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ピガヤスヒトさんのレビュー一覧

投稿者:ピガヤスヒト

6 件中 1 件~ 6 件を表示

The World Is Mine(ヤングサンデ) 14巻セット

2002/01/26 16:33

殺す、そこに命があるから

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 力強い。殺人鬼と怪獣がひたすら人を殺す話を、過激だがけっして下衆ではなく、人間の物語として描ききっている。途方もない設定だが出てくる人間はみな、リアルで生々しい。暴力、命というテーマが身に沁みた。

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鏡の中は日曜日

2002/01/09 02:11

夢の中は眠っている

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 相変わらずケレン味たっぷり。というかケレンだらけ。自覚的だと思うけどコラージュだね。あの作品とあの作品が混ざってるな、って。そのツギハギっぷりが楽しい。
 しかし、それでずっとやってくつもりなのだろうか。

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絶叫城殺人事件

2002/07/08 10:49

作家の円熟

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 おなじみ火村英生と有栖川有栖のコンビが出てくる短編集。
 特にトリックは度肝を抜かれるものではなくても、下手な奴が書くと本を壁に投げつけたくなるようなものでも、道具立てや構成で読ませて読者に満足を与える「料理上手」になる、ってのが作家の年のとりかたとして理想的なものかもしれない。ミステリの要素を「パズル」と「物語」に分けると「パズルから物語への移行」って感じで。
 有栖川有栖、それを体現するかのように、過剰でも歪つでもないけれど、期待を裏切ってくれることなく着実に読ませてくれる。少しデビュー当時の若々しさが懐かしくなるくらい。
 それならばミステリでない普通の小説を書いてもそこそこいけそうなものだが特にミステリではない「作家小説」は今ひとつ冴えないと思った。パズルと物語のバランス問題?

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バンド・オブ・ザ・ナイト

2002/06/21 15:19

なんか、勿体ないなあ

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基本的に第一長編「頭の中がカユいんだ」と変わらない。
こちらのほうが物語の結構は整っているが。
熱心な読者は、エッセイとかでほとんどのエピソードを知ってるんだよね。
だからエッセイつぎはぎして長編にしたみたいな印象。

まあ、初めて読む人には楽しめるのかもしれない。

そして一番の特徴、言葉のドラッグ的な羅列ですが。
これも「頭の中がカユいんだ」にもあったが、この作品のほうが徹底している。
しかし、あんまり楽しめなかった。
この手法が生きるのはせいぜい半ページくらいだと思うのだが。
読みづらいんだよね。

一つ一つの連想、イメージの質、世界観は好みだ。

「首狩りママは考える」
「たくまれた祝杯」
「岩の前で水晶の生成をずっと待つ少年」

しかし、脈絡のない単語の羅列を読むのは苦痛だ。
それを、もっと他人に伝わりやすいように、できると思うのだが。
少数のイメージを膨らませてもう少し説明を増やした短編小説にするとか。
もしくは歌詞にするとか(もうしてるのかな?)。
好みの問題かもしれないね。
おれは、こんなにイイ素材がいっぱい転がっているのに、
それを調理しないでそのまま食べにくく出していることを、
もったいない、などと思ってしまう。

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エンガッツィオ司令塔

2002/06/21 15:17

筒井節なのだが……

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太平洋戦争中酔っ払って突撃した日本兵の話があって、
昔筒井さんは
「これを書けば面白くなることはもうわかっているのだけど
 どの程度面白くて誰がどう褒めてくれるかわかってしまって
 つまらないので書かない」
とか言ってた。

この短編集に入ってる小説は、それと同じ感触がする。
毒、スラプスティック、言語遊戯、ドタバタ、理不尽な恐怖。
その手の筒井節は読めちゃうし飽きてきちゃってるんだよね。

しかし、七福神の話のヌケヌケとしたところは好きだ。
年をとらないと書けない作品だろうな、という気がする。
そういや「敵」のときもそう思った
(夏目漱石「道草」でも同じようなことを思った)。
まだ完全には見捨てられない。

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浦賀和宏殺人事件 究極の密室とは……?

2002/06/29 11:31

知識ネタはもういい(××トリックももういい)

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 うーん、密室本ってのは…、

 昔ユリイカの「ミステリ・ルネッサンス」というミステリ特集のインタビューで、京極夏彦が「綺麗に見せられたらトリック要らないですよね」という意味のことを言っていて、この人はミステリというもの、そして自分の長所・方法論について非常にはっきりわかってるな、と感心した覚えがあります。つまり、ミステリの肝が「鮮やかに世界を反転させて読者を驚かせること」だとして、トリックを使わずにそれを実現できれば、トリックはごくつまらないものでもありふれたものでも、極論としては無くてもよいというわけです。実際京極夏彦の作品にはトリックというものがはっきり存在しないけれど、それでもあんなに驚愕させてくれるわけです(未読の人は講談社文庫から「姑獲鳥の夏」が出てるのでそれから読むのがオススメです)。
 浦賀和宏はそういった「トリックは無いけれど見せ方で勝負する」という京極的手法の良き使い手だと思っています。そして、そういう面から言えばこの作品も悪くないと思います。トリックはそんなに珍しいものではないですが、構成、つまり「読者に事実を明かしていく順番」を使いこなすという面では巧くできてると思います。

 じゃあ何が気に食わないのかっていうと、知識ネタです知識ネタ。今までの作品でもちょっとうざかったけれど、多分セーブしてたんだろうね、今回密室本という「企画モノ」だからある程度遊んで書いてもらってよいですよ、とでも言われたのかタガが外れてます。その知識を共有していない人間を排除する類の知識ネタとか内輪ネタの類が俺は大嫌いで、たとえ俺がその知識を共有している場合でも。しかもこの本は、知識ネタの連発、つまり「浦賀が好きなものの集合」によって、この本自体が読者に「浦賀和宏」という作家に関する知識を持っていることを要求する知識ネタと化しているわけで、ああむずがゆい。

 「樒・榁」にも同じ雰囲気を感じた。今までの作品と構造が似ていて、どっか遊び半分で書いているようなノリで、それまでのその作家の作品を読んでいないと面白くないという共通点。企画モノだからって、ねえ。同じような力の抜け方、遊んで書いてる雰囲気は京極夏彦の「どすこい(仮)」なんかにもあったけど、あの人はその上で巧くこなしていた。あれは元になった作品読んでなくても読めるし。流石。

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