平凡社 三沢秀次さんのレビュー一覧
投稿者:平凡社 三沢秀次
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昭和浪漫ロカビリー 聞き書き:ジャズ喫茶からウエスタン・カーニバルへ
2005/05/19 18:10
編集者コメント
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本書『昭和浪漫 ロカビリー』は、歌手でライターのビリー諸川(もろかわ)が、“ロカビリー三人男”と呼ばれた平尾昌晃、ミッキー・カーチス、山下敬二郎をはじめとした15人の歌手たちに、ロカビリーの旋風が吹き、ジャズ喫茶で熱狂のステージが繰り広げられた時代の話をインタビューして、その証言をまとめた単行本です。
著者は1957年(昭和32年)、東京に生まれ、中学3年のときにテレビの深夜映画で見たエルヴィス・プレスリーの魅力の虜となります。座右の銘を“生涯ロカビリー”とし、ロカビリーをうたい、記事を執筆してきました。
1988年には、メンフィスのサン・スタジオで、エルヴィスのバック・ミュージシャン(ジェームス・バートン、グレン・ハーディン、チャーリー・ホッジ)と『J・B サン・セッション』(BMGファンハウス)を録音しています。著書に『心のうずくとき』(KKベストセラーズ)、『ギター1本うたい三昧』(太陽社)など、CDに『昭和ロマンビリー』『ナ.ガ.シ.マ』(コニシス エンタテインメント)などがあります。
その後、第1回日劇ウエスタン・カーニバル(1958年)から40周年の節目の年には銀座のライブハウスで“ロカビリー三人男”のライブのプロデュースをし、また、当時ステージに立った先輩歌手たちと共演する機会も得ました。
先輩たちのプロとしての姿勢、あらためて感じたロカビリーの魅力、楽屋で聞いたエピソードのかずかず、そして観客たちの幸福感にあふれた笑みなどに触れる度に、「ロカビリーがあった時代」を生の証言で残したいと思い至りました。また、当時の証言を活字として残すことは、日本の音楽史においても大切なことではないかとも考え、2003年から聞き書きを始め、本書の刊行に至りました。
序文には、音楽評論家の湯川れい子さんに、あたたかいご文章をいただいております。また、巻末には1945年〜64年にかけての世相・歌謡年譜が添えてあります。
今年の夏は終戦後60年となります。この証言集には、エピソードに彩られた音楽界の変遷と、敗戦から高度成長へと力強く歩みを始めた「昭和」が書かれているのではないかと思います。お読みいただけますと幸いです。
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