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霞 さんのレビュー一覧

投稿者:霞 

26 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本村をはなれて

2004/09/30 15:01

“結婚”と“独身”、どちらが幸せ?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品を読んでいると「結婚」に関して一生懸命に考えたくなってくる。ミス・リードは“ミス”を見ても分かるように独身生活を送っている。しかし彼女の周りの殆どの人たちは結婚をしている。今までの作品でも彼女と結婚をしている人たちの生活が対照的に描かれていた。しかしこの作品はこの「結婚」と「独身」と言う二つを真っ向から戦わせているような筋書きになっている。

ミス・リードのような独身生活者を見ていると独身というものは大変良いものだという感じを受ける。自分で好きなように時間を使い、自分で稼いだお金も自分でやりくりをして好きなように使う事が出来る。何か問題が起きたとしてもそれは自分の撒いた種であり、自分が撒いた種を刈り取るのも当然自分の仕事なわけで、他の人からとやかく言われたり迷惑をかけられたりするような事は殆どない。もし仮にそう言う事があったとしても自分の生活の外で起こった事として客観的に見る事が出来る為、気持ちにゆとりを持ってその問題に立ち向かう事が出来る。しかし、独身生活を一生送ると言う事は、いずれ年老いた時に寂しくなってくるかも知れない。頼る人が誰もいなければ尚更。若い間は良い。しかし、年を取ってくるとやはり誰かを頼りたくなってくるもの。そうなった時にどうやってそれを乗り越えていくのか。こういう事を考えるとやはり結婚するという事は大切な事のように思えてくる。

しかし、この作品では結婚したが為に抱え込まなければならない問題についても沢山書かれている。それらの問題は決して自分自身に非があるわけではなく、夫が持ち込んだ問題ばかり。結婚すると確かに何かと心強かったり、寂しいと思う事も少なくなるだろう。しかし、夫が持ち込んでくる深刻な問題にも立ち向かっていかなければならない。独身なら抱え込む事がないであろう問題を沢山抱え込む事になるのだ。そしてそれらの問題が時として自分の生活や人生をめちゃくちゃにしてしまう事もある。心配や気苦労と言った感情的な問題も沢山抱え込む事になる。そう言う事を全て考え合わせると、どうしても結婚する気にはなれなくなってしまう。

この作品を読んでいると「結婚」と「独身」のどちらが幸せなのだろうと考えずにはいられない。そしてミス・リードもそう言う事を考え、夜が眠れなくなってしまう。結局彼女は自分なりの答えを見出すのだけれど…しかし、本当にそれが正しいかどうかは死ぬ間際になって分かるのだろうと私は思う。その時になってみないと答えは出ないだろう。

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人間と妖霊、どっちが悪?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今まで様々な妖霊が登場する本を読んできた。しかしどの作品でも主人公は人間に設定されており、召還された妖霊は大抵の場合悪く書かれている。だが、この作品は違う。妖霊にもそれぞれ性格というものがあり、どこか愛嬌のある妖霊が沢山登場する。この作品を読んでいると妖霊に関する考え方が一変する。何故ならこの主人公はまさしくその妖霊なのだから。

大変面白いと思ったのは妖霊から見た人間の姿。人間を主人公にして妖霊のを書くと、妖霊は大変狡賢く、いつでも人間を出し抜こうとしている。しかしこの作品では妖霊が主人公。妖霊から見た人間の姿はどうかというと…これまた大変鼻持ちならない。大変狡賢く、妖霊を出し抜こうとしているのだ。このように書くと「おや?」と思う人もいるだろう。そう。妖霊から見た人間は人間から見た妖霊と全く同じなのだ。いや、むしろ人間の方が汚いかも知れない。妖霊同士はよほどのことがない限り、お互いを傷つけ合ったりはしない。しかしこの作品を読んでいると人間は妖霊同士でもしないような事を平気でしている。私利私欲という醜いものの為に。

妖霊という存在に悪い固定観念を抱いている人にはぜひともこの作品を読んで頂きたい。妖霊と人間、果たしてどちらが悪い存在なのか。こういう作品を読んだことがなかった私にとってこの作品は大変面白く、何度でも読み直してみたくなる作品だ。

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紙の本魔空の森ヘックスウッド

2005/03/21 14:56

大人向けのファンタジー?

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正直言って読みにくい。カタカナの名前が覚えられない人にとってはかなり辛い作品なのではないかと思う。何故なら同一人物なのに名前が二つあったりするから。全く違う人物のように書かれていても、読み進めるとさりげなくある人物と同一人物であることが書かれていたりする。その時、その名前と人物描写が頭の中できちんと整理出来ていればすぐにイコールで繋げることが出来るけれど。カタカナの名前が苦手な人にとったらそれはかなり無理なのではないだろうか。カタカナの名前に慣れている私でも読み進めるのはかなり辛かったから。

更にこの作品の時間経過はめちゃくちゃ。最初から読み進めていると突然時間経過が一気に進むことがある。かと思うと今度は突然過去へ戻って来たりする。しかし実際の時間経過は丸一日も経っていないと言うのが現実。きちんと頭の中で整理し、一つの章と一つの章の時間は全く別物なのだと言うことを認識していないと、読み進めていくほどに訳が分からなくなってしまう。こんなに読みにくい作品はないと思う。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズは「ハウルの動く城」シリーズや「大魔法使いクレストマンシー」シリーズが有名。これらは純粋なファンタジーと呼べる作品。魔法が出て来たり魔女が出て来たり、現実では考えられないような生き物が登場したりする。しかし、今回のこの「魔空の森 ヘックスウッド」はやけに現実めいている。それでいて魔法が出て来たり、現実では有り得ないような現象が起こったりするのだ。何故このような作品を書こうと思ったのか分からない。ファンタジーになり損ねたファンタジーという気がするのだけれど…

ただし、言いたいことはよく分かった。森を大切にしよう、という気持ちは大変良く伝わってくる。森林伐採や自然破壊が問題視されている今、この本はぴったりと言えるのではないだろうか。どちらかというとこの作品は大人向けのファンタジーだと思う。自然を慈しむことを忘れてしまった大人たちにはぜひこの作品を読んで頂きたい。

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紙の本パーラ 下 古城の秘密

2005/03/15 12:09

素晴らしいソネット

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この物語を通して語られるソネットが本当に素晴らしい。ソネットは日本人にはあまりなじみがないだろう。英語を少しでも読むことの出来る人は一度ソネットというものを読んでみて頂きたい。これほど素晴らしいものはないと私は思うから。この物語を訳するに当たって、訳者は本当に苦労したのだという。そうだろうと思う。ソネットを日本語に訳するのは本当に大変なことだから。形式をそのままにして日本語に訳する為には似たような意味の言葉を必死になって探さなければならない。今回この本を訳して下さった訳者には本当に頭が下がる思いだ。

前半である上巻では言葉の持つ力や魔力について多くのことがかかれていたと思う。しかし、後半であるこの下巻ではどちらかというと冒険の要素がかなり強い。ラルフ・イーザウお得意の冒険談だ。下巻になると早く続きが読みたくて仕方が無くなる。様々な難関を越えていくパーラ。そのパーラと共に一緒に旅をし、冒険をしているような気にさせられる。冒険ものが好きな人は下巻の方が面白いかも知れない。

この物語では最後に最大の謎かけがされている。この謎の答えをきちんと見つけることが出来るかどうかは、この作品の読み方にかかっている。慌てて読むのではなく、じっくり腰を落ち着けて、一文字一文字を頭に叩き込むつもりで読めば、最大の謎に対する答えは見つかるのではないかと思う。実は私はこの本は図書館で借りて読んだので、かなり慌てて読んだ。よって、最大の謎書けに対する正しい答えは見つけることが出来ていない。機会があればもう一度借りてじっくり読み直してみようと思う。

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紙の本パーラ 上 沈黙の町

2005/03/15 12:08

言葉の大切さと使い方

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人の話を聞くということがどれほど大切なことかと言うことを、ラルフ・イーザウはこの物語を通して読む人たちに伝えている。良く人の話を全く聞かず、自分の意見ばかり押し通そうとする人がいる。そういう人から発せられる言葉には何の力もなければ魅力も魔法もない。自分の思い込みだけで話す言葉というものはないに等しい。言葉の魔力というものは人の言葉にじっくり耳を傾けてこそ込められる力。その事に気付いていない人たちは哀れとしか言いようがない。

この物語は特に子供たちに読んで頂きたい。子供は良く人の話をよく聞くということをあまりしない。年齢的にも仕方のないことなのかも知れない。しかし、人の言葉を聞くということは大切なこと。その事を多くの子供たちに知って貰い、人の話を聞き、自分の口から発せられる言葉に魔力を込めて貰う為にも、この物語を読んで欲しいと思う。そうすれば大人になった時に、素晴らしい人になるだろうから。

また、人の話を聞くということを忘れてしまった大人たちにもこの物語を読んで頂きたい。人の話を聞かず、自分の意見ばかり押し通そうとする大人ほどタチの悪い人はいないから。人の話にじっくり耳を傾ける人は素晴らしい人だと思う。聞き上手になれとは言わない。ただ単に、人の意見にも耳を傾けることの出来る人になって欲しいと思うだけ。

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紙の本ストラヴァガンザ 仮面の都

2005/02/21 13:51

イタリアに行ってみたくなる

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このような話は他の作品で読んだことがある。その作品でも時空を超えて旅をするのは少年であり、その少年は現代であるこの世界では重大な病を抱えて苦しんでいた。しかし時空を超えてもう一つの世界へ行くと、その病気はまるでなかったかのようになり、元気に走り回っている。現代で何らかの重い病気を抱えている人で、その病気に対して一生懸命に戦っている人には、もう一つの別の世界で全く違った新しい人生が与えられると言うことなのだろうか? 確かに何も悪いことをしていないのに、神様の勝手な判断で重い病気にかかってしまうのはあまりに理不尽と言える。そのせめてものお詫びと言うことなのかも知れない。

さてこの作品はイタリアが舞台になっている。ルシアンが冒険しているタリアと現代のイタリアとでは少し違っているようだ。しかし昔のイタリアはルシアンが冒険している姿とあまり変わらなかったのではないだろうか。ヨーロッパ諸国は近代化が早く進み、今のような姿になった。近代化が進む前はルシアンが冒険している世界と似たようなものだったのではないかと思う。この物語の設定も現代の時代よりもずっと過去のものとして描かれている。ルシアンが受けた印象は「現在のイタリアに比べると不潔」らしい。いずれはルシアンが冒険しているタリアも現在のイタリアのような姿になるのかも知れない。

この作品を読んでいるとイタリアへ行ってみたくなる。旅行嫌いの私がそう思うのだから、素晴らしい姿として描かれていると言うことなのだろう。イタリアへ行ってみたことのない人は勿論のこと、イタリアへ行ってみたことのある人も、一度この作品を読んで頂きたい。頭の中で想像するイタリアは本当に素晴らしいから。

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紙の本シルバーウィング

2005/02/16 13:10

こんなに種類がいたなんて!

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コウモリを主人公にした作品とは実に珍しい。コウモリは謎に包まれた生き物として今もかなりの研究者がいるそうだ。そんな謎に包まれたコウモリを作品の主人公に取り上げ、その謎の部分も上手に物語の中に取り込んでいる素晴らしい作品だと思う。この作品を読んでコウモリに対する見方などが変わる人も多いのではないだろうか。

この作品には様々な種類のコウモリが登場する。私はコウモリにこんなに沢山の種類があるとは知らなかったので、読みながら大変驚いた。そしてその種類によって食べる物がこんなにも違うと言うことにも大変驚いた。フルーツバットなどは大変有名。しかし、この作品で悪役として登場するコウモリはまた凄い。どこがどのようにすごいのかは読んでみてのお楽しみとでも書いておくことにしよう。ここでそのようなことを書いてしまうとネタバレになってしまうから。

コウモリの生態の不思議をこんな風に作品に取り込むとは実に面白い。我々人間は人間独自の勝手な解釈でコウモリの生態を見ている。しかしそれは実際コウモリに聞いてみたわけではない。誰もソロモンの指輪を持っている人はいないのだから。案外この作品で語られているようなことが本当なのかも知れない。そう思って読んでいくと、更にこの作品を楽しむことが出来るだろう。

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紙の本双子座の星のもとに

2004/10/12 11:49

双子の不思議

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偶然というものはすごいものだ。まさかロンドンのまっただ中で自分に瓜二つの人を見つけるなんて、どういう心境だろう? 鏡に映したような自分そっくりなもう一人。しかもそれが自分の双子だったとは驚きだ。この衝撃的な部分は読者をこの作品に強く引き込んでいる。しかもそこからあれよあれよという間に信じられないような事に巻き込まれてしまうのだ。

作品自体はちょっとしたミステリー仕立てになっていると思う。特に何らかの殺人事件的な事が起こるわけではない。しかし自分に瓜二つの双子の姉妹が、自分が知らない間にどんな生活を送り、どういう性質だったのかが少しずつ明らかにされてくる。様々な人たちの口から語られるもう一人の自分の性質。あまりの違いに読んでいる私自身もビックリした。

双子というものは離れて暮らしているとどこか似てくると何かで読んだ事がある。それは好きな相手のタイプだったり食べ物の好き嫌いだったりするらしい。しかしこの作品に出てくる双子の姉妹は全く違った環境の中で生活し、性質も全くと言っていいほど異なっている。こう言うところが私は読んでいて面白いと思った。

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紙の本スコットランドの早春

2004/10/12 11:48

継母との関係

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継母との関係は大変複雑で難しい。自分の子供のように愛しているのだけれど、どこかで子供に遠慮してしまう継母。自分の子供と同じように時には厳しく、時には優しく接する事が出来ない。そしてそんな自分がもどかしくなる。この作品に登場する継母も、そう言う自分をもどかしく思い、それでいてどうするべきなのか分からなくなっていたようだ。そして結論はただ静かに見守ろうと言う事になったらしい。私は別に自分の子供のように厳しく叱っても良いと思うのだけれど…そう言う事はどうやら難しいようだ。

一方、子供たちは継母がいつでも優しい事に苛立ちを感じているようだ。そして自分と継母の意見が一致しない時には「本当のお母さんではないからだ」と思ってしまうらしい。そして一瞬でもそう思ってしまった自分を恥じ、ますます内にこもってしまう。小さな時から継母に自分の子供同様の扱いを受けていれば、大人になってからでもそれなりに継母と上手に付き合っていく事が出来るかも知れない。しかし、ここに登場する二人はある程度大人になってから継母と出会っている。時期も悪かったのかも知れない。子供ではないけれど、大人にもなりきっていない時に継母を迎え、一緒に生活するようになったのだから。

この作品の最後の継母の言葉が大変感動的だった。大抵の継母はこのような気持ちを抱いているのではないだろうか。自分がお腹を痛めて生んだ子供ではなくても、同じ自分の子供としてその子を愛している。それに子供がいつ気付くかが問題だけれど…

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紙の本コーンワルの夏

2004/10/06 11:01

ミステリー仕立て

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イギリスの田園風景を描いた作品。一見、時が止まっているような錯覚を起こさせる場所。一体どういう人なの?と言うような登場人物もちらほら出てくる。しかし、そう言う謎めいた人物が登場してくる為にこの作品は面白く、一気に読み進む事が出来ると思う。

田園風景を描いた作品でありながら、ミステリー仕立てにもなっている。このミステリー仕立てになっているところが大変面白かった。複雑な一人の女性の心境を描きながら、その女性の全くあずかり知らぬところでとんでもない自体が起ころうとしている。そしてそのとんでもない自体を周りの人たちが一生懸命に頭をひねって解決していく様は、読んでいて面白かった。

自分の足でしっかり立って生きて行く事の出来ない人間は星の数ほどいる。しかし、そう言う生き方はあまり良いとは思えない。何故なら、そういう人は必ず周りに迷惑をかけるから。そしてそういう人は周りが迷惑を被ってもあまり気にかけないから。そう言う生き方しか出来ない人を私は可愛そうだと思う。しかし、私はあまりそういう人とはお近づきになりたくない。

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紙の本村の百年祭

2004/10/05 12:05

小さな村では催し物が大変大切なもの

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こういう小さな村では催し物が大変大切なものになってくる。大きな都会ではそう言う事は全くと言っていいほどないので、そう言う点ではこのような小さな村は大変素晴らしいと言えるだろう。都会では50年、100年という長い月日を重ねても、あまり意味がない。それぞれ個人の生活スピードは驚くほど速く、節目節目の年などと言うものは気が付けば通り過ぎていった人が多いのではないだろうか。フェアエーカーの村でも個人の生活は大変忙しい。しかし、都会の忙しさとは違い、節目節目の年を感じる事が出来るような速さ。これは大切な事だと思う。節目に今までの生活の事を次の世代に語り継いでいく事が出来るような生活スピードというものが人間にとっては大切だろうと思うから。

100年を迎える為に催したイベントは大変良いものだったと思う。ミス・リードはこのようなイベントをよく考えたものだ。確かにこの催し物はミス・リードだけが頑張って考え出したものではない。しかし村全体で100年をお祝いすると言った点から、村の人たちの助けを借りて催し物を企画し、それを成功へと導いたミス・リードの手腕は素晴らしいと言えるだろう。村人みんなでお祝いをすればそれだけ記憶に残り、素晴らしい思い出となって語り継がれていく。この100年を迎えた催し物もきっと今後、語り継がれていく事だろう。

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どの作品も楽しめる1冊

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フェアエーカーのもととなったと言われている作品集。40人の生徒とその学校で教える先生との関わりが大変面白く描かれている。作品集とはなっているが、これらの作品は全て一つの学校で1年を通して描かれているもの。季節の中でのそれぞれの行事について面白おかしく描かれていたり、子供たちの行事の楽しみ方などもリアルに描かれている。どの作品から読んでも何ら問題はないが、全ての作品を読み終えた後は自分自身もこの学校の1年を終えたという満足感のようなものが得られるだろう。

フェアエーカーやスラッシュ・グリーンの作品を読んだ後でこの作品を読むと、これらの二つの作品と類似している点が沢山見受けられる。どちらから先に読んでも大丈夫だけれど、この作品もフェアエーカー・シリーズ、スラッシュ・グリーン・シリーズも全て読破すれば、村の学校ならではの素朴さや楽しさが良く理解出来るのではないだろうか。

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紙の本しあわせなリタイアメント

2004/09/30 15:02

しあわせ(?)なリタイアメント

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「さようなら、フェアエーカー」の続きの作品。前作の最後の方ではリタイア後の生活がほんの少しだけ書かれている。その最後の部分とこの作品の最初の部分が多少重なり、話は進められている。今までの作品の中には順番をあまり気にせず読んでも全然構わないものがあった。しかし、この作品は前作に引き続いている部分がある。この作品を読む前に必ず前作「さようなら、フェアエーカー」を読む事をお勧めする。

普通、リタイア後の生活というと読書をしたり庭仕事をしたり、たまに旅行に行ったりとのんびり過ごすというイメージがある。しかし、ミス・リードの場合のリタイア後の生活はそんな生やさしいものではない。確かに校長を務めていた時のように早起きをする必要はない。しかし、目が覚めて布団から出たと途端に彼女は突如忙しくなる。彼女の生活はリタイアする前もリタイア後もあまり変わらないようだ。忙しさが学校から周りの事に変わっただけと言う感じがする。小さな村であり、ミス・リードはこの村に住んで長いのであちらこちらから引っ張りだこになってしまうのだろう。まるでミス・リードがリタイアする事を誰もが待ちかまえていたように、様々な問題をミス・リードの所へ持ち込んだりしている。周りから関心を持たれているという事は大変良い事だと思う。彼女自身は自分の毎日の忙しさにかなり閉口しているようだけれど…

リタイア後の生活の仕方は様々だ。庭仕事に精を出す人、読書を毎日する人、何かの会合に沢山参加し、そこで様々な役職について毎日を楽しむ人など。そんな中で時々ではあるけれど本を書く事をする人がいる。ミス・リードは偶然の出来事から本を書いてみようかと思い立つ。しかし、本を書くという事はそう簡単に出来る事ではない。文章を書く事が好き、そして文章を書く事が上手と言うだけでは本を書く事は出来ない。良く芸能人が下らない本を出版しているけれど、あれは全てゴーストライターが書いている。馬鹿では本を書く事は出来ないのだから。ミス・リードのような賢い人でも本を書く事は大変。様々な資料を集め、構成をきちんと作り、時間をかけて書かなければならない。出鼻をくじかれる事も多々ある。それらを乗り越えて果たしてミス・リードは無事本を書き上げる事が出来るのだろうか?私はちょっとした偶然から、本とは呼べないけれど文章を書かされた事がある。しかしもう二度とごめんだ。私は本は書くよりも読む方が良い。

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紙の本さようなら、フェアエーカー

2004/09/30 15:01

病気は突然やってくる

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病気というものは突然やってくる。ミス・リードの場合もその突然降って湧いたような病気の為にリタイアする事になる。しかし、彼女の病気は彼女が生活をしている場所の気候や一人暮らしにはありがちな生活態度を考え合わせてみると、充分有り得る病気だと思う。そして何らかの症状も合ったはず。彼女は日常の忙しさに気を取られてしまい、彼女の身体の小さな悲鳴に気付かなかったのだろう。彼女が気付いた異変はとても小さな異変とは言い難いものだと思う。もっと小さな異変が何らかの形であったはず。それに気付かなかったのはミス・リードの普段の生活を見てみると無理ないと言えるだろう。

小さな学校の校長がリタイアをすると言う事は大変大きな問題になるのだとこの時初めて知った。彼女の後を誰が埋める事になるのかという事でちょっとした問題が起こっている。新しい校長を選ぶというのは大変難しい事だろう。何故なら、誰もがミス・リードが校長として務めてきた役目全般を認めているのだから。ミス・リード自身もフェアエーカー学校の校長として就職が決まった時、大変心配だったに違いない。自分にみんなが着いてきてくれるかどうかという不安はいつまでも消え去らなかっただろう。しかし、ミス・リードの後に選ばれる校長はミス・リードの時よりもいくらか楽なのではないかとも思う。何故なら、ミス・リードは学校の近くにいるのだから。彼女から様々な事を聞いて少しずつ覚えていけばそれで良い。

ミス・リードが突然リタイアする事になったという悲しい話。しかし、この作品はそれだけでは終わらない。ミス・リードに降りかかってきた災難とでも言うのか、それとも良い事だと言えばいいのか分からないような事が起こる。寂しいはずの作品がここまで面白いというのはやはり小さな村だからだろうか。

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紙の本村のクリスマス物語

2004/09/30 14:59

心温まるクリスマス物語

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イギリスのクリスマスは本を読んでいて心温まるものがある。早くから作っておいておくクリスマス・プディングやミンスパイ、クリスマス・ケーキに七面鳥等々。こう言うところを読んでいるとまるで日本の大晦日を思わせる。英国では新年を迎えるよりもクリスマスを迎える方が大切なので、日本の大晦日を思わせるような忙しさ。しかしそんな忙しさの中にもクリスマスを楽しみにしている気持ちが沢山滲み出ているので読んでいるこちらまでもがクリスマスを楽しみにしてしまう。

クリスマスは誰にでも優しく慈悲深く接する。頭の中では分かっていても日本人はなかなかそう言う事は出来ない。ここが宗教観の違いというものだろう。フェアエーカーの人たちは純粋なキリスト教徒。普段でも心優しい人たちだけれど、クリスマスになるとそれの輪をかけて心が広くなる。宗教の力というものはすごいと改めて思う。普段なら腹を立てるような事でも「今日はクリスマスだから」と考える事で心が広くなるのだから驚きだ。これは特に第二作品である“クリスマス・マウス”に良く表現されている。

日本ではクリスマスというとどんちゃん騒ぎをする。しかし本来のクリスマスはイエス様がお生まれになった日なので静かにその生誕を祝うもの。私はクリスマスは大好きだけれど、日本のクリスマスのお祝いの仕方は大嫌いだ。本来のクリスマスの意味をもっと真剣に考えてみるべきではないだろうか。日本のクリスマスは本当に下品だと思う。

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