S.D.Tさんのレビュー一覧
投稿者:S.D.T
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |
紙の本紙葉の家
2004/01/11 22:49
眩暈のする書物
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まず、日本語の本にしようと思った事が気狂いの為せる技だと思う。
英語→日本語という翻訳は問題ではない。
英語(横書き)→日本語(縦書き)にした事に感服する。
さらに造本が英語版より凝っている。
本を作るってすげぇ仕事、とまじまじと思った本。
本文中、「家」という文字だけ色違いに印刷されている。
それだけでもう背筋がぞくぞくする。
やりすぎだ。色々やりすぎだこの本。とても楽しい。
狂いっぷりが非常に説明しづらい。
注釈と本文があるのだが、どっちがこの本のメインの物語であるのかすら謎で(恐らく両方がこの本の物語であるのだろうけれど)、必ずしもページの頭から文章が始まるわけではなく、注釈が本文の途中で数ページに渡って現れたり唐突に本文が注釈に切り替わったり、文章が回転したり反転したり踊ったり回ったり重なったりしている。
小説の内容は「家」をめぐるホラー。
「家についてのある事件」と「それを記した男の文章」と「その文章を発見した男」の物語が入れ子式に同時進行する。
眩暈を感じずにはいられない。
紙の本「バラの名前」便覧
2003/02/18 17:36
迷宮のための辞書
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ウンベルト・エーコの小説「薔薇の名前」のための単語解説・引用文献の一覧。
宗教的な話もヨーロッパの歴史的な話も、多宗教のアジア人である多くの日本人にとっては難解である。が、この便覧は、「薔薇の名前」の中で数多く書かれている聞き覚えのない名称の意味、またはある一文が何を指しているのか、何を意味しているのかを羅列してくれている。
ただし、これを読んだからといって「薔薇の名前」のすべてを理解できるわけではない。
あくまでも、「何を指しているのか」を教えてくれるだけなので、指された「何か」がどんなものであるのか知らなければ結局は意味不明のままである。
しかし、本当に知りたいと思うのであれば、次に読むべき本の方向性を示してくれる、良き手引書である。
この本の存在は、「薔薇の名前」を読んでいて、意味不明な単語や名称、何の引用だかわからない文章にぶち当たった時に引く辞書、と思えばまず間違いない。
紙の本天使と悪魔 上
2004/01/11 18:21
ローマ美術・建築案内
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一言で片付けるなら「オカルト・SF・エンタテイメント小説」。
でも「ローマ美術・建築案内」にもなります。
特にベルニーニが好きな人はかなり楽しいのではないでしょうか。
主人公はガリレオの残したアンビグラムの謎を解いていくのですが、その「謎」を解明するポイントがバチカンを中心にしてローマの様々な観光名所。
ルネサンス・バロック時代の彫刻や各種西洋建築、教会のつくりやバチカンの文書館を走りまわりつぶさに調べる主人公の視点は、そのままローマ市内やサン・ピエトロ寺院を動き回る気分になれます。
残念ながら建築や彫刻なんかの写真はないので(小説だから当たり前なのですが)、実物を知らないとちょっと辛いかもしれません。
逆に知ってる人にとっては、ニヤっとできる内容です。
イタリア美術・建築好きな方におすすめ。
個人的な趣味では、バチカンを守るスイス兵がこんなにも動き回り喋りまくる小説を初めて読んだので楽しかったです。
あのあざやかな衣装で動き回っているのかと思うとわくわくします。
2002/01/20 01:50
マイナーゲーム
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
多分、このゲームを知っている人はかなり少ないと思われるが、この攻略本を欲しがる人はけっこういると思う。謎解きアドベンチャーの“Victorian Park”は非常に難解。プレイ中何度買おうか迷ったが、なんとか自力でクリアした。しかし一応クリアしたものの、未消化なイベントがあるだろうなと思って購入。やはりあった。攻略部分は簡潔に説明があって、こんなに簡単に解説されると今更ながらちょっと悔しくもあり。
4 件中 1 件~ 4 件を表示 |