Y.TOOYAMAさんのレビュー一覧
投稿者:Y.TOOYAMA
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2002/07/12 13:59
誰が読んでもその人なりに得るところが必ずあると確信する良書
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この書はサッカーファンにおまかせ、と、関心を持たなかったがとんだ見当違いであった。
「わたしたちは精神性について多くを語りすぎる。生命の深い本質、死に対する認識についてと同様、精神性についても、語れば語るほど、それに思いを巡らせること、それを自らの経験として生きることがなくなっていく。私は今現在という時間の中に、ひとつの道筋「私の」道筋を見出した…」(引用)
彼はズバズバと斬るように語る人物なのではと感じられるほど、一言一言が確信に満ちている。
彼が深い信仰心をもった人との出会いとその実践から、彼の真髄からの人間性の開花されていった様子がよく著わされている。当然スポーツマンであるから、サッカーにかける情熱は熱く語られ、挫折や苦難の辛酸をなめながらその世界で生き抜き勝ち取ってきた道程において、生命の探求ということ、生きることの価値をつかんでいった事実が終始 実に如実に綴られ、その心の奥行きには驚愕する。またその「価値創造」はスポーツの次元にとどまらず、すべての人間に可能であることを示されているところが、悩み多き人には共感と励ましを、そして多くの人にも希望と勇気を与えるところにもっとも感動する。
私は彼のことをサッカー界の勝者であり、人間としての勝利者でもあると感じたのだが、その人物が
「これは終わりのない戦いだからね。でも、一般的な物の見方の間違いがどこにあるのかは、わかったつもりだよ。自分の気に入った物だけを所有し、気に入らない物は避ける。これが間違いの元なんだ」
と、どこまでも「生きる」ということに謙虚にして力強く戦いを繰り広げ、挑戦していく姿勢が勝利者の証、強さ、価値観、生き方なんだと激しく思い知らされた。
性別、職業、趣味の違いや、また性格やメンタル面での、たとえば傲慢であるとか怠惰であるとか、真面目であるとか等々キリがないがそういった区別なく 誰が読んでもその人なりに得るところが必ずあると確信して、この良書をお薦めいたします。
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