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しいこさんのレビュー一覧

投稿者:しいこ

29 件中 1 件~ 15 件を表示

名品絵画でゲーム。楽しくハイソに数を覚えましょう!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ミクルスウェイトの名品絵画のなかに「見つける」シリーズ数冊のうち、特に「みーつけた!絵の中で動物たちがかくれんぼ」と並んで、子供たちと一緒に楽しんで欲しい絵本です。
ゴーギャン、マティス、カンディンスキー、国芳、ゴッホ、ルーベンス、スペンサー、ゴッチ、ルソー、レジェ、クラナッハ、ピカソ、フレーゲル、ボッティチェリなど、錚々たるアーティストたちの古今東西の名品絵画が右ページ。左のページには、「ひとつあるものなあに」、「ふたつあるものなあに」とだけ書かれ、それが20まで続きます。
(ことば、俵万智さんの触れ込みですが、それだけです。ちなみに、俵さんが訳した絵本は大抵リズムがよく子どもも楽しんでいます。読んでいる大人も直しながら読まなくてよいことが多く、安心ですよ。ちょっと古すぎる言い回しもあって、直すこともありますが。そう、大抵の翻訳絵本は、かなり直しながら読まねばならないのです。子どもに「きりぎりす老人は…」(おばけ桃の冒険、ダール)なんていっても乗ってきませんよ。「きりぎりすじいさん」でしょう、やっぱり)。
本題に戻ります。
数が少ないうちはいいのですが、多くなってくると大変です。絵画の中で数の多いもの、限られてくる上に、丁度その数のものを探すのは大変です。20あるのは、ボッティチェリの「神秘の降誕」のなかの天使でした。これには感嘆! なかなかのセンスなのです。
ことばの下には数字が大きく書かれています。子どもは数字を読み、ひらがなを覚えます。位置付けとしては、上にも挙げた「みーつけた!」の次の段階にあたります。絵の中に描かれているものをさらによく観察し、それぞれのものの数を数えます。動物を探す「みーつけた!」より、少し難しい作業になっています。細かく絵を見ているので、意外な発見がたくさん出てきます。
絵の中には他のものもあるので、二回目からは他のものの数も数えます。たくさんのものを数える作業は大変辛抱の要る仕事ですが、子どもは目をきらきらさせて、「これはね、いくつあるか!かぞえるからね!」と数えます。
自分の描いたオバケの顔も、数えて見せたりするようになり、数への興味が増していきます。もちろん、「何で3つ描いたの?」と訊いてあげます。すると、「これはね、いまのおばけで、それからこれはおおむかしのおばけ、それからこれはなんだっけ、「みらい」のおばけ…」とおもしろい説明(クリスマス・キャロルです)も飛び出して、自分で工夫して数に意味をつけている様子です。エレベーターのボタンで数を覚えた子にしては大変な進歩でしょう。
小さいときに子どもが出会う本はとても大切です。「お母さんと天使の数を数えた大切な思い出の絵」がある人生を子どもにプレゼントするなんて、とってもお洒落だとおもいませんか。
贈り物にも素敵です。「みーつけた!」とセットにしてもよいかもしれません(私は妹の子供たちに二冊セットで贈りました)。

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紙の本手塚治虫マンガ音楽館

2003/04/16 03:04

時代は違えどテーマは普遍、手塚治虫はやっぱりエライ

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「手塚治虫マンガ音楽館」というタイトルを見て、すぐに思い浮かんだのは、肺炎で死んだ兄になりすまし男装してワルシャワの音楽院に入学したルイザとショパン、そしてレジスタンスの闘志ヨーゼフの3人の天才ピアニストの運命を描いた「虹のプレリュード」、そして、ブラックジャックの中に出てくる、愛器ストラディバリウスを探して吹雪の中に出て、凍傷で指を失ってしまう天才ヴァイオリニストのエピソードでした。
実はこの2作品がこのアンソロジーの最初と最後を飾る作品になっていました(ちょっとうれしかったので、つい書評コーナーに投稿している私)。
自らもピアノをひくし、クラシックを愛した手塚治虫氏。その作品には数多くの名作が登場します(私はファウストの悪魔の歌のシーンが好きでした)。スターキャラのひとりとして、ベートーベン(さまよえるオランダ人と称していることも)もいますよね。
とにかく、手塚作品には、音楽や楽器、歌、踊りといったものが非常によく登場するのです(火の鳥大和編の湖上の笛のシーンなど、音楽の魅力をコマの中によくも表したものだと思います)。
このアンソロジーは、一応一話完結でよめる短編(抄録も有)ばかりを集めているので、手塚と音楽のつながりを示す作品を網羅したものではありません。が、完結話として読めるものを集めているため、手塚作品を知らない人がはじめて読んでも十分楽しめることは請け合いです。
収録作品は、クラシック音楽に関係したものばかりでなく、当時の時代を映すフォークソング、和太鼓とロック、民謡、楽器、はては鳥の歌までと、幅広いテーマにわたって集められています。また、モーツァルト、チャイコフスキー、バッハへの想いがつづられた、手塚氏本人のエッセイも収められていて、これがまた興味ぶかいものでした(3人の作曲家が挙がってるけど、私は手塚氏は絶対にムソルグスキーが好きだったと思う。単なる直感ですが)。
二番目に収録された実在の名指揮者バーンスタインのベトナム反戦平和記念コンサートのエピソード、同じくヴェトナムに関連した「0次元の丘」(ヴェトコン狩で虐殺された家族の生れ変りの少年少女らが、臨死体験をした指揮者の演奏レコードを聴いて前世を思い出すという話)は、イラク戦争のごたごたに果てしない幻滅感と怒りを感じた経験を経た今また読み直すとまた深い感慨がありますね。
映画「戦場のピアニスト」では、ポーランドの天才ユダヤ人ピアニストが、敵味方問わず、世界の宝である彼を守ろうとする人々に助けられつつも、戦火の中をサバイバルしてとにかく生き延びる姿がすさまじかったですが、「虹のプレリュード」では、天才ピアニストたちがいとも簡単に撃ち殺されて…、なんとも悲しいですね。
音楽関係作品のアンソロジーではありますが、(すでに時代感覚はちがってはいるのですが)戦争、権力、人間同士の争い、愛と生、人生の意味といった普遍的なテーマを、音楽をツールとして描き出す作品を集めた、といったほうがよいかもしれません。そういう点では、今読むことに意味のある一冊です。
不条理には怒りを、本物には愛を、暴力と争いにはノーを。それが、健全な人間のあるべき姿なのですよね。マンガの中に哲学と教養と音楽を詰め込むという常人技ではなかなかできないことをやってのけた手塚治虫って、やっぱりエライと思うのです。

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紙の本紙でつくる楽器

2002/10/19 16:29

作るのは簡単、鳴らすのが難しい

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連休に子どもと何か作って遊べるネタを探そうと、小さな子でも楽しめるクラフトの本をあさっていて見つけました。紙とストローでできる! 子どものためというより、もっぱら自分が作って遊びたくなり実践!
作るのは簡単です。
本は非常に細かく、何センチに切って、紙の目に逆らわずに巻け、紙の目の方向の見方は…、音の雰囲気を変えるにはこうする、などと丁寧な記述やイラストつきの解説があり、とても体系的です。先生向けに書かれているのでしょうか。
が、実際音を鳴らしてみるだけなら紙も適当に切ればいいし、ボンドや壁紙用ののりでなく、セロテープで十分。
楽器の種類は、ラッパ、笛が主で、ほかにムチや太鼓もあります。
うちではまずラッパに挑戦。3分でできあがり。あっという間です。
では鳴らしてみましょう。…なかなかこれが鳴りません。
微妙な角度を保ち歯と舌でうまくストローを押さえ、頬に力を入れてプアー! やっと鳴りました。大人ならなんとか。では子ども。鳴りません。ほんの一瞬、プ!
それでも子どもは大満足、鳴った鳴ったと大騒ぎでした。
「紙で楽器を作る」という発想が、クラフト苦手だけど興味はあるけどあんまり面倒なのはいや、という私の魂にコーンと響いてしまいました。
なぜそれで鳴るのかという解説や紙楽器の使い方について詳しい事例の紹介があればもっと役に立つのに、それにカラーの紙でペイントなんかしてあるお洒落な作品の写真か何かあればもっと楽しいのに、という私の勝手な希望が強いため星は2です。
繁下さんという方の、切り抜いて作る楽器という本もあるようですから、今度はそれで試してみようかしら(さらに手を抜くつもり…)。

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紙の本まるごと一冊ロアルド・ダール

2002/02/10 13:44

まさに「まるごと」一冊、かな

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 あのユモリスト、ロアルド・ダールの挿絵付大全集。大きくて重くてゆっくりじっくり読もうと思ったら、一晩で読んでしまいました。そう、やっぱりダールは面白いのです。単行本として刊行されていないもの、書簡、詩なんかも収録されていて、ダール・ファンにはうれしい限り。でも、抄録なので、全集というより、ダールの面白さご紹介本という感じでしょうか。そういう意味では、あの厚さ重さと金額はちょっと割に合わないかな…?
 でも、うちでは子供が全集もの絵本が大好きで、装丁やいろいろなお話が入って挿絵もついているこの本にすっかりわくわくしてますので、子供に少しずつ読んでやったりしてます。おばけモモの冒険が気に入ったようなので(桃の実の中で、ムカデやクモや虫たちと暮らすことになるっていうすごーいナンセンスな設定が子供のお気に入り)、今度は単行本で買って読んでやろうと思います。
 そうはいってもやっぱりダールは大人向けですよね。ユーモアのある大人向け。大好きです。まあ、この本は一つの財産ですよ。

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千と千尋のふしぎ世界をじっくり観察!

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「千と千尋の神隠し」、アカデミー・長編アニメ賞受賞、おめでとう!
いやぁ、嬉しいニュースでしたね。授賞式に出席できなかった監督の「神隠しにあったと思ってください」というコメントも微笑ましかったです。
世界中で数々の賞をかっさらい、50年に一度の素晴らしいアニメ作品と言われたこの「千と千尋…」、アメリカでの公開決定までには実はかなりの悶着があったらしいですね。と、前置きはこのくらいにして、本題です。
この『「千と千尋の神隠し」のことばと謎』は、このアニメの主題や設定、ひいては宮崎作品に共通するテーマ性などを、ディテイルにわたり検証、考察していくかなりマニアックな内容の本です(ちなみに版元は私の大好きな国書刊行会! 発行元自体すでにマニアック! 大好き)。
古今東西に渡るさまざまな思想・文学に明るい筆者の時に奔放ともみえる分析が、実に爽やかです。
トンネルの入り口に立つ石人の意味くらいは、この作品を見た人ならすぐ思い当たるかもしれませんが、時計の文字盤や針の方向、何度か登場する月の満ち欠けと時間感覚の矛盾、看板の文字の意味、四季折々の花が一斉に咲き競っていること、二度登場する花の種類は夏の花しゃくなげだったことの意味、他の作品との類似点など、一回や二回観た程度ではとてもそこまで気がつかないかもという細かい部分が本当によく観察されていて、どの頁でも「ヘェ〜」「ホォ〜」「フゥ〜ン」とうなりながら読めるという珍しい本です。
この本を読んでからまた作品を観なおすと、細かい部分にまで演出が行き届いていることが本当によくわかります。
こどもに「ほらね、トトロのあの時と同じ花!」と言ってみたら、「ママってスゴーイ! 何でもわかるんだぁ」と誉められちゃいました。もちろん「そぉよ〜」と威張っておきました。観察するのって楽しいですよね。それがこどもにもわかったみたいです。
ということで、本文は観察の楽しみとして、話のネタとして、作品をもっと深く考えるきっかけとして、もちろん大変に興味深くおもしろいのですが、筆者の知的世界を垣間見られる「注」(各章に非常に丁寧な注がつけられています)は、さらにすごいのです。
シェークスピアの「テンペスト」の設定との対比、ミルトンの失楽園との関係なんて、考えてもみなかったような隠し球が、これでもか、これでもか、と飛び出してきます。きゃー、マニアック。素敵〜!

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紙の本しっぽ5まんえん

2002/02/10 13:30

一番大事なものなあに?を教えられる本

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 うちの娘にこの絵本を読んでから、「おまえの一番大事なものは?」と訊いてみると、「お花の模様のドレス!!」と返ってきました。「じゃあ、妹が泥棒につかまって、そのドレスと交換なら返してやろうといったらどうする!?」「イヤダァー!」「じゃあ妹は返してもらえないよねー」「イヤダァー!」と、このあと延々と親子の哲学的対話(レベルはちょっと…)が始まるのでした。
 とにかく、こういう考えるきっかけになる絵本を小さいときに読んであげることも大切なのかなーと思いました。

 大事なしっぽをなくしたら、たぬきのポンは「たぬき」のポンではなくなってしまうくらい大変なのです。しっぽは「たぬきのアイデンティティ」といったところでしょうか。しっぽのないたぬきなんて、とても恥ずかしくってこそこそしなくちゃならないし…。だからお家を売っても、どんなに高くっても、なんとしても取り返さなくちゃならないのです。
 この絵本には子供に考えさせるネタが一杯です。小さい子供のための国語の教科書のように使えます。

 上に書いた「たぬきのしっぽ」をテーマにすれば、自分にとって何が一番大切かを考えるチャンスになるし、しっぽを拾ってえりまきにしてしまういたちのズルさをテーマにすれば、うそをつくことの恥ずかしさや悪さ、ほかの人の大事なものとわかっていてそのままにしておく卑怯さなどについて、子供にとてもわかりやすく教えることができるのです。

 教えながら子供にまた繰り返し読み聞かせてやると、絵本のたぬきが最後にしっぽを取り返して、本当にうれしそうにしている絵が、子供にとってもまたうれしくてならないといったように、きらきらと目を輝かせるようになりましたよ。

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紙の本エミリー・ザ・ストレンジ

2003/04/12 19:28

一匹狼娘登場

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赤と黒の強いコントラストが、いかにも「つよい!」印象の絵です。宇多田ヒカル訳とは知らず、思わず手にとってみてしまいました。
エミリーはほんとに変な子なのです。ひとりになるのは怖くない、ほっといてほしい、自分の趣味がちゃんとあって、割と正義感が強くて…。つっぱっていて個性が強いパンクな娘。わたしはわたしよー!という強さが、全体ににじみ出ています。
実は自分の子どもに買ってやろうかと思って手にとったのですが、どの頁も絵の色彩が強くてとんがっているので、小さい子向きではないです。
昔、「赤と黒のエクスタシー」の売り文句で成功した映画(「天と地と」、角川のコピーはさすが、すごいですね)ありましたよね。今ではこのコピーが独り歩きして、いろいろなところで使われています。あれを思い出しました。
赤と黒の配色は、それだけでぐっと人の心をとらえます。見ているだけでドキドキしますね。この本もそうです。眺めているだけでドキドキします。
エミリー自身のキャラクターもそうです。強くてドキドキします。
小さい子供には強いですが、小学校卒業間近くらいになればちょうどよくなってくるのではないでしょうか。
わたしはわたしよー!という強さ、生きていく上で必要な場面が、誰にだって何度か繰り返しあるはずです。この本のドキドキする感じや、エミリーの強いキャラを、そんなときに思い出すことも役に立つことがあるのではないでしょうか。だから、まだ素直にドキドキして、ヘェーと思えて、だけどこの本の強さに圧倒されないくらいの年齢の子にちょうどよいと思います。その年齢は人それぞれだと思いますが。
いろんなことに臆病な男の子や男性にも読んで欲しいですね〜。

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紙の本おおかみと7ひきのこやぎ

2003/01/19 02:44

CDがよくできてます

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7匹のこやぎのおはなしCD絵本。小さいサイズ(大人の手のひら大)のボードブックで、絵はマンガ風です。
読み聞かせCDがいくつか欲しくて買ったのですが、CDは読み聞かせというよりはラジメーション的出来上がり。音効もBGMもちゃんと入り、声優さんが吹き込みをしてきちんとドラマ仕立てになっていました。意外だったのは、オリジナル挿入歌が2曲ほど入っていたことです。「おれたちゃわんぱく7ひきこやぎさ…」と調子のよいメロディーと覚えやすい歌詞で、少なくともうちの子供たちの心はしっかりとらえてます。今では毎日歌っていますよ。

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マジョーラ、マジョーリ…呪文がかわいいのです

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マジョマジョは魔女です。まほうのほうきが古くなったので、ほうきやさんに出かけます。やまねこのピートリィはまほうのくわばたけの中に住んでいる秘密のほうきやさん。マジョマジョはピートリィに教わって、「よくとぶ草」を煎じた汁を桑の枝にかけ呪文を唱えます。「マジョ〜ラ、マジョ〜リ、マジョ〜ル、マジョ〜レ、マジョ〜ロ〜!」そしてピートリィがほうきをしあげ、朝陽の力で新しいほうきのできあがり! ピートリィは古いほうきをくわばたけに植えて育てます。
まほうのほうきのことはほんとうはだれにもひみつなのですが、ちょっとだけ作り方を教えちゃう、とってもほんわかした絵本です。
ピートリィもマジョマジョも子どもに好かれるキャラクターのようです。
マジョマジョの呪文もなんとも安直ではありますが、それが子供たちに大うけで、「マジョ〜ラ、マジョ〜リ…」というところでは、片言の赤ちゃんまで、もにょもにょと笑顔で合唱。
マジョマジョは近所のおかあさん的外見で、やせていて人のよさそうなメガネのなかの眼がいつもわらっているようなキャラクターです(実は子どもの保育園の担任の先生に似てるのです)。
ピートリィは眼の大きなかしこそうなごきげんなネコ。
全体に楽しい雰囲気のほのぼのしあわせ系の絵本で、大人が最初ページをめくるととくにインパクトはないのですが、一度読んできかせると意外にも子供たちは次の晩も読んで読んでとせがむような絵本です。図書館で見つけたらぜひ試してみて、子どもが気に入れば買ってもよいかも。女の子が好きそうな本です。
ハロウィンの季節の贈り物にもいいですね。自分ではなかなか買わない本で、もらったら意外に子供たちにウケてうれしいという感じでしょうか。

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名作は英語でも楽しい!(英語・日本語のCDつき)

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ラボ教育センターのCDつき英語絵本シリーズのラインナップとして、ぐりとぐらのシリーズから楽しいクリスマスのエピソードが選ばれています。
雪の野原で大きな変な穴がずうっと向こうの方まで続いているのをみつけたおなじみなかよしコンビのぐりとぐら。罠かな〜?と覗いてみたりして、不思議がる二人ですが、それが誰かの大きな足跡だということに気づきました。
跡をたどっていくとなんと自分たちの家に到着! 中にはだれかが入った形跡(大きな長靴、大きな赤いコートなど)が見つかりますが、肝心の本人はみあたりません。ベッドにもお風呂にもいないのですが、最後に台所からいい匂いが…。なんとお客様はサンタさん。プレゼントにケーキを焼いてくれたのでした。
なんと心温まる、また子どもの夢をはぐくむお話でしょうか。シンプルで楽しい筋立てとかわいい絵、ちょっとシュールな展開も、英語版にしてまったく違和感ありません。ぐりとぐらはほんとに名作なんだなぁ…、と感心してしまいました。
本文は英語、和英対訳の小冊子も付いています。付録CDでは英語・日本語の順で段落ごとに交互に読まれます。シンプルなので、本当に子どもの英語入門用にもよいと思います。「おきゃくさまはだれだろう」という挿入歌も入っていました(こどもは歌が入るとほんとに嬉しいようです)。
日本語の方はおうちに持っている人も多いと思いますが、英語版はあまりないでしょう。そういう意味でもプレゼントにはなかなかよいのでは、と思います。シリーズはほかにもたくさん名作があります。

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うれしいうれしい春の訪れを楽しいやんちゃ坊主たちが代弁します(英語・日本語のCDつき)

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

春風たちがやってくるとまちの人たちが手を振ってニコニコあいさつ。「あ、春かな」というわくわくしたなんともいえない嬉しさを懐かしい気持ちで思い出させる絵本「はるかぜとぷう」。
子どもの頃読んだときは「はるかぜと、ぷう」と発音して、「ちがう!」と何度も言われた覚えが…。正しくは「はるかぜ、とぷう」です。
「とぷう」は、春風の子どもの名前で、ほかの春風の子どもらと動物園へ飛んでいって、動物たちとしばし戯れた後、他の春風の子どもたちのグループと出くわし、おおげんかをして大暴れします。が、ライオンさんにいさめられ、また、頭の「うずまきもよう」からすぐにお母さんにケンカしたことがわかってしまったり、かわいいエピソードが、全体にうきうきした春の雰囲気とやんちゃな春風のかわいさをうまく伝えるやさしい絵に載せて語られています。
私自身は信州育ちなので、厳しい冬の後の春の訪れの喜びは子ども心にもひとしお感慨深いものがありました。うれしくて、水の引かれていない田んぼの中を突っ切って、靴を泥だらけにして走り回り、うきうきわくわくした自分たちの気持ちが、この絵本の中にいっぱい閉じ込められているような気がして、何となくいとおしい、子供時代のお気に入りの一冊でした。「なんでこの本が好きなの?」と訊かれて、理由がうまく答えられなかったのもよく覚えています。
この本は、本文が英語です。CDつきの絵本を探していて、見つけました。CDの方は、英語・日本語を段落で区切って交互に読み上げます。車での移動のときなど、お話のCDは大変役に立ちます。英語と交互なので、大人が聴いても勉強になります。和文英文の対訳も別冊の小冊子に付いていますが、できることなら、本文に対訳で載せて欲しかったですね。

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紙の本マドレーヌのクリスマス

2002/10/19 16:03

一番素敵なこと

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世界中で愛されているマドレーヌのシリーズ。実は私はついこの間まで知らなかったんです。帰国子女の友人が、とってもかわいいお話よと、マドレーヌ入門書(?)「げんきなマドレーヌ」を子どもへのプレゼントにくれました。それからほんの一と月ほどですが、子どもが他のも読みたいとせがむように…。
パリのキリスト教寺院の寄宿学校でミス・クラベルとくらす12人の女の子。一番小さいけど一番げんきなのがマドレーヌです。彼女の周りではいろいろな事件が起こります。魔法や冒険や、小さな女の子がわくわくするようなことがとにかくいっぱいおこるのです。
母親の私もついつい一緒になって、ワァオモシロイ、ワァスゴイと不覚にも??乙女チックに喜んでしまいました。
そんなマドレーヌのかわいいお話の中でも、冬になったら絶対3日に一度は読まされるだろうと予想されるのがこのクリスマスのエピソード。
冬になって、マドレーヌ以外のみんなが風邪をひいて寝込んでいます。ミス・クラベルまで! マドレーヌはげんきにみんなの世話をします。そこへじゅうたん屋さんがやってきて、マドレーヌは12枚の小さなじゅうたんを買います。このじゅうたん屋さん、全部売ってしまったら寒くてカチンコチンになってしまいます。マドレーヌがじゅうたん屋さんを溶かしてあげて介抱したら、実はこの人は魔法使いで、魔法で食事の後片付けをして、じゅうたんを空とぶじゅうたんにしてくれました
(オイオイ、魔法使いなら凍りついたりしないだろうに…、とまあそんな突っ込みもしたくなりますが、そこはかわいいマドレーヌのお話、次の展開があまりに素敵なのでそんな疑問もマアイッカと明るくやり過ごせてしまうのです)。
女の子たちはじゅうたんに乗って空を飛び、遠くの両親のもとに帰ってクリスマスを過ごし、そしてプレゼントを載せてまた飛んで帰ってきます。
新版の江國訳も素敵ですよ。
ところで、このお話、お話だけでは子どもにはこのストーリーがよくわかりません。絵を見て、女の子たちがプレゼントをじゅうたんに載せて帰ってきたのをよく観察して、きっと楽しいクリスマスだったんだろうなぁ、両親と遠く離れて暮らすのってさみしいだろうなぁなどと、想像力を働かせなくてはなりません。読み聞かせの時には、子供たちに解説してやることも必要です。
読み終わった後、「このお話、何が一番素敵だった?」と訊いてあげましょう。
家族と一緒にクリスマスを過ごせたことが一番のプレゼントだったことを、子供たちにそれとなく教えてやりましょう。
ちょっとセンチになっちゃいますが、シリーズの中でもマドレーヌのけなげさが一番実感できるし、子どもにもしみじみきたようで、これを読んでからうちの子の中でのマドレーヌの評価がぐーんとアップしたみたいです。そうなると他のエピソードも楽しくて仕方ありません。
どろくさくないお洒落な浪花節的エピソードなのです(そんなの浪花節って言わないか…)。が、「マドレーヌ」を日本の子どもが理解して楽しむためには必須のエピソードかもしれません。
ちなみにもうひとつの浪花節(周囲の登場人物の人情がわかる)的エピソードは「ジプシー」のエピソードです。

ところで、「マドレーヌ」を紹介してくれた友人によれば、マドレーヌの英語版はとてもリズム感があって、少女時代声に出して読むのも楽しかったそうです。

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紙の本済南賓館物語 新装版

2004/04/05 02:53

日本人女性が救う?中国伝統料理の世界

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済南賓館は、四谷の駅近くのマンションの奥に店を構える中華料理店。店を切り盛りするのは佐藤さんという老夫婦だ。中国料理の教室も開かれている。おっとりとした物腰ながらも芯に底知れぬ強さを秘めた奥様、そして情熱的な語り口が印象的な旦那様。二人が日本で伝えているのは、中国の伝統料理、すべての中華料理の源流といわれる山東料理だ。この店に出会ったのは、佐藤老夫婦が主人公のドキュメンタリー映画「味〜Dragon Cuisine」がきっかけだった。
奥様の孟江さんは中国で育った。女学生時代、街の露天で食べ歩きしたおいしい料理に魅せられ、中華料理の修行を始める。当時由緒ある料理店の厨房に女性が入ることは困難だったため、男装までした。彼女は日本に帰るまでに何千種類もの山東料理を覚えたという。
中国本土では文化革命時の伝統排斥によりすっかり廃れてしまった山東料理を日本で守りつづける孟江さん。彼女は料理に砂糖を使わない。ラードや砂糖、化学調味料をふんだんに使う昨今の中華料理は本物の中華料理ではないと彼女は言う。そんな彼女の料理は、非常にさっぱりとしていながらも中国の風味がしっかり出ている不思議な気品の漂う料理だ。
夫婦は、毎年中国に呼ばれ、料理学校で特別講義も行っている。彼女の夢は、中国に帰り、本物の中国料理を若者たちに伝えること。彼女の故郷は、生まれ育ち、青春時代をすごした悠久の大陸なのだ。が、彼女の前に、「現代中国」が容赦なく立ちはだかる。でも彼女は決して諦めない…。
映画の種本になったこの「済南賓館物語」は、そんな佐藤孟江さんの生い立ちから中国のすばらしく豊かな料理文化との出会い、修行時代、帰国後の波乱の人生、今のご主人と出会い、東京に店を開き、中国で山東料理を教えるようになるまでを描いている。淡々とした語り口調ながらも、中国の料理、風土、文化への彼女の愛と尊敬の気持ちが深く深く伝わってくる内容だ。
冒頭部には中国の伝統料理、家庭料理の定番メニューのレシピが写真つきで紹介されている。実際私も試してみたが、簡単でなかなか美味しかった。じゃがいもの細切りと糸寒天を炒め合わせる「炒土豆絲」は、意外な食感が病み付きになってしまったくらい。
激動の時代を生きぬき伝統を今に伝える一人の女性の強さ、青春時代の夢を心に今も温め、「良いものは良い、それを残さないのはおかしい」という単純明快な信念に従って行動する爽快なほどの人物像には感動を禁じえないものがある。

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ついに完結!本物の医者が解説するBJの腕前

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手塚治虫の傑作マンガの一つブラックジャックを、本物のお医者さんたちが解説するシリーズ第三巻。完結編です。
メインの症例カルテでは、BJ作品中に登場する病気、けがなどが各専門分野別に紹介されています。病名、症状の簡単な説明、患者のプロフィール(不明、不詳が多いですが)、治療費、診療内容、あらすじ、担当医による処置の評価(メスの本数で表現)、評価の理由、「私ならこうする」という判断、その病気の現況などが盛り込まれています。

第一巻では、さらに架空症例(木の葉人間、鳥人間?)をお医者さんたちが語り合う特集コーナーがありました。

第二巻の特集は、精神科のお医者さんのコラムと架空手術(暗闇の中での手術、ミイラや宇宙人、幽霊の手術、鏡を使って自分で自分に施した手術(スゴイ!)など)についての対談でした。

そしてこの第三巻では、症例カルテの頁数はぐっと抑えられ、「病める日本!BJからのメッセージ」という特集と、封印作品と呼ばれる、雑誌に一度掲載されたがコミック等には収録されなかったいわゆる幻の作品の紹介ページが全体の半分ほどを占めています。
前者のコーナーでは、現代社会と医療をめぐる問題が様々なトピックについて取り上げられ、自分自身を実際に取り巻く世界とBJの世界との重要な関わりを改めて感じました。突発する奇病、子供の心の問題、医療ミス、公害、美容成形、不治の病、告知、安楽死…。現代日本のデータと、BJの判断、そして現場のお医者さんが「私はこう思う」と語っている意見の数々。医療関係者ならではの視点もあります。急増する美容成形というトピックで、「醜形恐怖」(自分の外見が周囲に不快感を与えていると思い込む)という病気が紹介されているのですが、実は若い男性に多いということにちょっと驚きました。

さらに、全巻ともコラムが挿入されていますが、これが、BJに登場する医師や不良少年の徹底比較、姓名判断、形成手術前後の顔相比較、BJのトランクやコートの中味、格闘術の分析など、なかなか凝った内容なのです。

完結編最後の症例カルテは、子宮癌。学生時代BJが想いを寄せていた如月めぐみ(現在は船医)の子宮全摘出術でした。処置も腕前も最高といいながら、担当医の山畑氏は珍しく辛い評価、メス1本としています。女性の気持ちを踏みにじっている、ほんとに愛してたの?というのが彼の評価理由のようです。(ちなみに、山畑医師は幼い頃からのBJファンで今は救急医。国際線の飛行機の中でドクターコールがあったとき、自信を持って名乗り出られるようになりたいというのが救急医となった理由なのだそうです。きっとBJのように素敵なお医者さんなのでしょう。でも手術中に歌を歌うというのはどうかなぁ…)

治療費の額は、今見るとコミックスで読んでいた当時ほどの衝撃は感じませんでした。対ドルレートと物価上昇率から現在比較する指標なんていうのが考案されていたりしないかな。確かもっと驚きがあったと思うのです。現在かかる実際の治療費の額や、「私ならいくら請求する」なんていう情報も入っていたら、さらに面白かったと思います。
でも、中には「日本一うまいすし」なんていう代価もありました。お金では換算できないものの価値を知っていて、患者を「生きる」勇気に向かうよう励ます人間BJの姿勢に、今も感動は変わりません(すぐ泣く私は、日本一うまいすしという文字を見ただけで、涙とよだれが出てしまいました。食べたいよね、やっぱり…)。

私は父(医者で手塚治虫の作品はほとんど読んでいるフリーク)に三冊まとめてこの本を贈ろうかと思ってます。
アトム誕生の日も終わり、クローン人間も誕生するかという2003年。手塚治虫見直し機運も高まっている中、関連本に注目していますが、このシリーズは特に、本物のお医者さんがBJを熱く、でも冷静に語っていて、本当に興味深いです。

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紙の本こびととくつやさん

2003/01/19 02:59

CD挿入歌に微笑む!

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おはなしCDつき絵本シリーズは、手のひら大のボードブックで、名作や有名な昔話を非常にシンプルに構成しなおしてマンガ風の絵の小さな絵本とCDに収めたものです。本の感じは童謡のCD絵本のような感じです。
「こびととくつやさん」は、はたらきものだけど商売はさえない靴屋さんが最後の材料(革)を使って靴を作ろうと思ったら、夜のうちに立派な靴ができていて、それが高く売れたので、また革を仕入れておいたら、次の朝また素敵な靴が出来上がっていて、ふしぎに思った靴屋夫婦が夜そっとのぞいてみたら、小人たちが靴を作っていたというお話です(でも、小人たちへのお礼に小さな靴と上着を作って置いておいたら、もう二度と現れないのですが)。
お話は単純化されているし、絵もシンプルなものですが、CD自体はよくできています。ラジオドラマ風にちゃんと音や音楽もついていて、声優さんが吹き替えしています。挿入歌は「ヘイホホー、ヤッホホー! おれたちゃ、こびっと〜…」と元気なオリジナルソング。今は子供たちの十八番になっています。帰省の長旅などには役に立つCDです。うちの下の娘(1歳)も、この曲が大好きで、語尾だけあわせて「びっと〜」「てきた〜」と歌って頭を左右に振ってうれしそうに踊っています。乳幼児向けです。

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