでは結構です。自社内で開発することにいたします)。