敷村良子さんのレビュー一覧
投稿者:敷村良子
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文章読本さん江
2002/03/10 13:41
文章道の聖域にメスを入れる!文章読本を読み解く新しい視点
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そうだ、こういう視点があったのだ。鋭い切り口で聖書からベストセラーまで、痛快に批評する文芸評論家、斎藤美奈子が、文章界の聖域、文章読本に分析のメスを入れた。
そもそも、文章読本とはいったい何なのか? 文豪やベテランのジャーナリストが、どうだ、まいったかとぶちあげた文章道の指南書を、私たちはへへーっ、参りましたとひれ伏し、お手本にして本棚に飾ってきた。なにも文章をしのぎとする人たちだけではなく、私たちは国語の時間に、こうすれば文章が書ける、こう書くのが良い文章だと、いろんな決まりごとを教えられる。でも、そうやって9年以上教えてもらっても、名文美文が書ける? センセイの言ったことって、ホントなの?
著者は独特の視点から文章読本を読みとり、今まで気付かなかったことを提示してくれる。プロ中のプロを自ら標榜するお家元たちが、あたかもオリジナルな流派として開陳したかのように見える文章論やノウハウも、いくつかの類型にまとめられ、その内容はとっても権威主義的。ただ単に文章でメシを食っている人だからといって、その人が的確な文章作法をわかっているわけでもないらしい。思想の包み紙=文章について語ること、つまり文章読本は文章道の家元たちの思想の包み紙だったのだ。
文章は生きもの。時代が変われば文体も変わる。最大の文章革命、明治時代の文語から口語への流れや作文教育を、著者のリードでたどっていく、そのプロセスがおもしろい。日本人は、誰が、いつ、どんな内容を書いた文章を名文とし、ありがたがってきたか。文章=スタイルそのものが、どういう性格のものなのか見えてくる。文章読本を読み解く新しい視点が得られる一冊。
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