トウスケさんのレビュー一覧
投稿者:トウスケ
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花園メリーゴーランド 1 (ビッグコミックス)
2002/01/19 18:31
闇にひそむ暖かさ
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その立地ゆえ異界と化している日本の山村に迷いこんだ少年が遭遇する物語。
「性」を他の作品でも扱ってきた作者は、この作品でも山村に残る性の慣習というものを土台に使っているようで、異分子の少年と、閉じた世界の少女が遭遇する「性」というものが大まかな物語であるけれど、作者が語りたいのは「性」ではなく「人」なのだと思えます。
なぜなら、彼女の描く人間はとてもやさしい。ハッチングを使った画は、美しい版画を思わせ、日本の閉ざされた山村という暗い世界の感情をしっかりと線に残しても、そのやさしさは揺るぎがなく、それは作者の人に対する、陽的な興味が現れているのだと思えるのです。
絵本のように読める漫画直截なインパクトでなく、しかし画でしか表現できないものを描いているこのような漫画は昨今では稀有なものだと思います
宮沢賢治詩集
2002/01/19 18:00
宮沢賢治詩集
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銀河鉄道の夜で有名な宮沢賢治の詩集。
「幼さ」を「純粋」にまで昇華した もろく美しく、独特の浮遊感のある言葉は、写植に艶を与え 読者に音読されることを望んでいるよう。
そして事実、詩を音読したとき沸き起こる情景は 言葉というものに、新しい感情を抱かせてくれるでしょう。
おすすめは、「音」の美しさを教えてくれる「永訣の朝」。
エルマーとりゅう 新版
2002/01/30 22:21
ひんやりとした空気、これぞ宝探しのダイゴ味
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エルマーはなんとか動物達からりゅうを助けたものの、ふたりは家に帰る途中で嵐に巻き込まれ、カナリアたちの住む島へ漂着してしまう。そこで出会ったカナリア達はどこかふたりによそよそしくて……。
前作のジャングルと同じく、エルマー達のいるカナリア島に、あたかも自分がいるかのように思える文章はとてもすばらしい。エルマーの境遇も面白い変わり方をしていて、単身乗り込んだ動物島の時には、食べてやるなどと思っていても動物たちはエルマーにどこかフレンドリーだったのに、りゅうを連れたエルマーに対するカナリアたちの行動には恐れがあり、壁がある。まるでエルマーは、巨人と小人の国、両方を旅したガリバーのようだ。
今回のお話「冒険」はないけれど、「宝探し」がお話に詰まっている。派手な起伏はないけれど、涼しい林には熱気あふれるジャングルにはないスリリングなものが眠っているのだ。前作が好きだった人や「宝探し」好きな人におすすめです。
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