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むた さんのレビュー一覧

投稿者:むた 

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宇宙へのパスポート ロケット打ち上げ取材日記1999−2001 新版

2002/03/17 19:44

一気に読んでしまいました

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1999年9月のH-IIロケット8号機の打ち上げから始まり、2000年10月のスペースシャトル、2001年7月のアリアンV型ロケット、同年8月のH-IIA初号機までの取材記録です。

 しかし、ただの取材記録と思ってはいけません。打ち上げに至るまでの経緯やらその場の雰囲気やら報道陣の姿勢まで書かれた、まさしく日記なのです。読んでいるうち、僕も実際に立ち会っているような感覚になりとても面白く読めました。気付いたら一日(実質5時間ほど)で最後まで読んでしまったのです。時間を忘れるとはこのことを言うのでしょう。

 僕は一応理系学生ではありますが、ロケットとはほとんど関係ない分野にいるために、ロケットに関する知識は全くありませんでした。ですが、この本は注釈や技術的なコラムが豊富で、それだけを読んでいてもロケットとは如何なるものか多少なりとも知ることができます。幸いにも(?)手に入れたのが第2刷であったため下の書評で松浦晋也さん本人が書かれているような誤記も無いようです。安心して読めます(笑)

 何よりも勉強になったのは日本と欧米の報道記者の違いです。作者の笹本祐一さんは、とにかく日本の記者の無知ぶり、不勉強ぶりを嘆いております。それに関してはH-II8号機とアリアンVの打ち上げ後(どちらも失敗)の記者の態度を比較すると鮮明に表れてきます。僕自身も、ロケット打ち上げ延期になる度に「また延期かよー」と不満を漏らしていたのですが、この本を読んだ後は態度を改めようと思うようになりました。僕のように「なんでこんなに延期ばかりするの?」とか、あるいは「税金の無駄遣いでは?」などと思われている方には是非ともお薦めしたいですね。

 ロケットやその打ち上げに対する興味を深めてくれるとても面白い本です。いつかは僕もロケット打ち上げを見てみたいと思いました。

 ああ、フーターズ行きたいなあ。

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