サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 元山武さんのレビュー一覧

元山武さんのレビュー一覧

投稿者:元山武

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本学校が自由になる日

2004/01/25 09:02

死ぬんなら逃げろ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

また恐い夢を見た。中学校か高校かでリンチされそうになる夢。リンチされそうになる寸前で目が覚めた。中学時代の夢は今でも不定期的に何度も見る。外出することが少ない土曜日の夜にその夢を見ることが多いようだ。

学校に適合できない人が一番きつく感じる言葉は「学校に適合できないようでは、社会に出てから到底やっていけない」ではなかろうかと思う。現実にはそんなことは全くないことが、就職して1年目ではっきりと分かった。しかし、この言葉によって、いじめられようが、暴力を振るわれようが、恐喝されようが、教員から猥褻行為をされようが、「学校には行かなければならないもの」と自分を縛り、苦しい思いをしている人が、世の中にはどれほどいることだろう。その中で、「学校に適合できない自分は社会に出てからもやっていけない」と思い込み、自ら命を絶つ者も珍しいことではないのではないか。

実際はむしろ逆で、学校ほど社会から乖離している場所はない。学校が自ら社会から閉じ、その中で犯罪行為が、人権侵害が見過ごされることが多いのだ。「学校の自治で自立的に解決」などという問題ではない。社会規範から明確に逸脱していることを「学内問題」として扱うことは許されないはずだ。

こういう学校に適合する必要は全くない。異常な空間に適合しすぎることこそ病的なのだ。社会的な規範が通じない空間において不利益を被った場合、その空間の秩序に迎合するのではなく、その空間から逃れることこそ最善の策であろう。いじめ、恐喝、暴力などに遭ったら、学校に行かなければよいのだ。

そのときある者は「学校から『逃げた』」というだろう。それでよいではないか。異常な空間からは逃げればよい。不利益を被るのを承知で何もせずにいる方が、もっと根本的な意味での「逃げ」ではないのか。

私がまだ中学生か高校生のときの年末のニュースステーションで「いじめ問題」を扱っていた。それに対し、有名人が一言ずつコメントするVTRを流していたが、その中で当時はまだ米米クラブのカールスモーキー石井が「死ぬんなら逃げろ」と言っていた。私が米米クラブを好きだったこともあるだろうが、この石井の言葉が非常に印象に残っている。

異常な空間から逃げることさえ、社会的な風潮の中で禁じられている子どもたちにできることは、「死ぬ」ことしか残されていないのだ。あまりにも不幸なことである。不登校になったら、世間体が悪い、社会に適合できない人間というレッテルを貼られる、進路も不安、などと思い込み、学校から逃げるという選択肢を奪われた子どもは、自ら命を絶つという最悪の選択をする。こういったいたたまれない状態が、今なお放置されている。

私は不登校にはならなかった。同様の思い込みを持っていたからだ。学校に適合しなければという意識も持っていた。「不登校になるくらいなら死ぬ」と思ったこともある。かろうじてここまで生き延びてきただけだ。

昨年末、宮台真司、藤井誠二、内藤朝雄『学校が自由になる日』を読んで、ここに一つの希望があると感じた。私がこれまで述べてきたことを、内藤がより理論的に語っている。藤井の取材が、異常な学校空間を社会的な視線にさらす。宮台の分析によって、学校の変化が必至であることを認識させられる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示