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開 一夫さんのレビュー一覧

投稿者:開 一夫

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読者のみなさんへ

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大学で心理学の授業にまじめに出た人は、ピアジェ(Jean Piaget. 1896-1980)という名前に聞き覚えがあるはずです.ピアジェはスイス出身の研究者で、心理学・哲学・教育学など数多くの研究分野に非常に大きな影響を与えました.現在でも心理学系の研究論文で引用される頻度はトップクラスです.彼は生涯にわたって数十もの著書を執筆していますが、そのどれもが難解なことで有名です.しかし、彼の理論の根拠となっている「データ」は驚くほど単純です.ピアジェは彼自身の3人の子ども−ジャクリーヌ、ルシアンヌ、ローラン−を対象にした「実験」にもとづいて、現在でも諸分野に影響を与えている大理論を構築したのです.
さて、この本は、そのピアジェにあやかって、題名を『日曜ピアジェ』としました.とはいっても、ピアジェの研究業績について紹介した本ではありません.ピアジェの著作は難解であるがゆえに、これまでに多くの「ピアジェ研究本」が出ています.ピアジェの理論に関心のある人は、彼自身の著作に挑戦するか、あるいは、これらの研究本をご覧ください.
また、この本は、いわゆる「賢い子どもを育てる」ための本でもありません.少し大きめの書店には必ず育児書コーナーがあり、いろいろなタイトルの本が出ています.「天才児」を育てたいと企てている人は、どうぞ育児書コーナーの「天才育成本」をご覧ください(成功するかどうかは保証できませんが……).
この本は、認知科学(心の科学)の本です.とくに、誕生から2歳になる前くらいの「赤ちゃん」を通して、心(Mind)について深く考えてもらうための本です.私たち大人が、ふだん何気におこなっていることも、「赤ちゃんの目」を通して見ると、それがどのようにしてできるようになったのか、最初はどうだったのか、たくさんの疑問が湧いてくるはずです.

僕は赤ちゃん研究者です.赤ちゃんの脳と心の発達に関心があります.僕には、赤ちゃん研究をやってきて本当によかったと思えるときが2つあります.一つは、実験をする以前には予期できなかった意外な結果が得られたとき.そしてもう一つは、研究室に来てくれた赤ちゃんがにっこり微笑んでくれたときです.
じつは、このどちらも赤ちゃん研究者の特権というわけではありません.読者のみなさんも、かんたんに体験できることなのです.この本は、誕生から2歳ごろまでの乳幼児を対象とした6つの「実験」を、読者のみなさんに自らおこなってもらうことで、「心(Mind)のメカニズム」について考えることを目標としています.
実験をおこなう時期はあくまで「目安」です.多少、時期がずれていてもかまいません.どの実験から始めてもよいし、少し時期を早めておこなってもかまいません.また、「実験」といっても特殊な装置などは必要ありません.赤ちゃん(被験児)さえ身近にいれば(あるいは、もうすぐ生まれてくる予定があれば)、一般の家庭や産院でも安全・簡単に試してもらえるように、実験の目的と方法、そしてポイントが書かれています.
僕はこの本を、とくにお父さんたちに読んで(使って)ほしいと思って書きました.つかの間の休日、どうぞピアジェになった気分で、赤ちゃんと向き合ってみてください.ピアジェほどの洞察力がなくても、必ずたくさんの発見と感動があるはずです.本書が、そうした発見と感動のきっかけになれば幸いです.

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