村上史門さんのレビュー一覧
投稿者:村上史門
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疵〈スキャンダル〉 籠の中には青い鳥
2002/10/29 22:22
同じ疵を持つもの
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シリーズ第4巻です。主人公たちと同年代(30代)のかた、あるいは同じような環境、官僚ではなくとも同じくらいハードな仕事をしてる方なら、かなり共感するのではないかと思いますが。この忙しさ、気の抜けなさ、まだ仕事をしてらっしゃらない方はピンと来ないかも知れませんが、作り事じゃありません。実社会はもっとハードなとこもあります(だからといってやめられるものでもないし、というジレンマ)。
第1巻はCDドラマにもなりました。「満身創痍の疵を負った」が、まだ負けずに仕事や人生に対して真摯に戦う彼らに「自分だけじゃない」と思い癒されました。
ハードな日常をおくっている読者にとってこのくらい真剣に、仕事をしている主人公でないと読んでて不満が残るものなので。
桐原の同級生、中井との会話の場面。桐原が中井の葉書を長いこと心の支えのように持ち歩いていた気持ちが分りました。桐原の真似ではないけれど、通勤電車でその場面だけを読んで仕事に行ったことも何度かあります(カバーはかけてますけどね)。
また妻の不倫によって生まれた娘「結花」に語りかける場面、これは感動しました。
小説は受け手の深い心の傷(トラウマ)にかすると感動したり共感するということがあるけど、いろんな登場人物がいろんな疵を持っているので(気障な有賀にしても)たくさん疵をもった読者さんはたくさん共感するかと思います。
「疵〈スキャンダル〉 籠の中には青い鳥」は受け手の人生経験、経験がないことについては人生に思いを寄せる真剣さ、が面白いかどうかを分ける作品だと思います。
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