kenjiさんのレビュー一覧
投稿者:kenji
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世界をだました男
2002/03/18 02:07
20世紀最大の詐欺師
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本書は詐欺師、フランク・アバネイルの話である。このアバネイル氏はすごい。実にすごい(まぁ、犯罪者を誉めるのはいかがなものかもしれないが…)。16歳から21歳までに世界26ヶ国から250万ドルをも詐欺によって騙し取ったのである。本書の中では彼がパイロット、医者、法律家、大学講師と、状況に応じて様々な役を演じていき、敵役とも言えるFBI捜査官のオライリーとの逃亡劇がストーリーのメインになる。また、猛勉強と鋭い観察力で見事に役を演じきってしまうのにはただただ脱帽である。レオナルド・デカプリオ主演で映画化されるそうだが、ぜひ見てみたい。
血と骨 上
2002/04/13 01:17
差別の中で
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本書は在日朝鮮人の金俊平の生涯を綴った物語である。この俊平という男はあまりに強烈なキャラクターとして記述されるー酒乱で酒を飲んでは暴れて家族を平気で殴り、10数名のヤクザ相手に大立ち回りを演じ、家庭には一銭も生活費を入れない守銭奴ー。
そして、物語は様々な差別の中進んでいく。
主人公は腕のいい蒲鉾職人だが、それでも人種的差別で給料は日本人の半分である(さらに驚いたことに朝鮮でも済洲島出身というだけで差別されていたらしい)。また、儒教的男女差別のため俊平の娘は小学校もろくに通えない。さらに在日朝鮮人は日本政府から朝鮮名まで禁止される。さらに満州の一件もある。実際、本書を読み進めていくと、日本政府は本当に無茶苦茶なことを朝鮮人の方たちにしてきたなと同じ日本人として恥ずかしくなる。また、その事実をあまり認識していなかった自分が恥ずかしい。
この金俊平は実在の父親をモデルにしているというが、上下巻を読み進めていく内に、自分には敗戦するまでアジア各国に好き放題してきた日本という国を擬人化したのものではないのだろうか? と思えてきた。
フラッシュ・バック 39 2 刑法第三十九条
2002/03/02 02:13
刑法の矛盾
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本書は『刑法第39条』シリーズの第2作となる。今回は刑法第39条のみならず、少年法、覚醒剤、被害者の家族に対するマスコミ・世間の過剰なまでの対応等を1冊の中にぎっしり詰め込んだ内容になっている。
実際に起きた事件がモデルになっているせいか、物語後半になると段々ストーリーが暗くなってくる。それにともない身勝手に振舞う少年達やそれを黙認してしまう現在の刑法に対して怒りや憤りを感じてくる。ただ、最後の結末はやはり考えさせられる。少年法によって犯罪としては罰せられないが、罪をつぐなわず彼らの魂に明日はあるのだろうか?
39 刑法第三十九条
2002/02/16 17:48
刑法の矛盾
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『刑法第39条 心神喪失者の行為はこれを罰しない。2心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する』
本書は猟奇的な殺人シーンから始まる。あまりの猟奇さに現場検証中の刑事がつぶやく、「まともな人間のやることじゃない」。ストーリーは被告人の精神鑑定を中心に進んでいく。しかし、別の刑事に作者が言わせているように、猟奇的かそうでないかにかかわらず殺人なんてものは『まともな人間がするものではない』。殺人者に精神鑑定など必要なのか? また、本書は『刑法第39条』のみならず、現在の被告人保護中心の刑法の矛盾を考えさせる作品である。
六枚のとんかつ
2002/03/07 00:30
頭の疲れないアホバカトリック
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本書は下らない内容のミステリーが盛り沢山である。多分、本格派ミステリーの愛読者が読んだら腹を立てることだろう。しかし自分は、不思議なことに笑えた。また、何作かはミステリーとしてなかなかのものではないだろうか? 一括りにアホバカトリックとはいえないかもしれない(まぁ、総じて下らないイカがわしさ溢れる作風ではあるが)。
帰宅中の電車の中で読んだのだが、頭を使わずスイスイ読めた。本格派ミステリーではこうはいかない。さしずめ、ミステリー版『裸の銃を持つ男』といったところか。
ヴィドック
2002/03/02 02:57
小説とノベライズのギャップ?
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『クリムゾン・リバー』のグランジェと来れば、読むしかない! と勢い込んだが…。あれ? あれれ? うっすいなー。気を取り直してあとがきから読む。へー、ヴィドックって世界初の私立探偵で『レ・ミゼラブル』のモデルとか言われている有名人なのか、知らなかった。
さて、ストーリーはという、謎のミラーマンvs我らがヴィドック! って、ヴィドック即死亡! おいおい。という具合に物語はテンポよく進んでいく。しかし、グランジェの『クリムゾン・リバー』から想像したような風景描写が全然ない。映画のノベライズだからしょうがないのかもしれないが、もう少し19世紀のパリの混沌としたアングラチックな裏街道等の記述がほしかったりする。
獣たちの夜 Blood the last vampire
2002/10/14 18:36
面白い、けど、もったいない
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吸血鬼ネタの小説は数多くあるが、『Blood the last vampire』の設定はその中でも面白い。1969年の学生運動真っ只中の時代を舞台に少年活動家を主人公に話は進む。事件に絡む謎の美少女『沙夜』。
興味深いのはストーリーのあちらこちらにその当時の少年活動家の心理(学生活動家の心理とはまた違う)や活動の描写がある点だ。各章もそれに合わせたタイトルで構成されている。
この手の小説でよくある吸血鬼の起源説には他の吸血鬼本の焼き直しくさい部分も多い。進化論・哲学・政治論・宗教論をベースに話は進むが、主人公はほとんど話についていけていない。が、これは単に作者が吸血鬼より当時の少年活動家の無知について書きたかったのかもしれない。『結局、お前らは一部の革命家のムーブメントにあいのりしただけだったんだよね、主体性・知識ゼロだよね、だからあの悲劇が起きたんだよね』、という痛烈な批判(自己批判?)なのであろうか。『総括』というエピローグで30年後の『おっさん』になった主人公が当時と変わらぬ『沙夜』に出会う—。自分はこんなに変わってしまったのに…。
残念なのは、話が広がりを見せ始めた部分で終わってしまった感があるところだ。非常に残念。
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