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まめさんのレビュー一覧

投稿者:まめ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本コンセント

2002/02/26 23:38

ラストは笑うとこか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これは多分、好みが分かれるでしょう。好きな人はすっごくハマると思うけど、何じゃこりゃ!! って人もいるだろうし。ちなみに私はやや後者かな。精神世界系のお話はちょっと判断保留というか、理解しかねる。
 
 ユキの兄は元々感受性が強くて、周りの感情に共鳴し、進入される“通電している状態”が耐えられなくなってしまった。コンセントを抜いた、一般人から見ると精神を病んでいるように見える状態でいる方が幸せで、そっちの世界の方を選んだのだろう。

 また“カイタイ”すると —宗教で言う解脱みたいなもので、今までの自分ではなくなり、シャーマンとしての能力が開花すると言うのだが、この辺は百歩譲ってまだ付いて行けるかな。ちなみに自我が弱いと“カイタイ”の途中で自分自身の自我が崩壊して、精神病扱いされてしまうのだそうだ。そして物語の中で兄は“カイタイ”して行くユキの導き手を担っている。

 ユキ同級生の律子は言う。「シャーマンは壁に付いている穴の方。その穴は見えざる世界と繋がっていて、シャーマンを訪れる人は自分のプラグをコンセントに差し込むと、神の世界と繋がることができる。」仰天のラストに向けて中々深い言葉である。

 〜みたいとか、〜そうだとか、曖昧な言葉の多い感想になってしまった。まとまらないから長いし。
 さて、後書きによると『アンテナ』はこの作品の続編、『コンセント』のラストは『アンテナ』に引き継がれる1つのサブストーリーなのだ、とのこと。プラス『モザイク』まででシリーズ三部作。だから今回のオチは気にするな、と?
 それにしてもあのラストはないよなぁ。一応続編未読なので甘めに評価。

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紙の本受精

2002/02/20 01:43

優秀な遺伝子と言われても、選ばれたくない

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 「死んだ恋人の子供を産める」と持ちかけられて、何の疑問も差し挟まずにほいほいブラジルくんだりまで行くとは、危なっかしい主人公である。最初はそんな思いばかりが強く、精神的に参っている人間を騙して洗脳する手口も新興宗教っぽく感じて、たるい展開だと思っていたが、妊婦が殺害されたあたりからテンポが良くなって来る。

 遺伝子診断チップを利用してある目的のために資金をかき集める。その謎が明らかになって行く過程はうならされた。舞子が優秀な遺伝子を持っているから“選ばれた”らしいが、その情報はどこから漏れているのかと考えると、日常の中にある怖さも感じたりして。

 医学的知識ゼロの私だが、ツムラ医師と友人の弁護士・サカガミの間での遺伝子診断商用化の是非の話には、真面目に考えさせられた。
 補足になるが、私が上に書いた“新興宗教っぽい手口”は、素人的には怪し気に感じるものの、文庫本解説によると「精神疾患の治療法、あるいはその意図的な悪用のお手本のような運びである」との元医学部教授のお墨付。

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紙の本しのびよる月

2002/02/10 03:26

犬猿の仲?いいコンビ?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 御茶ノ水署・生活安全課保安二係は、斉木と梢田の2人きりの、こじんまりした部署。この2人、実は小学校の同級生同士。ガキ大将だった梢田といじめられっ子の斉木。今や立場は逆転し、斉木は警部補、梢田は平刑事。2人は喧嘩しながらも数々の難事件、迷・珍事件を解決して行く。1話完結の短編スラップスティク・ミステリー。

 斉木と梢田の掛け合い漫才のようなやり取りが最高。ベタなオヤジギャグについ笑わされ、物語に引き込まれてしまう。話的には短編と言うこともあり、謎解き前に全部の布石が明らかになっているわけでもないが、その辺には目を瞑ってもいいかと思わせる程、キャラクターの魅力が際立っている。続編を是非お願いしたい。

 主人公の設定は違うけれど、テイスト的には宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ』に似ている気がする。全6話のうち、私の一押しは表題作でもある『しのびよる月』引っぱられた後のオチが最高。最後のセリフは自分が言われたら怖いだろうな〜〜。

追記:これがシリーズ1作目かと思ってたけど、『情状鑑定人』の中の『暗い川』って作品に登場してました。

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紙の本孤独の歌声

2002/02/26 23:51

孤独を愛するか愛せないか

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 『永遠の仔』の天童荒太の優秀作受賞作。

 物語は風希・潤平・“彼”が章ごとに一人称で語り進めるので、共感できるか否かは別として、それぞれの心情がわかりやすく、非常に読みやすい。“彼”の存在も初めから明かされており、女性を監禁しているシーンの描写がリアルタイムになるので、“彼”の異常な行動と表の顔のギャップの怖さも真に迫ってくる。とは言え、犯人の怖さは貴志祐介の『黒い家』ほどではなかったが。

 風希がなぜ行方不明の女性に過剰反応を示すのか、潤平が郷里を出てきた本当の理由、“彼”が狂気に駆り立てられていった原因。3人の過去に抱えた心の傷が次第に明らかになってゆく。その過程がどんどん面白くなってきて読む速度がアップした。
 
 風希の「1人でいるのは淋しいと周りは何故決め付けるのだろう?」という疑問には、個人的に大きく頷いてしまった。“淋しさ”の基準ってもちろん個人差があるに決まっているのに、孤独を愛する者にしてみれば大きなお世話だよな、と。

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紙の本ガダラの豚 1

2002/02/26 23:47

学者は嘘はつかん。よく過ちをおかすだけだ(大生部の言葉)。

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 最高に面白いエンターテイメント。新興宗教・超能力・呪術といった、胡散臭さを感じながらも気になる題材が、絶妙のバランスで散りばめられている。94年の日本推理作家協会賞受賞作。

 第1部では、大生部が奇術師・ミラクルの手を借りて、新興宗教にのめり込む逸美に教組の“奇跡”を暴いて見せる。自分の目に見えるものが正しい情報だとは限らない、色々と騙しのテクニックはあるものだ。心の隙間を突いて洗脳するための“合宿”等々、新興宗教の裏も垣間見られる。少し加筆したらこの1冊だけでも十分面白い本になりそう。

 第2部以降は一転、科学的に説明のつかない“呪術”が絡んだ展開に。“カラバル豆の裁判”—潔白ならば毒入りの豆を食べても死なないとされる—は効果絶大。呪術師が社会の安全弁として裁判所的役割を果たしているのだが、全員が呪術を信じているコミュニティの中では“呪い”って絶対効きそう。吐いた言葉に災いが宿るってね。

 東京に戻った大生部達に、バキリの影が忍び寄り、犠牲者が続出。「こいつも死んじゃうのか!!」と驚くのも束の間、一気に怒涛のラストまで読まされた。バキリの“キジーツ”についてはとにかく本書を読んで欲しい。
 物語の構成、無駄無くスピード感のある展開、キャラクターの魅力、大円団のエンディング。とにかく面白かった。

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